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ちょっぴり読書感想vol.10

ナショナリズムと政治意識
「右」「左」の思い込みを解く
中井遼

こんにちは。
東京都知事選挙が終わりましたね。
私は今まで政治に興味なんてありませんでした。そこには、私1人の意見や思想なんて何にも反映されないし、政治家なんて私利私欲にまみれた人しかいないと思っていました。私自身、現代の若者っぽい個人主義的な部分が強かったのだと思います。
そんな私は、ファッションが好きなのですが、ファッションを文化的に捉えようとすると、自然と経済、政治、社会、技術などの側面が関係してくるんですよね。当たり前だけど笑
ファッションに限らず、音楽や文学、芸術、コミュニティにおける慣習なども上記が関係していきますよね。
だから、ファッション文化において、どのような政治思想に対して、カウンターなのか、世相表すのか、それをどのようにファッションに昇華して流行したのか気になっている現在です笑
たまたま、東京都知事選があったので私だったら誰に投票するかなと考えていたら、自分の政治的思想なんて考えたこともないなと思い、自分の意見を持っていないのに選ぶのは大変だと思ったのです。
なんとなく、私は右派でナショナリズムよりの考え方かななんて思ってたのですが、右派的な思想やナショナリズムと称されている人の公約を見ると、ここは違うなとかいう部分が多かったんですよね。そんなときに手に取ったのが今回の本です。
著者の中井遼さんが、母校の大学の教授というのも知ってなんだかほっこり。


結論、この本はめちゃくちゃわかりやすい。上記の私の悩みのほとんどを解消してくれる書籍でした。
私は、右派は資本主義で保守的、左派は、社会主義で革新的みたいな感じで捉えていたのですが、よくよく考えると矛盾することもあるよねと疑問に思っていたのです。だって、日本て資本主義のくせに小さな政府とかほざいてるもん。とか。
でも、この本を読むとそんな複雑な部分を細かく解いていってくれるんですよね。

大前提として、私が上記に挙げた棲み分けはあながち間違っていないようで、「右」「左」を二次元で区別すると、経済的右派、左派と社会文化的な左派・リベラル、社会文化的な右派・保守に大別されるみたいです。
ここで難しいのがナショナリズムですよね。日本国民の大多数がナショナリズムって右翼的で危ないってなんとなく思っているのではないでしょうか。そうではないんですね、政治の歴史的にそういう毛色が強いかもしれないのですが、右派左派どっちとも結びつきますし、危ない側面と良い側面半々だと思います。ナショナリズムが民主主義の前提あるという考えが大前提としてあったりするくらいなので。

書けば色々学びはあったのですが、僕が結局感じたことは、政治って複雑だなと思いました。これが正解というものはない。なぜなら、国家単位、地域単位、民族単位、最終的には個人単位において、全く同一の思想持つ人なんていないんですよね。どのコミュニティの単位においても、違う文脈、異なる背景があるため、一括りにしようなんて難しいのです。
だからこそ、大事なのは自分の意見、政治思想を持ち、議論し合えるかが大事なのではないでしょうか。自分で考えて、自分の思想に基づいて、意思決定し、議論することが。

この本を読んだことで、自分の政治思想理解が進みました。
ただ、著者の中井さんも述べているのですが、この本は、中長期的な時間変化は追えていないそうなので、もっと昔からこの論を追っていくと、様々な政治思想や価値観が台頭してきた理由や背景、現在に繋がる相関がわかり、私がファッションを文化的に捉えるところにも繋がっていくと感じました。

また次回。

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