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スタートアップ企業が成功するための採用戦略とは?初期段階で押さえるべきポイント

みなさま、こんにちは。
ポテンシャライトの森田です!

冒頭に突然ですが、スタートアップ企業にとって「採用」とは、単なる人材補強のプロセスではなく、企業の将来を左右する「投資」そのものだと弊社は考えています。特に初期段階の企業では、少数精鋭のメンバーが事業成長を支えるため、一人ひとりの採用が企業全体のパフォーマンスや文化に大きな影響を与えます。

しかし、大手企業と比べると、スタートアップの採用はハードルが高いと言われています。
知名度が低いため、母集団形成が難しかったり、内定まで進んだとしても、他社と比較され安定性・将来性が懸念となり辞退をされてしまったり…。

では、スタートアップ/ベンチャー企業ではどのように採用を進めていけば良いのでしょうか。

本記事では、スタートアップ企業が直面する採用課題を整理し、それを乗り越えるための具体的な採用戦略について解説します。

特に、採用戦略の初期段階で抑えるべきポイントとして、

  • 採用職種・ターゲット戦略

  • 採用ブランディング戦略

  • 採用マーケティング戦略

  • 採用手法戦略

上記の4点にフォーカスしてすぐに実践できるノウハウを提供します。



0. スタートアップの採用は難しい

まず、前段抑えたいのが、前述の通り、スタートアップ企業の採用は大手や中小企業に比べると、ハードルが多く難しい傾向にあるということです。

スタートアップと言う特性から即戦力を求めている企業様がほとんどですが、即戦力を持つ人材は会社の規模関係なく、どこでも重宝されているため、人材確保が困難になってきています。

要因としては、主に下記が考えられます。

◆知名度の低さ
多くのスタートアップは、創業間もない段階であり、企業名やブランドの認知度が低いです。そのため、優秀な人材を引き寄せるために、ブランド力を高める努力が必要です。応募者が「この会社で働きたい」と思わせるためには、企業の魅力を明確に伝える必要があります。

◆リソースの不足
大手企業に比べて、スタートアップには専任の採用担当者がいないことが多く、採用活動を行うための時間や予算が限られています。特に初期段階では、人事担当者が採用業務を兼任している場合が多く、採用活動を効率的に進めるための工夫が求められます。

◆人材競争の激化
昨今のダイレクトリクルーティングのスカウト流通量などでお分かりの通り、スタートアップが採用活動を行う場合、競合他社との人材の奪い合いになります。特に優秀な人材は、既に安定した企業に所属していることが多く、スタートアップに転職するメリットを十分に理解してもらう必要があります。

昨今では、各採用媒体の返信率の低下をはじめ、ますますスタートアップのHR/採用市場は激化していると言えるでしょう。
そのため、スタートアップの採用市場で勝つためには前もってしっかりとした準備をする必要があります。



1. 採用職種・ターゲット戦略を決めよう

採用戦略を設計する際、まず取り組むべきなのがこの「採用職種・ターゲット戦略」です。「予算設計や採用手法の選定から始めるべきでは?」という質問をいただくこともありますが、採用の核となる「誰を採用するのか」が曖昧なまま進めてしまうと、後々さまざまな問題が生じることが多いのです。

採用戦略は「人事戦略」「事業戦略」「経営戦略」と密接に紐づいています。特に事業戦略が明確になれば、達成すべき目標も見えてきます。そして、その目標に対して「どのような人材が不足しているのか」を洗い出すことが、採用活動の出発点となります。
ここで確定する「採用職種」は、例えば以下のようにシンプルで構いません:

 - サーバーサイドエンジニア
 - フロントエンドエンジニア
 - フィールドセールス
 - カスタマーサクセス
 - 人事担当者
 - 広報

採用戦略全体における第一ステップとして、「どの職種を採用するのか」を明確にすることが重要です。ここを曖昧にしたままでは、次のステップへ進めません。よくあるのは採用職種が多く優先度付けがされていないケース。事業の成長度合いによって異なりますが、スタートアップの資金調達フェーズ別で採用すべき職種はこちらをご覧ください。



2. 採用活動における魅力設計をしよう

次に取り組むべきが、採用活動における魅力設計となります。
上段の魅力設計ができていないと、求人媒体やダイレクトリクルーティング(=スカウト)を利用しても、効果がでないということも少なくないでしょう。

企業の魅力設計と職域ごとの魅力設計に分けて説明いたします。

2-1. 企業の魅力設計(採用ブランディング)

