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日記

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柳流水の日記です。
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2024年5月の記事一覧

【日記】5/13-5/14

小林秀雄『近代絵画』

 セザンヌの描写が特に厚い。
 セザンヌは、曰く、印象主義の画家のように、光学という科学分析に分解されていく自然を書いたのではなく、「自然の方からやって来て、私に視覚を使わせるもの」、とでもいったようなものを描いていた。これは、小林秀雄の意見というより、ほとんどが、本人の発言の雰囲気をもってきたものだ。自分も読んだことがある。
 確かに、セザンヌの芸術論は、言葉としても熱く

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【日記】5/8-5/12

小林秀雄

 佐々木敦の『新しい小説のために』に出てきたからだったと思うが、柄谷行人という批評家を読むにあたって、批評というものをここまで熱心に他の作家のものを読んだこともないから、小林秀雄の『近代絵画』を読み進めている。悪い癖だが、芋づる式に読んでいくと、本当にきりがない。
 もともと、『新しい小説のために』も、山本浩貴の『新たな距離』や、それに関連してミシェル・レリスの『成熟の年齢』に関連して

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【日記】5/5-5/7

武蔵野

 国木田独歩の『武蔵野』を読み進めている。
 文語と口語が、地の文とセリフの使い分けも含めて、順列組み合わせ的に使われている。
 地の文……文語、セリフ……文語
 地の文……文語、セリフ……口語
 地の文……口語、セリフ……口語
 このような感じ。だが、今順列といったけれども、地の文が口語であるにもかかわらず、セリフが文語であるというのは、ちょっと考えにくいから、おそらくパターンはこの三

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【日記】5/1-5/4

ロブ=グリエ

 いつか、「デューン砂の惑星」のDVDを宅配レンタルで借り、枚数がもっとあった方が得だというかなり消極的な理由から、ロブ=グリエの関わった映画も見たいと思い、「グラディーヴァ」などを借りたのだが、半分見ないで返してしまった。つまらないというわけではない、こういう未知の感触を持つ映画を見た時によく起こるのだが、それを見たという単にそのことを自己の中で言葉にしきれないことに耐えられなく

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