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日本でほとんど知られていないインドベジ〜食から感じるダイバーシティ
こんにちは!おやさい料理研究所の所長で栄養士のたかはしかよこです。日夜、新しい日常の食事について考え続けています。
①社員食堂でであったインド人社員の食事問題
わたしは2007年から某社の昼だけで7000食/日 を賄っている #社員食堂 のデイレクターをしていました。その中で「インド人社員の食事問題」という大きな異文化の山に遭遇しました。
とあるインド人社員が
日本に来て食べられるものがなくて10キロ痩せました
って言うんですよ。
最初きいたとき意味がわかりませんでした。実際、理解するのに2年位はかかった気がします。
日本くらいおいしいものが溢れている都市にいて「食べられるものがない」というのですね。わからん!
会社のグローバル化が始まり、開発部はまずインド人の採用を積極的にはじめました。最初は13人前後からスタートして、年々増えていったわけですがその中にベジタリアンの社員が一定比率で存在していました。
最初は「ベジタリアは野菜だけを食べる習慣の人」くらいにしか認識してなくて「野菜ならたくさんあります」って思ってたんです。がそれが思いきり違っていました。
②インドベジのルール
インド人社員の方々に何度もヒアリングして
1. 植物性の食材を使い伝統的なインド料理の調理法の則って作られる
2. 基本的に食材を複数混ぜない。混ぜるとその素材の味がわからなくなる。
3. 人によっては毎日ではなく曜日で実施される。曜日は人によって異なる
世界各国の料理を家庭でも食べる日本人にとってはなかなか理解しがたい異文化との遭遇でした。
や、もういいから日本食食べてよ〜と思ったものです。
③本当に日本に食べられるものがないのか?
たとえばクセがない「豆腐とかどうなんでしょ?」と聞いたんですが、食べた経験がないものを食べろというのは、たとえば私達にコウモリの丸焼き食べろというのと同じくらいハードルが高いのだと言われました。
またベジタリアンなら「野菜はサラダ」という感覚なわけですがインド人の場合はほとんど「生野菜」を摂る習慣がありません。生玉ねぎを前菜がわりにかじることはあるそうですが、せいぜい食べてもそれとオクラくらいっていってたかな。基本は加熱した野菜を摂っているそうです。
④インドの食文化「ダバワラ」
日本人にはなかなか理解し難いこのインドの食文化。私は #ダバワラ という家から職場へお弁当を届ける伝統的なサービスの存在を知ってショーゲキを受けました。
詳細は↑を読んでいただくとして、
ダッバーワーラーと契約しているのは現在、東京の渋谷区の人口と同じくらいの20万人ほど。ダッバーワーラーは毎日、この20万人全員の家からお弁当を集め、職場に届け、空になった容器を家庭に戻します。
このシステム100年以上続いていて、これだけのトラフィックでエラー率が驚異の0.00000625%。ハーバードビジネスレビューのケーススタディにもなっていると聞いています。
日本人だと、出かけた先の食との出会いを楽しみにする文化の傾向があると思っていますが、インド人の場合「どこまでも家の食を持っていく」傾向なんだなと思いました。家の料理しか食べない人もかなりの率で存在しています。(外食しない)
これを知った時に「これはもう食文化の違いと理解する以外にない」と腹落ちしたものでした。
④インドベジのレシピが目からウロコの美味しさ!
それで、社員食堂のシェフがカレーを作ってくれるんですがそれがことごとくダメめだしされるんです。
スパイスを入れる順番が違う!! 食材混ぜちゃだめ!! スープが多くないとだめ!
いやはやけっこうなクレームの嵐でした。
そこでインド人マネージャーのウルハスさんが「カレーの作り方を教えます」とおっしゃって食堂で実演会を設けました。
そこで作ってもらったじゃがいものカレーがそれはそれはおいしいものでした。
スパイスを入れる順番が変わるだけでめっちゃおいしくなる!!
ということをその時思い知りました。
それから、社員食堂で週に1回インドベジの食事を提供する日をもうけてちゃんとしたインドベジを出すようになりました。これがね、毎回すんごくおいしくて、日本人社員にも人気で楽しみにされるようになりました。
世界の主要都市においてもまだ #インドベジ の対応が日本は遅れているそうで、インドベジの方々はかなり苦労されているようです。
日本のインドカレー屋さんもほとんどが #インドベジ は提供していません。
⑤おやさ350レシピは、インドベジ対応
あれから10年後の今にまさか自分自身が #インドベジ にはまるレシピを考えてたり、スパイスカレーを作ることになるとは夢にも思っておりませんでした。
ちなみに、 #おやさい350 のレシピはほぼ #インドベジ に対応しています。(ビーガン、コーシャにも対応)混ぜない精神もしっかり受け継いでおります。
⑥あらためて食から見たダイバーシティを考える
インドベジの人が肉食にならないのか?という問いについては、ある場合もない場合もあるとのことでした。
日本にいるときだけ肉食にして、本国に返ったらベジになるという人。
ずっとベジだったけど「ケンタッキーフライドチキン」に奥さんを連れて行って食べさせて「おいしい」を体験させて転向させたという話はとても興味深かったです。
ベジであることもノンベジであることも基本は自由なんだなとこの時思いました。
これはベジだけじゃなくて、すべての人の「食べたい」と「食べたくない」は基本は尊重されるべきだというのが、今の私の考えになりました。
これぞ #ダイバーシティ 。
自分の食の好き嫌いも他者の好き嫌いも、まずは尊重することからそこから始められるなにかに可能性を感じた原点でした。
⑦食から知るダイバーシティのワークショップがおやさい350サロン
この原点を手がかりに「すべての人の食の感性を栄養学を根拠に肯定する!」ワークショップが↓です。
食の正解は一人ひとり違います。違うんだ!し、違っていいんだ!という発見をしていただけると嬉しいです!
<開催予定日>
8月11日(土)19:00〜21:30 @上野 ROUTE BOOKS
8月24日(日)11:30〜14:00 @上野 ROUTE BOOKS
9月8日 (日)11:30〜14:00 @上野 ROUTE BOOKS
9月21日(土)19:00〜21:30 @上野 ROUTE BOOKS
10月26日(土)19:00〜21:30 @上野 ROUTE BOOKS
11月10日(日)11:30〜14:00 @上野 ROUTE BOOKS
11月23日(土)19:00〜21:30 @上野 ROUTE BOOKS
12月8日(日)11:30〜14:00 @上野 ROUTE BOOKS
12月21日(土)19:00〜21:30 @上野 ROUTE BOOKS
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わたしたちの「食べる」の向こうにいろんな世界がつながっています。
ではでは。