咲いた花見て喜ぶならば 咲かせた根元の恩を知れ
みなさん、こんにちは。ポジティブなカエルのにいすけです。
今回は少し長めに書かせてもらっています、ご了承ください。
親縁
みなさんは【親縁(しんえん)】という言葉をご存知ですか?
祖父との思い出
先日祖父の四十九日に行って参りました。四十九日は、この世とあの世をさまよう故人が最終的にあの世に生まれる、生まれ変わる日とされています。今回そこで住職さんにとても為になるお話をいろいろお聞きしたので共有したいと思いこのnote を書いています。
生前、祖父はとても厳しく、とても優しい人でした。母曰く曲がったことが嫌いで自分の信念を曲げないまっすぐな人だったようです。海が好きで一回だけ?(覚えている限り)釣りに連れて行ってもらいました。
水族館でイルカの腕時計を買ってもらったこととか鮮明に覚えていますし、従兄弟が帰ってくる夏休みは祖父が運転する車の助手席は絶対に譲らなかったなあ。ドライブ中は祖父が仁丹をくれるので多少ガマンして食べていましたね。いまでは愛用しているんですけど。祖父が運転していた車を自分もいつか運転してみたくて、中古車販売サイトで検索したりしました。残念ながら当時の型はもうありませんでした。
心の底から祖父に感謝していることがあって。むかし祖父母の家でご飯を食べていたとき、
「お茶碗に残っているご飯粒を残すな」
と厳しく指摘されたことがあるんですよ。ありがたかったですね。
晩年は僕の名前も顔もすっかり忘れ去られてしまいましたが。
でもね。亡くなった人はあの世からわたしたちを見守ってくださっているんですって。まあよく言いますよね。お星様になったとか。どのようにして見守っているのかというと、
親愛なる祖父へ
これからもどうか僕の成長していく姿を温かく見守っていてください。
親愛なる祖母へ
体に気をつけてね。玄関の鍵や電気の不具合があったらまた直しに行きますね 💪
咲いた花見て喜ぶならば 咲かせた根元の恩を知れ
道に咲いた一輪の花を見てきれいだなと思う人は少なくないと思います。一方で茎や根がきれいだなと思う人は多くないかも。
でも、花が咲くのはその根が茎が水分や養分を吸って、厳しい季節を耐え抜いたから。縁の下の力持ちではないですけど、必ずそこには支えてくれているものがある。我々もそうで、先祖代々長く続くこの血筋が今の私たちに受け継がれている、過去と私たちがつながっているのだと考えると、今の私たちがあるのはご先祖様のおかげだという捉え方ができる。両親や祖父母、これまで繋いできてくれた家系に感謝したい。
改めて一つ、自分の中でお盆やお彼岸の意義が明瞭になりました。
10代前のご先祖って何人?
1代前が2人(両親)2代前が6人, 3代前が14人というふうに考えられます。あとで簡単な数式を表しますが一旦とりあえず書き出してみます。
高校数学的に書き表すとこんな感じ。
等比数列の和の公式は、
こちらの公式にa=2, r=2, n=10 を代入すると計算できます。
したがって10代前のご先祖の数は2046人となり、自分を含めると2047人という結果になりますね。多い…
【其の一】ご焼香のしかた
ご焼香の作法
今回お話を伺ったご住職さんから教わった丁寧な作法をご紹介します。
よく手のひらのシワを合わせて幸せといいますが、仏教的にいうと少し違うらしいです。
左手がかのきし、漢字で彼の岸、すなわち彼岸を表し、
右手がこのきし、漢字で此の岸、すなわち此岸を表す。
ふたつの手のひらを重ね合わせることで、現世と来世がつながり、私たちの念が届くようになるそうです。
そして数珠はその合わせた手が解けないようにするためのものです。
ちなみに数珠のもかけ方があって、浄土宗は親指にかける、浄土真宗は4本の指にかけるらしいです。言葉では伝わりにくいかもしれないので、参考になった動画を載せておきます。
けれど一番重要なのは…
作法も大事なのですが、やはり故人を思い心の中で念仏を唱えることが大切だそうです。作法にとらわれすぎないことが肝要です。
しかしこれはあくまで今回お話を伺った範囲ではということです。作法を厳しく重んじる方もおられますし、お経をあげていただくご住職さんにもよるとのことです。
ご焼香は煙より香りが重要
