「読書感想文」を考える
夏休みの宿題の1つに読書感想文がある。
「読書感想文への配慮について」ちょうど記事を書こうとした日に、
芥川賞・直木賞の発表があり、
市川沙央さんの受賞会見を見た。
「読書バリアフリー」
市川さんの「読書バリアフリー」という言葉に私は大きなショックを受けた。私も、特権層にいるのだと打ちのめされていた。
どこかのメディアでも引用されていたが、同様に同じ箇所を引用する。
私は特権を利用して、町の小さな書店を2か所まわっても入手できず、
大型店舗で平積みされている残3冊のうちの1冊を手に取り、
暑さがしのげるまでの時間を利用して、そのままカフェで読み切った。
同日、在籍した大学のゼミのネットワークで
「読書バリアフリー」について先生といくつかの意見を交わした。
そして、先生は市川沙央さんと新井裕樹さんの往復書簡を紹介してくれた。
私が無知な特権者であることに「ごめんなさい」という申し訳なさと
無知であることを教えてくれた市川さんへ「ありがとう」という気持ちが
今もどっかり私の心の中に複雑に絡まったまま沈み込んでいる。
日本語学習者への読書バリアフリー
読書感想文の宿題の大前提は、
日本語で読んで日本語で書くというものである。
小中学生で、日本語に不慣れな日本語学習者は、
1冊を日本語で読むこと事態ハードルが高い。
例えば、翻訳本があるようなベストセラー
・「はらぺこあおむし」
・「ハリーポッター」シリーズ
・村上春樹 の著作 など
を読むにしたって、感想文を書く時には日本語で書くことを要求される。
そもそも、日本語以外の本を手に取る環境が、
学校の図書室や、地域の図書館や、町の本屋さんにあるだろうか?
―否、そんな環境は、ない。
Amazonなどで入手するにしても、
海外からの取り寄せる郵送料込みの本の価格は決して安くない。
多様な人が暮らすようになり、学校にも多様な子どもが在籍する中で
多言語話者・日本語学習者に対する「読書バリアフリー」をも
私はここに提言しておきたい。
読書感想文を書いて提出することについてはまた後日投稿します。