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ちょっぴり読書感想vol.6

限りなく透明に近いブルー
村上龍

今回は、村上龍さんのデビュー作である、「限りなく透明に近いブルー」について書いていきたいと思います。

正直、題名だけをみると若者の青春小説と感じる気がしないでもありませんが、こちらは若者を描いてはいますが、所謂青春とは似ても似つかない陰を描いた小説だと言えます。


最初の衝撃は、現代を生きる私には刺激的過ぎる、ドラッグ、セックス、差別に溺れる若者の描かれ方です。生々しいのか、生々しくないのか、小説を読んでいるだけなのに目を塞ぎたくなる描写ばかりというくらい刺激が強いです。賛否両論分かれるのもわかります。これが、70年代前半の若者かという風に思っちゃいます。
また、これはおそらく村上龍さんの実話というところが怖いのです。これを弱冠24歳の青年が書けちゃうところが怖いのです。

刺激的な部分だけに私は目が行き過ぎた感が否めませんが、訳がわからないシーンがめちゃくちゃありました。ドラッグ使用の幻覚や幻聴の非現実的部分を描いてるのでしょうか。
主人公や登場する若者たちは、何かに怯えてるんですよね。それだけは私でも理解できます。
終盤になるにつれて、その何かに怯える描写が強まります。

解説を読むと、私の中でポンッと少し腑に落ちました。その何かとは、社会であるのだと。社会に対する何かはわからない抗議だと、反抗だと、カウンターだと。解説のなかで、現実と非現実の転落と記されているのですが、ドラッグや酒やセックスに溺れ、非現実に逃げているように見え、終盤にかけては、その非現実がもはや現実のように感じてくるようになるのです。
村上龍は、社会に対して、将来自分がどうなるのかという不安や、自分は何なんだという、一種のユースなカウンターカルチャーを発信したんだと私は感じています。
荒々しい70年代前半らしい描写ですが、ここまで尖っていないにしても、少なからず現代の若者も悩んでいる事象ではないかと思います。

ピンクフロイドとピンクのケロイドをかけてるところ発見しました。笑
私は、この作品を、社会に対する若者の漠然とした不安の反抗だと思ってます。
ヒッピーが日本にも受け継がれてんだなってわかる作品であり、日本にもある60年代後半から70年代前半の社会の若者のダークな部分を刺激的に描いてる最高にブッ飛んだ作品だと思ってます。

ジャニスジョプリンを聴きながら、この本を読むくらいどっぷり浸かりました。笑
2週目を読んだら、もっとこの作品を深く理解することができるのでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
また、次回。

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