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【ライターの仕事】“書く”にたどり着くまでに色々ありすぎる。あと名もなき仕事多い。雑感

ライターとして仕事を受けているのだけど、「原稿の構成を考えて」「ラフも描いて」「アポも入れて」「校正出しもやって」みたいな状況に遭遇します。

編集込みの案件。

その場合、「書く仕事は全体の2〜3割。あとは考える仕事と選ぶ仕事、話す仕事、そして雑務」みたいなことが多いように感じます。

①テーマだし、ネタだし

例えばまだ白紙の状態の企画があって。それをどうやって誌面やWEBに落とし込むのかを考える仕事。

この状況で「この仕事が取れるかどうかもわからない」時もあるわけで。コンペ前とか。

「とりあえずテーマを出してくれない?」

気軽にオーダーが来る時に私はすぐ「それにはギャラがついてくるのですか?」が気になります。

ない場合もあります。
ちょっとくれる時もあります。

私自身、編集者だった時、「ライターさんにタイアップ記事のラフを描いてもらったけど広告がとれず、没になった」企画。ギャラを払えなくて「今度、埋め合わせします」と謝罪した記憶があります。申し訳ない。

春っぽい光

②ラフ出し、リスト決定、アポ入れ

雑誌の誌面だと、誌面設計図のラフを出す必要があるはず。
取材先リストも固めなくてはいけません。
リストが完成したら、実際にどう取材するかを考えて。
カメラマンのスケジュールを押さえて、取材先にアポを入れることになると思います。

どこからどこまでをやるのか。それは状況次第。

広告案件で代理店など色々な人が挟まっているやつだと、あんまりやらなくていいこともありますが(現地に取材に行って原稿納品するだけ系)。
最初から最後までほぼ「丸投げ」の時もあります。

ケースバイケースですが、業務量が多いからギャラが多いわけでもないように感じます。

ただ、「この仕事はギャラがいいわけじゃないけど、今後の自分のステップアップには必要」と思えばやります。

春っぽいスタバ

③取材に行く。インタビューをする。素材を集める

ついに、取材に行きますが。

自分は「超絶ギリギリのスケジュールの中、予算も最低限で、再撮影なんて無理な状況」でしか動いたことがありません。※雨よ降るなと願うだけ。大雨でもなんとかしようとして、大変な状況に直面するなど多々。

その昔、京都の和菓子店に取材を依頼した時。「婦人画報さんなんかだと、前の日の同じ時間にロケハンに来てね。光の入り方を全部見てから、改めて取材にいらっしゃいますよ」などとオーナーから伺い、へええええええと。思うのでした。

この世の全ては「自分が置かれた環境」でどう動くか、だと思うのですが。

良い環境に身を置くことも一つの才能だと思います。

思うだけですよ(実践できません)。

あったかそう

④写真を選ぶ、デザイン用のラフをまとめる

取材が終わって、写真素材とテキストのもとになる素材を集めたら。

ようやく「原稿を作る」という本業が始まる気がします。

でもまだ、「どの写真を使うか」を比較しながら悩んだり、文字数を何文字にしようかと考えたり、前座的仕事もあるような。

ラフを作って、写真のざっくりした大小と配置を決めてデザイナーさんへ。もしくは、デザイン入れと同時にテキストを入れることもあります。

そんなこんなで、やっと原稿を書きます。書く時間なんて、数日あるかなきかではないかと思います。

菜の花!

⑤楽しいことは一瞬、そして雑務へ


私は書くことがとても好きです。

でもレイアウトを考えることは、なんとか頑張って食らい付いている感じです。

写真を選ぶのも、しんどい。しかしやらねばならぬ。
時にはデザイナー気取りでレイアウトを組んだり(ほんとしんどい)。

文章を書いてデザインした原稿に流し込んでもらうと、ようやく「初稿」になりますが。そこから、偉い人から「全部直して」と言われたり、クライアントや取材先の人から修正をいただいたり、校正さんから誤字脱字とおかしな表現を直してもらったり。

たくさん赤字をもらって、直します。

直す作業も辛いですが、「あとは直せば終わる」と思うと少しは気が楽です。

ただ、この「原稿に関わる仕事」以外の「名前のない仕事」もたくさん降ってきて、それは、明文化もされず、ギャラに反映されているかどうかも怪しいのですが。

※例えば、取材先に校正原稿を送ったけど返事がなく、そろそろもらわないといけないのだが追いメールしてもレスがなく、「手が空いてそうな時間を予測して」電話をかけるなどの雑務。

光がきれい

⑥窓口は自分だけに追い込まれる

私が電話でアポを入れたが最後。メディアと取材先を結ぶ窓口は私です。

この際、「版元の責任であるミス」とか、「クライアント都合での非掲載」とか、なんかトラブルがあった時。

しれっと「ライターであるあなたが電話をして謝罪して」と言われたりするのですが。

それ、私の仕事なのでしょうか。
その分の時給でももらえるのでしょうか(もらえない)。

強く言えない自分が怖い。

でも、あまりにも気が乗らない時は「私は電話できない」理由をつらつらつらつら書いて戻しました(そしてその仕事は逃れた)。

そういう「名もなき仕事」があちこちに転がっていて、気をつけていないと「全部私の仕事」になっていることに気がつきます。

最近やっとそれを自覚して、しっかりせねばと感じています。

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地方の出版社を経てフリーの編集ライターとして活動しています。
○地方でライターの仕事を続けるには
○単価アップを叶えるには
○そもそもライターってどんな仕事?
○編集の視点とライターの視点の違い
などについて、自分なりの解釈をしていきたいと思っています。



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ライター和田知子:CLANG CLANG クランクラン
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