採用ブランディングとは、採用活動における魅力の「発掘」「言語化」「整理」をすることです。

自社の魅力を深く理解することは、採用戦略を立てる際に不可欠です。なぜなら、採用活動のアウトプットである「採用広報」やその他のコミュニケーション手段は、この魅力を外部に発信するための方法であり、採用ブランディングがなければ、魅力を一貫性を持って発信することが難しくなってしまうからです。採用広報だけでなく、さまざまな魅力を発信する方法があります。

例えば:

  • 採用ピッチ資料(=会社紹介資料)

  • 採用専用ウェブサイト

  • 採用メディアへの掲載内容

  • スカウトメールの文面

  • 求人広告の文言

これらの手段を効果的に活用するためには、採用ブランディングをしっかりと構築しておくことが大切です。魅力を発見し、それを言葉にすることで、ターゲットに響くメッセージが生まれます。
採用ブランディングは、単に魅力を伝えることだけでなく、企業の価値観や文化、ビジョンを一貫した形で伝えることも含まれます。これにより、求職者との間に強い共感を生み出し、長期的な信頼関係を築くことが可能になります。

2-2. 職種に沿った魅力設計

前項の「採用ブランディング」では、企業(自社)が発信したい魅力を中心に設計を行いました。しかし、採用ブランディングには注意すべき点があり、それは「自社が発信する魅力が、必ずしも求めているターゲットに響くとは限らない」ということです。
具体的には、魅力を発信する際に、以下の3つの視点を考慮して魅力設計をしていきましょう。

Company(自社):自社から見た魅力
Customer(顧客):ターゲットとなる求職者が求める魅力
Competitor(競合):競合他社が発信している魅力

また、当社には「TIM」というサービスがあります。このサービスでは、次の3つの要素を中心にメッセージ設計を行っています:

Target(ターゲット)
Insight(インサイト)
Messaging(メッセージ)

これらの頭文字を取って「TIM」と名付けています。本ブログ内では詳細な説明は割愛しますが、さらに詳しく知りたい方は以下のブログをご覧ください。



3. 採用マーケティング設計をしよう

採用マーケティングとは、採用活動における「応募前」の段階で行う情報発信やアクション全般を指します。

また、よく混同されがちなのが、「採用ブランディング」なので、"2-1"で説明させていただいた、定義をもう一度確認しましょう。

採用マーケティングの手法には多様なものがあります。代表的なものを挙げると、以下のような手段があります:

 - 採用広報の設計
 - 採用ピッチ資料の設計
 - 採用専用ウェブサイトの設計    など

これらは、採用ブランディングで明確にした「魅力」を外部に伝えるための「アウトプット手段」として位置付けられます。言い換えれば、採用マーケティングは採用ブランディングで定義された魅力を実際の施策に落とし込む過程であると言えるでしょう。
※採用マーケティングについてさらに詳しく知りたい方はこちら

また、よく混同されるのが「採用広報」と「採用ピッチ資料」の違いです。これらの違いについては以下の通りです。

採用広報とは:
・魅力を「狭く」「深く」打ち出す手法
・3,000〜5,000字のテキストの記事

採用ピッチ資料とは:
・魅力を「薄く」「広く」打ち出す手法
・スライド形式で作成する会社紹介資料のこと



4. 採用手法戦略設計をしよう

採用活動における戦略ができたら、次は採用実務戦略を描くことが必要となってきます。
本格的に説明に入る前に少し補足を加えます。「採用実務戦略」に進む前に、「採用ブランディング/マーケティング戦略」を先行すべきかという議論はよくあります。

「採用の緊急性が高いため、まず実務を始めたい」という考えも理解できます。当社もそのようなニーズには応じていますが、実際、いきなり採用活動を進めてしまうことが、後々問題につながることが少なくありません。
なぜなら、現在の採用市場では、企業の採用活動のレベルが非常に高まっており、「採用ブランディング/マーケティング戦略」の重要性が増しているからです。

4-1. 採用手法戦略設計

これまでの戦略で「採用ターゲット」が明確になっているはずです。ターゲットが明確になれば、適切な採用手法を選定することができます。

  • 自社採用サイト

  • ソーシャルリクルーティング

  • ダイレクトリクルーティング

  • 求人サイト

  • リファラル

  • エージェント/ヘッドハンティング

  • 採用イベント

適切な採用ターゲットに対して、適切な採用手法と適切な採用チャネルを見極めていくことが採用成功のカギとなってきます。

例えば、サーバーサイドエンジニアを採用する場合:

・採用職種
 - サーバーサイドエンジニア

・採用ターゲット(サーバーサイドエンジニア)
 - Web言語を用いた開発経験が2年以上ある方
  - SIerでの開発経験
  - Web受託開発企業での開発経験がある方
  - Webプロダクト企業での開発経験がある方
  - 補足
   - プログラミング言語は不問

