瞑想のためのヨガ~ヨガニドラ、その効果~
さて、今回私が触れたいのは、ヨガの手法のうち、ヨガニドラについてである。ヨガニドラは「眠りのヨガ」とも呼ばれ、横になった姿勢で行うヨガ。身体を動かすことなく、声の誘導で瞑想にいざなういわば静的なヨガである。
わたしがヨガ二ドラに出会ったのは、10年ほど前、ヨガの第一人者である綿本彰氏の著書「眠りのヨガ」を読んだ際であった。初めてこのCDを聞いたとき、すこんと眠ってしまい、覚醒時の頭のすっきりした感覚に驚いたのを覚えている。それ以来、何度も行ううちにこのリラックス効果と睡眠の質の向上を体感していった。
本来、ヨガニドラは本当に眠ってはいけない。
覚醒時と睡眠時のはざまにある、ほかのことを一切考えられない、つまり心の動きが止まる脳波の状態でキープすることが大事なのだが、そのまどろんだ静寂な状態の時、人間は心身ともに究極にリラックスした状態となる。
一般的に言われているヨガニドラの効果は以下のようなものだ。
1 ストレスの軽減
身体・呼吸・感情・精神の4つのレベルで総合的に働きかけ、
緊張のスイッチを切っていくことで、心身を共にリラックスさせ、スト
レスの悪循環を断ち切る。
2 心の状態をフラットにする
否定的な感情は体に様々な緊張をもたらしている。身体の筋肉や血流の
緊張を緩め、正常な状態に導くことで、心も正常な状態になる。
3 眠りの質の向上
心身の緊張を解くことでリラックス状態を作り、ヨガニドラで行う「退
屈な誘導」が深いまどろみの状態を作る。1時間の練習で4時間の睡眠
に値するほどの高いリラクゼーション効果があると言われている。
4 身体的なリフレッシュ
「眉間にしわが寄ってるよ」と指摘され、はっと気づくことでその緊張
が解けるという感覚は、誰しも持ったことがあるのではないだろうか。
このことでわかるように、身体に意識を向けていくことで、深部から緊
張が抜け、緩まっていき、身体がリフレッシュされたという感覚を得ら
れる。
「眠りのヨガ」(綿本彰著)参考
このような効果から、ストレス由来の様々な心身の不調の症状を抑えることも期待できるのである。様々な技法のある「瞑想」がもたらすとされている効果は、ヨガニドラにおいても同様にもたらされる。
瞑想は、なんだか難しそうだし、集中続かないし、なんだか修行っぽいし・・・などいろいろなイメージがある中、気にはなるけれどやったことがない、という人は多いのではないだろうか。
その点、ヨガニドラは、インストラクターの声に集中していくため、一人で静かに行う技法よりも集中力が続きやすいのでお勧めである。
心がざわつき、不安になりがちな中、追い立てられるように生きるストレス社会で毎日頑張っている人にとって、この瞑想法は、平和に幸せに、そして生きやすくなる一助となるのではないかと思うのだ。
生活の隙間にヨガニドラを。
そんな気持ちで、自分自身も取り組んでいってみたい。