まるで物語みたいだ
余命宣告された夢を見た。
膵臓癌。後3ヶ月の命。
それ病気が実際どんな症状なのか何も知らない。夢の中の自分はピンピンしてたけど、寿命が近づいていることはなんとなく感じていた。いつものように長時間仕事をしている自分。物を運んでいる途中で急にふらついて倒れそうになる自分。母親と一緒に病院の階段を登って、顔見知りの医者に最後の挨拶をする自分。3ヶ月たっても生きていて、全ては嘘だったのかと浮かれていたけど何故か死が近くにあることを悟っていた自分。全ての行動とか出来事が最後だと分かるというより"理解してしまっている"って言葉が近い。
不思議な夢だった。
最後はどんなだったか覚えていないけど、残酷な結末ではなかったんだろう。陽だまりの中をゆっくり歩いているような、そんな夢だった。
美しかった。とても美しかった。
優しい死があるならきっとこれだ。
自分が死ぬ夢は時々見る。転落死か溺死の2パターンだけだったから、今回のことが特別でよく覚えているのだろうか。
夢の中では時間がないことへの恐怖はなかった。やり残したことがあるわけでもなかった。だけどこれからの時間をどう使うか、どう生活するか、ほんの少しだけ考えるきっかけにはなった。
死にたいなんて思わない。
だけど少しだけ、羨ましい。