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リモートワークで成果が出ないあなたへ ~ハイパフォーマンスエンジニアリング~

リチャージという会社は、いつだってリモートファーストだった。つまり、仕事のプロセスは必然的に非同期性を帯びることになる。場所も時間帯も異なる社員たちが、いかにして協調して働くか。そういう課題と向き合わざるを得なかったんだ。

コロナの時代を経て、似たような会社は増えた。どこにいても仕事ができるという利点と、ビジネスの目標を達成するという責任のバランスをとる。そんな悩みを抱える会社が増えたってわけさ。

でも、リチャージの場合は少し事情が違った。競争の激しい業界にいるから、機敏さを失うわけにはいかない。それでいて、大手企業を顧客に抱えているから、厳格な規律も求められる。そんなジレンマの中にいたんだ。

リモートワークには新しい課題がある。それは、オフィスワークとは違う種類の問題なんだ。例えば、在宅勤務は個人の貢献者には向いているけど、管理職には難しい面がある。でも、今回は管理職の話に焦点を当てよう。

オフィスからリモートに移行すると、ミーティングを避けたがる傾向がある。オフィスにいれば、いろんな形で中断が発生する。でも、それを避けようとしすぎると、今度は協力関係に支障が出る。だから、うまくバランスを取る必要があったんだ。

それに、決まった時間に仕事をすることも大切だった。リモートだと、好き勝手な時間に仕事をしがちで、そうすると連絡が遅れる。一定の時間帯に仕事をすることで、意思疎通がスムーズになる。

新しいアイデアを形にするときは、素早いフィードバックが欠かせない。短いサイクルで、次のステップを決めていく。プロジェクトの初期段階では、特に頻繁なフィードバックが必要になる。

そこで、リチャージは「カイゼン」というアプローチを取り入れた。CTOのマイク・フリンが、機械工学の知識を活かして考え出したんだ。最初は単に、エンジニアリング部門の潜在能力を引き出すための戦略alignment程度のつもりだった。既存の製品を改良するんじゃなく、全く新しい製品を素早く立ち上げることが目標だった。

ビジネス環境は、かつてないほど競争が激しくなっている。数ヶ月、ましてや数年もかけて開発するなんて、もう時代遅れだ。ビジネスは急速に変化し、働き方もそれに合わせて変わっていく必要がある。

結果的に、リモートワークの在り方そのものを再定義することになった。でも、それは意図せざる結果だったんだ。

コミュニケーションとアラインメントが不足していて、納期が遅れがちだった。それが、会社の変革の足かせになっていた。大規模で取引量の多い顧客に対応できる堅牢なビジネスプロセスを維持しながら、競争力を保つために開発のスピードを上げる必要があった。

そこで、私たちは適応した。でも、それは一朝一夕にはいかなかった。カイゼンを導入してから、本当に機能し始めるまでに9ヶ月もかかったんだ。

より深い協力と足並みを揃えるために、「ワーキングドキュメント」という概念を導入した。リチャージの方針は、「メモはスクラッチドキュメントに、事実と決定事項はナレッジベースに」というものだ。

誰もが、こういった非公式なメモから始める。新しく参加する人にも分かりやすく、必要な情報がすぐに見つけられるようにするんだ。これらのドキュメントは、将来の同期的なコラボレーションの基礎となるけど、非同期の貢献も可能にする。

多くの人が、オフィスワークの「会議嫌い」をリモート環境に持ち込んでしまう。私たちは、会議を減らすことと、不必要な遅延を避けることのバランスを取る必要があった。

定期的な会議は、モラルと速度の最大の阻害要因だということが分かった。代わりに、重要な局面に達したときに開催される臨時の作業セッションが解決策となった。カレンダーに入っているからではなく、必要だから会議を開く。そういう考え方だ。

マネージャーには、チームを管理するための最小限の儀式を効率的に行いながら、自分が推進するプロジェクトのための臨時会議を促進することが求められた。

独立して作業を始めると自然と生じるドリフトを減らす必要があった。新しいコンセプトであればあるほど、成功の姿が不明確になる。ビジネスの一部はリスクを取ることだ。成功する企業は、新しい情報に適応するための素早いフィードバックループを確立できる。

新しい情報は、新機能の礎石だ。アイデアを形にして、フィードバックを求める。アイデアが発展すればするほど、大きな変更を加える可能性は低くなり、既存のものに対するバイアスが生まれやすくなる。

私たちは、イテレーションのサイクルを短くし、フィードバックを得られる成果物を素早く作り上げる必要があることを学んだ。臨時の電話で基礎を固めることで、足並みを揃えながらも、より長く非同期で作業できるようになった。

内部の利害関係者や顧客からより早くフィードバックを得られるようになり、結果として、立ち上げる機能の受け入れが良くなった。

リチャージは、より素早く動くことを目指した。そして結果的に、リモートでより良く働けるようになった。これらの変更を実施してから、注目すべき改善がいくつか見られた:

  • チームの儀式がより効率的になり、事前に文脈と足並みが確立されるようになった

  • 作業や意思決定の会議の前にアラインメントが確立されるため、会議がより生産的になった

  • チーム間、ビジネス部門、製品部門の連携が向上した

  • 良好なフィードバックループにより、以前よりも素早く適応できるようになった

完全リモート、あるいはリモートファーストは、リチャージにとって非常に有益だった。リモートの旅を始めたばかりの人、リモートへのコミットメントを強化しようとしている人、あるいは同様の課題に直面している人には、私たちのように協力の仕方を見直すことをお勧めする。

そう、世界は変わり続けている。私たちの働き方も、その変化に合わせて進化していく必要があるんだ。まるで、どこかで鳴り続ける電話のベルのように、変化は私たちを呼び続けている。その呼び声に応えるか否か。それが、これからのビジネスの成否を分けるのかもしれない。

参考

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Puuuii | 伝える技術と心理学で戦うデータエンジニア
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