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Village ヴィレッジ(2023)

閉鎖的な村で起こる負の連鎖
横浜流星が迫真の演技で引き込む

日本政府の闇を彷彿させた衝撃的な社会派ドラマ『新聞記者』(’19年)を手がけた映画制作会社スターサンズの作品です。

『新聞記者』以降も、『ヤクザと家族 The Family』(’21年)、『空白』(’21年)など、日本社会の暗部に迫る作品を次々に手掛けるスターサンズが本作で題材にしたのは、日本の“村社会”

広大な自然に囲まれ、幼い頃からの顔なじみがたくさんいる村の生活はある意味、逃げ場のない、閉ざされた世界とも言えます。そんな村社会に生きる若者が自らに課せられた悲惨な境遇から逃れようとした先に待ち受ける運命とは……。

【ストーリー】
日本のとある集落、霞門村に暮らす青年・片山優(横浜流星)は、村にある巨大なゴミの最終処分場でいじめやブラックな仕事に耐えながら働き、夫の自死後、荒んだ生活を送る母(西田尚美)が作った借金を肩代わりしていました。
そんな救いのない日々に、優はすっかり心を閉ざしていましたが、幼なじみの美咲(黒木華)が優の運命を変えます。東京から戻ってきた美咲はゴミ処分場に広報として勤めることになり、優をゴミ処理場の案内ガイドに抜擢したのです。

ゴミ処分場を見学に来る人々との交流を通し、明るくなっていく優。霞門村の取り組みはマスコミに取り上げられ、優はゴミ処分場のPRのためテレビ出演を果たし、優の唯一の理解者となってくれた美咲とも結ばれます。ようやく未来が開けたと思った矢先、優はある出来事に遭遇します。

父の自死が原因で村民たちから後ろ指を指されながらも、村に留まるしかない優。閉鎖的な村で、生き辛そうな優の姿が本当に辛いです。『流狼の月』(’22年)に続く、社会派ドラマで陰湿的な役柄を演じた横浜流星の真に迫った演技に驚かされます。

閉鎖的な村が象徴するのは、同調圧力がはびこる社会構造。優の父や美咲、優など、大勢の中で異なる声を上げた人々が辿る末路が決して幸せではない世の中に恐怖を感じます。

能面のような同じ顔の下に、人はさまざまな本音を隠して生きているのでしょう。集団社会における普遍的な問題を、スターサンズならではの鋭く、エグい切り口で問いかけています。

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【横浜流星の最新主演映画が2024年11月29日より公開】

正体を変えて逃亡する死刑囚が向かうのは⁇

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奇しくも今年と来年の大河ドラマ主演の顔合わせ

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決して入ってはいけない森とは⁈


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