ドア・イン・ザ・フェイス (Door in the face)
マーケティングや営業を学んだ方なら何度か聞いたことがあると思います。
断らせてから譲歩するという手法のドア・イン・ザ・フェイス (Door in the face)。
直訳すればドアの前に顔があるという意味ですが、なぜこれが断らせてから譲歩するなのでしょうか?
ドア・イン・ザ・フェイスの由来は「shut the door in someone’s face」あるいは「slam the door in someone’s face」という慣用句からきています。どちらも「話すことや情報を与えることを断る」という意味です。
shutは閉じる、slamはバタンと閉じるという意味で、直訳すると「相手の顔の前でドアをバンッと閉める」という意味になります。嫌なひとが訪ねてきたらドアをバタンとしめて拒絶の意思表明をするのと同じです。
マーケティングにおけるドア・イン・ザ・フェイスは、商談して欲しい内容を通すために、「まずは過大な要求を断らせる」ということです。
ドア・イン・ザ・フェイスと類似したマーケティング手法の名前にフット・イン・ザ・ドア(foot-in-the-door)があります。
人間心理を利用した強烈なマーケティングであることは同じですが、その内容はまったく異なります。
フット・イン・ザ・ドア(foot-in-the-door)は直訳するとドアに足があるという意味で、セールスマンが「お話だけでも」と言ってドアに足を挟み込む行動からきています。
最初に「話しぐらいは聞いてあげるか」という小さなイエスを生んでしまうと、その後にイエスといいやすい心理が生まれます。セールスマンはその後も小さな要求でイエスを積み重ねていき、最終的に商談までもっていきます。
心理学って営業やマーケティングに応用できる分野なので、勉強していると興味がわきますが、実践で使うとなると難しく、それなりに反復が必要になってきます。