過敏性腸症候群の方が食べるといい食材は?
一昨日のコラムで過敏性腸症候群の方が食べるといい食材は?というところで、コラムを終えていました。
「すごい酪酸菌」という江田証先生の著書には、玄米と書かれています!
3週間昼に玄米おにぎりを食べてもらった研究では、酪酸が増え、酢酸やプロピオン酸が減ったという研究結果が紹介されています。
また、ガスをもっとも発生させない食材としては、米が上げられています。例えば朝食をパンから米に変えるだけで随分とお腹の調子が上がる可能性はありますね。
ここで、一昨日のコラムでも書きましたが、↓*のところ
*酢酸やプロピオン酸が増えると、腸の粘液質であるムチンが産生されず、タイトジャクション(細胞と細胞のつながり)が弱くなり、リーキーガットが起こり、さまざまな細菌の毒素が腸内に入りやすくなり、腸内に炎症を起こし下痢や便秘の症状が出ると言われます。また、酪酸の産生能力も弱いため、腸のバリア機能は自ずと落ちています。
どうやら、腸の粘液質のムチンが産生されないために起こる症状のようです。
私たちの検査で、Veillonellaという腸内細菌がたくさんいる方2名のうち、1人はアッカーマンシア菌を多く持たれていて、もう一方の過敏性腸症候群の方はアッカーマンシア菌がいませんでした。Veillonellaは乳酸を酢酸やプロピオン酸に変えるため、過敏性腸症候群の方には良くないと言うことですが、Veillonellaを持っていながらアッカーマンシア菌を所有しているために、ムチンが産生される方は過敏性腸症候群の症状はありません。
アッカーマンシア菌がムチンを産生し、影響を与えているのかも知れませんね。
腸内細菌全体に言えることですが、何かの細菌が悪さをしても他の細菌がそれを補う。要するにバランスをとっているのです。
自然にそれが出来ればいいのですが、オーバーワークになると症状として現れ、疾病につながります。
やはり、ご自分の腸内細菌はしっかり調べて、独自の腸内細菌にあった食改善に取り組むべきだと思います。
画像は、酢酸とプロピオン酸の化学式です。