・採用手法
 - ダイレクトリクルーティング
 - エージェント
・採用チャネル
 - 媒体
  - Green
  - LAPRAS
  - 転職ドラフト
 - エージェント
  - レバテック
  - ギークリー      など

など、これはただの一例かつ仮置きしているものですが、上記のような形で採用チャネル選定を行っていきます。


4-2. 採用媒体の設計

採用手法が決定した後、次は各採用媒体の「設計」を行います。ここで言う「設計」とは、募集を開始できる状態にすることを指します。

具体的には、以下の内容などです。

  • 事業内容の記載

  • 会社の特徴の記載

  • 職務内容の詳細

  • 職務内容の魅力

  • 必須要件と歓迎要件

  • 諸条件の記載

これらの情報は、前述の採用活動に関するポイントとして活用できます。しかし、採用活動をこの段階から開始する場合、「設計」の作業が非常に重要かつ大変です。なぜなら、どのような情報を記載すべきか、最初はわからないことが多いためです。

例えば、

  • 「会社の特徴って具体的に何だろう?」

  • 「職務内容の魅力ってどう表現すべきか?」

  • 「職務内容を記載したけれど、内容が平凡に感じる」

こうした悩みが出てくることも多いです。軽い気持ちで「まあ、これで応募が来るだろう」と思っていても、なかなかうまく進まないことがよくあります。

4-3. 採用媒体運用の設計

「設計」が「募集を開始できる状態にすること」だとすれば、「運用」とは「応募を多数得られる状態にすること」です。
具体的には、以下のような内容を設計します:

  • スカウト検索条件の設定

  • 「いいね」「気になる」の条件設定

  • 求人タイトルやサムネイルの設定

ここで注意すべきは、採用媒体には「運用媒体」と「非運用媒体」があるということです。

◆運用媒体
 - Wantedly
 - Green
 - Findy
 - ビズリーチ など

◆非運用媒体
 - リクナビネクスト
 - doda
 - マイナビ転職
 - en転職情報 など

「非運用媒体」は、掲載後に運用業務がほぼ不要な媒体を指します。これらは、掲載料金に応じて掲載順位が決まり、掲載後は運用の必要性が少ないためです。ただし、スカウトメールなどは存在し、完全に運用が不要というわけではありません。

ちなみに「運用」で最も重要なのは「スカウト業務」です。スカウトは採用活動において非常に効果的な手法の一つであり、適切な設計が求められます。

具体的な準備項目は下記などですね。

  • スカウト検索条件の設定

  • スカウトタイトル(件名)の設定

  • スカウトテンプレート(文章)の設定

  • スカウト送信アカウントの設定

  • スカウト送信時間や曜日の設定

また、運用のベストプラクティスは媒体ごとに異なるため、各媒体に特化した運用方法を理解することが重要です。
詳しい運用方法については、本アカウントの別のブログ記事にて説明していますので、そちらもご覧ください。



5. スタートアップならではの採用戦略をとり、採用を成功させよう

いかがでしたでしょうか?

スタートアップの採用は、決して簡単ではありません。しかし、スタートアップには「少人数だからこその柔軟性」や「成長スピードの速さ」という大きな魅力があります。それをうまく伝え、候補者に「この企業で働きたい」と感じてもらうことで、採用は一歩前進します。

「リソースが足りない」「採用の進め方が分からない」と悩む採用担当者様も、まずは今回紹介した採用戦略から取り組んでみてはいかがでしょうか?企業の未来を切り拓くため、ひとつひとつのステップを着実に進めていきましょう。

当社ポテンシャライトでは、採用を加速し事業・組織拡大を目指すスタートアップ〜大手の企業さまに今まで300社以上の採用コンサルとして携わってきた実績を元に、適切な採用ソリューションをご提案します。

  • 採用のリソースが足りない、人事専任者がいない

  • もう少し採用の効果をあげたい

  • 現在の採用状況の効果測定をし、適切な改善案を実施していきたい

など、お悩みの採用担当者様がいらっしゃれば、お気軽にご相談ください。

よろしければフォローもよろしくお願い致します🤲

著者:
HRパートナー 森田浩市
新卒からポテンシャライトにジョインし、シード期から上場企業まで幅広く累計10社超ほどを対象に採用戦略から選考体験設計までを支援。採用領域は幅広く、ビジネス領域〜エンジニア領域までカバー。特にPdMやPjMなどの領域に強みを持つ。

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