ご焼香は煙より香りが重要と言われているそれはなぜか。
基本的に仏壇にお供えしたものについてご先祖様は全て食べてくれます。
でもお供物をした際、仏様やご先祖様はその物自体を食べるわけではないのだそう。では何を食べているのか。それは香りなのだという。香りを食べるからそれ自体を食べるわけではない。
よく炊き立てのご飯を仏壇に備えるのだが、あれはご飯も温かいとおいしい香りがよくたつからなんだそう。
香りが重要ということで香木なるものもあるが、少量のかけらでウン十万するので、ご焼香のお香には少量の香木(粉末)が練られている。香木をそのまま使ったら大変なことになる(主に金額が)。それでもあの気品のある香りが立つのだから驚きだ。
線香もどこか落ちつくなつかしさを感じさせる香りだが、そういったいわゆる匂い線香は香木や炭の粉末と他の材料を加えて練り、細い線状に形成したものである。
ちなみに昔は食べ物はありがたいものとして
お供物の一部を庭にまくことで鳥などに分け与えることもしていた。現在は
生き物に与えることでフンやアレルギーなどの問題が顕在化してしまっているためあまり公にはおこなわれないらしいです。
この考え方が【等徳(とうとく)】。
等しく徳を積む、自分だけがいい思いをしない、といった意味があったようです。
【其の二】木魚はなぜ魚なのか?
みなさんはどこに魚が掘られているかご存知ですか?上下を逆さまにして手に取ってみるとわかりやすいかも。
住職さんにお聞きした木魚にまつわる話もご紹介します。
Q. ちなみに木魚を英語で言うとなんだと思いますか?
そう聞くってことはウッドフィッシュじゃないってことですねw
答えはこの記事の一番下にあります。答えが先に知りたい人はスクロールして見てね。
木魚にそもそも魚が掘られている理由は魚と人の二つの違いが大きく関係しているからです。
一つ目はまぶたがないこと。それはどのようなことを意味するのか。
もうひとつの意味は、
まぶたのない魚は眠る時も目を閉じることはないということ。そのことから、
【其の三】お念仏の意味
みなさんがお唱えするお念仏で非常に有名なのが、『南無阿弥陀仏』。
南無(なむ)という漢字には特に意味はないそうです。
南無というのはナームというインドの言葉でよろしくって意味があります。インドなどの挨拶言葉でナマステーってありますよね?言語の専門家ではないので分かりませんがあれもそう、よろしくっていう出会いと別れの挨拶。
仏様に先に亡くなった人とご先祖をおまかせいたします、よろしくお願いしますって意味が込められているそうですよ。お釈迦様ゆかりの地ならではですね。
忘れられることが一番つらい
さいごに当たり前かもしれないけどすごく重要なことをおっしゃっていました。それは人間誰しも、忘れられた時が一番悲しいということ。だからこそ続けられるお供えをしましょう、と。
だからパックごはんでもいいですし、自分が食事をする時にお供えをする。
パンでもいいです、肉魚卵はダメだから卵面はダメだけど、素麺ならいいですよ、と。
とにかく無理をしない、なぜなら無理をして体を壊してはダメなんだと。あくまでも故人を偲ぶ(しのぶ)人が元気な姿を見せ続けられるられるようにすることが一番大切だよ、とのことでした。
とにかく寛容で穏やかな優しいご住職さんでした。
自利利他
退席する前に一対一でお話しさせていただき、【自利利他(じりりた)】って言葉があるんだけれど、素敵だから調べてみてねと言われました。
自身の学びや経験を自分の力の変えていくことはもちろん大事なんだけど、それを周囲に還元する、それがまた自分の成長につながるということか。
他人の幸せが巡り巡ってやがて自分の幸せになる、そんな教えのようです。素敵な言葉ですね 🍀
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ポジティブなカエルのにいすけでした。
A. 今回お話をうかがった住職さん曰く、木魚を英語で言うと
テンプルブロック(temple block)みたいです。
海外では木魚を起源、ベースにした打楽器がありオーケストラやバンドの演奏で用いられているみたいですよ。
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