ライターという仕事の面白さ
ここ数日、ある方の自伝作成の仕上げに入っている。
赤の他人の私が、その方の人生を私の言葉で綴る。
よく考えてみると、なんとも不思議なことをやっているなぁ、と思うことがある。
私はその方ではないし、その方の人生をすぐ近くで見ていたわけでもない。
数時間のヒアリングや、その方の積み上げてきた文章、様々な記録を頼りに、人に読んでいただくための「ものがたり」として仕上げるのが、私の役目。
その結果生み出される文章は、お客様にとっては、今の自分を映し出す鏡となり、ご自分を客観的な視点で捉えるための一つの材料となる。
自分のものがたりを大切な誰かに伝えるための「読み物」としての役割も、勿論あるだろう。
そして、実はお客さまだけではなく、ライターである私自身にとっても、彼らのものがたりを綴ることで、日々たくさんのことを得ていることに気付かされる。
過去をあえて振り返る意味
自伝作成ではない「未来インタビュー」という企画インタビューの中でも、自伝的な記事を作成している。
その方の過去から現在までの人生をお聞きして作成する記事で、5000文字前後のプチ自伝。
実はこのプチ自伝が、未来の記事と同等、あるいは人によってはそれ以上に、意味があるものなのではないか、と思うことがある。
それは、お客様から寄せられる感想の中で、こんなお声をいただくからだ。
そもそも、未来の話をするのに、どうして自伝?今までの振り返り?と思われるかもしれないが、過去を振り返る時間は、未来を創っていく上での思いがけないヒントを与えてくれることが多い。
例えばあるお客様とのインタビューで、「そういえば昔、こんなことをやりたいと思っていたんだよね」という話が出てきたりする。
過去の点と点がつながり、自分の核となる大切なビジョンが明確になり、それが未来の自分にとっても大切にしたい想いにつながっている、と気づかれる方もいらっしゃる。
過去を振り返る中で、本当に自分がやりたいと思っていたことが揺らぎ、もう一度自分を見つめ直す機会を前向きに捉え、あらためてご自分の未来を考える方もいらっしゃる。
過去を振り返ることで、自分の中で潜在的にひっかかっていたけれど、今まで表面には出てこなかったことが見えてくる。
そして、自分の未来を考える上での大切なキーポイントが再確認できる。
今までのお客様とのインタビューを通じて、プチ自伝の作成には、そんな効果があるのではないか、と感じている。
ライターである私にとっての意味
冒頭で述べたように、その方の物語をなぞり、言葉にすることで、恩恵を受けているのはお客様だけではない。
ライターである私にとっても、とても大きな意味があると思っている。
よく考えてみれば、会ってすぐの赤の他人に、こんなにも自分の人生を深く、真剣に語ることって、そうそうないのではないかと思う。
それだけでも奇跡みたいな時間で、ライターとしては本当にありがたく、嬉しいことなのだ。
私がその方のものがたりに耳を傾ける時、普段の生活では到底知り得ない、たくさんのストーリーを間近で体験することができる。
そしてそのストーリーを語ってくれるのは、主人公である彼ら本人なのだ。
彼らの口から語られるものがたりには、ありふれたものなど一つもない。
その一つ一つが尊厳に満ち、ワクワクと驚きの連続で、どのものがたりもわたしの心に深く響く。
時にはその方の想いに共鳴し、涙が溢れる時もある。
まるで自分に言われていることのように、タイムリーな言葉にはっとさせられることもある。
過去に自分が経験してきた様々な想いと重なり、大きく頷く瞬間も多い。
そして不思議なことに、お客様とのご縁は、その後のビジネスや新しいコミュニティ作りに発展することもある。
「じぶんものがたり」も、「未来インタビュー」も、ただその方の話を聞いて、文字にするだけのコンテンツではないのだ、と改めて感じている。
私の企画インタビューを選んでくださったあなたは、私にとって大切な人になっていくのかもしれない。
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