インガ [scene004_02]
都民暴動で武器を取った民間人は、そのほとんどが職を奪われた20代後半から40代の成人だった。
しかし、企業側にとって真に脅威となっていたのは少年少女たち。
「お察しいただけるとは思いますが…年端もいかない子供たちを前にして、無感情に引き金を引けるエリートは我が社に居ませんでした。
彼らの要求は、我々が制圧したエリアで路頭に迷った都民らの雇用受け入れ」
眉間にしわを寄せてそう言うアドワークス警務部長は心底やるせないといった様子で、俺たちは何と声をかけたらいいかわからなかった