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雑文格納庫

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自分で書き散らしたあれやこれやのまとめです。ごった煮です。
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記事一覧

石油王ジャハル

「今からでも世界線が改変されて、私に石油王の幼馴染がいたことにならんかな」  友人ととり…

港屋 港
5か月前
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名古屋旅中覚書

 私は今、名古屋にいる。  新宿から夜行バスに乗車し、揺られることおよそ6時間。名古屋駅周…

港屋 港
5か月前
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昭和たぬき合戦どいなか

 以前、私の曾祖母が化物を「もんもん」と呼ぶことについて覚書を書いた(詳細はリンク参照)…

港屋 港
5か月前
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おばけの声と名前【読書記録:柳田國男『妖怪談義』】

 いわゆる古典をつまみ食いで済ませてしまった不詳私だが、反省を込めてここ暫くは古典的名著…

港屋 港
6か月前
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宙ぶらりんの含羞――或いは自己診断という羞恥心との戦いについて

 自動車免許をお持ちの方ならば、運転適性検査を受けたことがおありだろう。免許がなくても、…

港屋 港
1年前

不信心者と戒名

 昨年、母方の大叔父が亡くなった。  私から見るとだいぶ遠縁になる方なので、ご時世もあっ…

港屋 港
1年前

蔵書印で遊ぼう

 築ウン十年の安借間をねぐらとする筆者なのだが、近頃蔵書の増加が著しく、人間の生息域を侵犯するまでに至っている。  会う人ごとに力説しているのだが、この増え方は異常としか言いようがない。間違いなく、私の家の本は繁殖している。私の知らないところで子供を産んでいるに違いないのだ。そうでなければ、部屋の主である私が寝床と机回り以外を生活に使えていない理由が説明できない。  ……そんなことを言っても、すべての本に買った覚えがあるのだから悩ましい。いや、私の記憶すら改変されている可能

しるこサンドともう会えないひと

 ある日のお茶の時間のことである。私は時折、お師匠様(仮称。私の専門分野の先達)の勤める…

港屋 港
1年前
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AI君と記事を書いてみよう

 最近、noteにβ版としてAIアシスタント機能が搭載された。ChatGPTといい、SFが夢見た人工知…

港屋 港
1年前
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お師匠様と俺

 私にはお師匠様がいる。  面と向かって「お師匠様」と呼んだら、「弟子をとった覚えはない…

港屋 港
1年前
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落語とメタ的表現に関する覚書

 今日、落語を見てきた。東京は半蔵門、国立劇場にて開催された、桂文珍師匠の独演会である。…

港屋 港
1年前
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大寒波襲来のおりに壊れし拙宅のエアーコンディショナー

 この冬一番の寒波が来るとの予報に、列島全体が急ぎ装備を整えた夜、私はひとり安借間の寝床…

港屋 港
1年前

鶏むね出汁茶漬けの作り方

 模範的貧乏人である私は、少しでも食費を押さえるべく、日々自炊に精を出している。我ながら…

港屋 港
2年前
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持病の肋間神経痛

 幸運なことに私は、類まれなる頑健な肉体を持ってこの世に生を受けた。持久力と馬力に優れ、消化器官が強く、過酷な環境にも耐える身体は、幾度私の無茶を支えてくれたか知れない。  しかし、私の体にもいくつかの欠点がある。  そのひとつが、持病の肋間神経痛である。  肋間神経痛とは、病名ではない。肋骨に沿った神経が痛むという、症状をあらわした名称である。  私の場合、左胸の痛みという形で症状が出る。耐え難い痛みではないものの、呼吸時に肋骨が動くのに合わせて痛みも強まるので、一度痛