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お馴染みの乳酸菌が腸内細菌検査で検出されないのはなぜ?

ここ最近のコラムのテーマが、大腸がんや糖質について話すことが多かったのですが、いずれも人の腸内での消化吸収代謝が腸内細菌といかに関わっているかを、同時に見ていました。大腸がんに関しても術後の「大建中湯」とラクトバチルス菌の関係について触れてきました。

「理想的な腸内細菌叢を作る!」ということで、ビフィズス菌や酪酸産生菌を中心にコラムでご紹介していましたが、今日はこのテーマに戻って、乳酸菌について見て行こうと思います。

画像は、日本の食卓にはお馴染みの糠漬けですね!お茶漬けにして食べるとほんと美味しいです。私は京都生まれですので、ご飯の締めはお茶漬けと決まっていまして、お漬物は大好きです。

この糠漬けですが、乳酸菌でも植物性乳酸菌で、乳製品の動物性乳酸菌とは区別されます。これについては、また後日触れていきたいと思いますが、今日は、この乳酸菌は腸内に果たしているのかどうかと言う話しです。

実際に私たちの腸内細菌検査で36種類の腸内細菌の構成比を出しているのですが、ほとんどの方がLactobacillus(乳酸菌)は0%と表記されます。

乳酸菌は酸素があってもなくても生きていける非常に強い菌です。よって、甘酒などを米麹から作る場合、気を付けないと乳酸菌が発生し酸っぱくなってしまいます。乳酸菌が入ってしまうと色味がグレーになり、「グレる」と称するそうですが、甘みがなくたちまち美味しくなくなってしまうのです。

これだけ強い菌のはずなのに、腸内細菌検査では検出されない?なぜ?ってなりますね。

乳酸菌が酸素があってもなくても生きていけることから、多少酸素のある小腸にいる乳酸球菌、酸素のない大腸にいる乳酸桿菌に分けられますが、どうやら、大便の一部を検査する方法では小腸の乳酸球菌は検出されないのでは?という説もあります。

ただ、欧米人は乳酸菌が検出されるようですが、これは大腸に存在する乳酸桿菌かも知れないですね。そして、以前にも申しましたが、日本人にはビフィズス菌が多く欧米人にはいないということですから、日本人の場合、乳酸菌が増えるよりビフィズス菌が増える環境になっているとも言えます。この理由は以前のコラムで書いています。

糠漬けから食から摂り入れる乳酸菌の話しをしようかと思っていましたが、それはまた後日にいたします。