思考の目的(Alfred North Whitehead)
Alfred North Whiteheadはイギリスの数学者であり哲学者である。
彼の1番の功績はプロセス哲学の確立と、principia mathematicaの出版だろう。
そんな中、彼の言葉でこんな言葉がある。
"The purpose of thinking is to let the idea die instead of us dying”
直訳すると、「考えることの目的は、我々が死ぬ代わりに我々のアイデアを死なせる事である」という意味である。
過去にも述べたが、考える能力は人間にのみ備わった能力であり、他の動物にはない。
この世界は未知の事で溢れており、今でもわかっていない事が沢山ある。
そんな未知の世界に飛び込む事は非常に怖い事である。
なぜなら何が起きるか分からない。
最悪の場合、死に至る事だってある。
例えば、人間が狩りをして生活していた時代、真っ暗な洞窟の中に何がいるかは分からなかった。
そして、入る事による危険やリスクを考える事なく洞窟に飛び込んだ人間が死んできた。
逆に、「危険な動物がいるかもしれない」「肉食動物に食われるかもしれない」と考え、行動を起こさなかった人間は生き延びた。
このように人間は考える事で自分の身を守ってきた。
現代でもそれは同じだ。
例えば、誰しもが金は欲しい。
しかし、人から奪ったら逮捕される事は誰でも知っている。
なので、人間はそれを行動に移す前に頭で考える。
もし、人からお金を盗んだらどうなるか?強盗したらどうなるか?
そして、その結果、警察から逃げ回る生活や刑務所の中での生活を想像し、実際に行動には移さない。
このように、人は自分の頭の中で考えを殺す事で、実際に行動を起こして自分自身が死ぬ事から守っているのだ。
考える事にはそんな役割がある、とWhiteheadは述べている。
しかし、この世界には「それくらい考えたら分かるやろ」という事を深く考えず、行動し、痛い目を見る人が沢山いる。
死まで至らずとも、痛みや絶望の中に引き摺り込まれている。
もし、彼らがきちんと自分の頭で考え、その考えを殺す事が出来ていれば彼らは痛い目を見なくてよかったかもしれない。
その考える力を養う場所が学校であり、教育である。
別に専門的な知識なんてなくても生きていける。
しかし、考える力がなくなった瞬間人は命を落とすだろう。
なぜなら、我々の代わりに死んでくれる物を失ってしまうからである。
思考の目的(Alfred North Whitehead)
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