人は絶対に現状に満足出来ない
人は自分の現状に満足する事が出来ない。
それは現状が悲惨だからではない。
比較的安定していて、比較的「幸せ」な現状にいたとしても人は満足しない。
満足しない所か不満すらも持つ。
なぜなら現状よりも未来の方がよく見えるからである。
この先の未来が今よりも良くなると思っているからである。
人は何かを目指し、そこに向かって動く。
例えば、大学受験に合格し大学に入るために勉強を頑張る。
自分の仕事を成功させるために一生懸命働く。
こんな風に、自分の先に目指す物を置いて、そこに向かって進んでいく。
この自分の先にある目指す物は、今の自分が持ってないものである。
つまり、目指すものを持っていない今の自分よりも、目指すものを手に入れた未来の自分の方がよく見えるのだ。
だから常にない物を求め、より良い「現状」ににするために進んでいく。
ここだけ聞くとよく聞こえるだろう。
「現状に満足する事なく上を目指して邁進する」というのはまるでアスリートのようである。
実際、人のこの特徴によって自分の人生を常にアップデートし、より良い状態にしていく。
しかし、デメリットもある。常に無いものを求め、現状に満足出来なくなると、いつまで経っても安心出来ない。
落ち着く場所がなくなってしまうのだ。
そして、人は時々、現状の不満から自責に走る事がある。
自分が今持っているものを過小評価し、手に入れた物を蔑む。
「まだこんなもんじゃない」
「あれも欲しい、これも欲しい」
「次は〇〇を手に入れないと」
新しい物を手に入れた瞬間に次の物へと意識は写っている。
そして、常にある物よりも無い物に目がいっている。
だからしんどい。だから今の自分を労れない。だから今の自分を信用出来ない。
しかし、これはある種仕方ない。
なぜなら、今の自分は過去の失敗から出来ている。
過去の失敗を改善し、もう今の自分が同じ事を繰り返さないようにしている。
つまり、過去の自分の欠陥を改善し、今の方がより良くなっている。
それと同じことを未来にも期待する。
欠陥だらけの今の自分よりも将来の自分の方が、欠陥も改善され、より良くなっていると信じている。
だから現状に満足出来ない。
しかし、どちらが良いかを決めるのは難しい。
人は目指すものがなくなると生きていけない。
人生は悲惨な物に姿を変えるだろう。
かと言って今の自分に絶望してしまっては、未来に希望が持てない。
なので、こんな風に自分に問うてみると良いかもしれない。
「ありがとう、今の自分でも十分素晴らしい。しかし、今の自分から1つだけ改善し、1つだけ良く出来るものがあるとしたらそれは何かな?」
と。人は出来る事からするしかない。
もし明日、今日より良い自分になるために1つだけ変えるとしたらそれは何だろうか?
人は絶対に現状に満足出来ない。
最後まで読んで頂きありがとうございました。