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病原菌の感受性を無くす。

秋めいてきました。
外に出ると金木犀の香りが、冷たい風と共に香り、暑くて息苦しかった夏を思い出しては懐かしく感じたり、あゝこれからまた寒い冬が来るな。とセンチメンタルな気分になったりしているのであります。
そんな肌寒くなり始めた10月中旬、都内ではインフルエンザなどのはやり病が出始めました。隣町では学年閉鎖になるほど流行中のようです。

さて、最近勉強した「公衆衛生」について書いてみたいと思います。

公衆衛生学では、すべての感染症は、「感染源」「感染経路」「感受性」の3つがそろったときに発生し流行すると書いてあります。

自然界において、感染源をなくすことはほぼ不可能で、感染経路も人を介する以外にも動物や昆虫、空気など様々な感染経路があり防ぐことが難しく感じます。
3つ目の「病原菌に対する感受性」に関しては、公衆衛生学の本にはこう書かれています

「たとえ病原微生物が口から体内に入ったとしても、その人にその病原微生物に対する感受性がないか、あるいは感受性が低ければ発症しません。
体力を養う、免疫を獲得するなどにより感受性を抑えるようにすることが必要です。」

公衆衛生学

私たちの体の防御システム


冬に流行するノロウィルスも、インフルエンザも、新型コロナウイルスも、同じ環境下にいるにも拘らず、罹る人と罹らない人がいるのはこの「感受性」によるものです。

要は免疫力を高めて外から入ってくる病原微生物をやっつける(追い出す)力を養いさえすれば、病気にはかかりにくくなります。

私たちの体には、ウィルスや菌、化学物質などの有害なものから身を守るためのさまざまな防御システムが備わっています。

①体の外側での生体防御(皮膚や粘膜等のバリア機能)
②体の内側での生体防御(自然免疫と獲得免疫)
③自律神経と白血球
④腸管免疫(腸内環境のバランスと正常化)


これら4つの機能を高めることが一般的に言う「免疫力を高める」ということになり、唯一自分で対策のできうる予防なのではないでしょうか。

①外側で防ぎきれなかった病原菌は②内側で戦います。
②内側で戦う上で重要なのが③と④です。

③自律神経と白血球


ストレスは自律神経の乱れを起こし、白血球内の【顆粒球とリンパ球】のバランスを崩し病気になりやすい環境を作ってしまいます。
顆粒球(全体の54~60%)とリンパ球(全体の35~41%)の比率を正常に保つことが病気にならないポイントになります。
顆粒球とリンパ球のバランスを保つこと=自律神経のバランスを保つことです。
交感神経が優位になりすぎると顆粒球が増えてウイルスに対抗する力が低下します。
副交感神経が優位になりすぎるとリンパ球が増えて、アレルギーの発生や進行に関与してしまいます。
シーソーのように交感神経と副交感神経は両方のスイッチを入れ替える必要があるのです。

④腸管免疫


体に入ってきた病原菌と戦う最終決戦の戦場は腸内(腸管)です。
(腸に到達するまでにも様々な体のバリア機能が戦ってくれます。(例)唾液、鼻水、くしゃみや痰、胃酸など消化液)

腸管免疫は全身の免疫システムの約70%を占めるといわれています。
70%ですよ。ほぼ腸内でやっつけてくれるのです。
テレビやCMで「腸内細菌のバランスを整える」とか「腸内環境を改善する」というワードを毎日のように聞きますが、本当に腸内環境を改善することが健康にとって大事なんです。

人によって腸内細菌が違う?


体にいいといわれるものを食べても、体調が改善しない人、薬(漢方薬など)の効果が薄い人。がいますが、その原因の一つに「腸内細菌」の違いがあるといわれています。

今までは「個人差」という表現で片付けられてきましたが、薬が腸で吸収される前に、腸内細菌がバクバク食べて分解してしまい、望む効果を得られないという研究発表もあったそうです。​

食物繊維の重要性

腸内環境を整えるには「食物繊維」と聞いたことがあると思います。
この「食物繊維」。植物が生まれつき持っているもの(細胞壁)で、植物全てに含まれています。
それが「野菜を食べましょう」といわれる所以です。

食物繊維は分解されずに腸まで届いて腸内細菌の餌になります。
ただし食物繊維を餌とする腸内細菌が少ないと分解されず、腸に詰まり便秘になりますから、食物繊維を餌とする糖化菌(納豆など)、乳酸菌などの入った発酵食品やヨーグルトも併せて食べることが重要です。

逆を言えば納豆やヨーグルトだけを食べても餌となる食物繊維が不足していたら腸内細菌は増えません。

食物繊維をたっぷりとる方法は野菜を多くとる以外にはやはり「ハーブティー」「薬草茶」などの植物から作られたお茶の力を借りることだと私は考えています。
毎日の水分補給に水を飲むのももちろんいいのですが、折角なら食物繊維も取り入れることができる薬草茶で腸内細菌を増やしていければ免疫力が高まり心と体の健康を維持できると私は常日頃から考えています。


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