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イケガミヨリユキが描く『いたずらまじょ子とあくまのおたんじょう会』――大人の読書感想画展#1


1冊の本を読んだ後、同じ本を読んだ人はどんな風に感じるんだろう、どんな景色を思い描いたのだろう、と気になったことはありませんか?

もしも、誰かが本を読んで心に描いた景色と、同じものを見られたらー。

『大人の読書感想画展』は、絵を描くお仕事の方にお好きなポプラ社の本を読んでいただき、心に浮かんだ風景を一枚の絵にしていただくマガジンです。

こどもの頃に「読書感想文」や「読書感想画」で知った、読書の感想を誰かと共有する楽しさを、大人になった今、noteでもう一度たのしんでみませんか?


第1回目をご担当いただいたのは、語りかけてくるような作品が印象的なイケガミヨリユキさん。画家・イラストレーターとしてグッズやMVのイラストなどのお仕事を手掛けられています。

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今にもお話が始まりそうな、イケガミさんの作品

イケガミさんが選んだのは、『いたずらまじょ子とあくまのお誕生会』(藤真知子/作 ゆーちみえこ/絵)。どんな読書感想画になるのでしょうか?

まずは、本のあらすじをご紹介します。


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明日、お誕生日を迎えるまじょ子とリサの元に、悪魔から「呪いのカード」がとどきます。そこには……

「あしたの たんじょうびを いわうことは ゆるさない! バースデーパーティーを ひらこうとしたら、あくまの のろいで、びんづめにしてやる」

と書かれているではありませんか!

おんなのこだからって、あまくみたら ゆるさないわ!

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まじょ子とリサは、わざとバースデーパーティーを開いて悪魔をおびき寄せ、やっつけることにしました。

まじょ子たちが向かったのは、「バースデータウン」。そこで出会った町の人たちと協力して、バースデーパーティーをひらきます。

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みごと悪魔をおびきだし、やっつけることに成功したまじょ子たち。

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悪魔になぜこんなことをしたのか聞いてみると、「お誕生日をお祝いしてもらえる人がうらやましかった」としゃくりあげながら答えました。誕生日を持たない悪魔は、いままで一度もお祝いしてもらったことがなかったのです。

「じゃあ、今日を誕生日にすればいいのよ!」

まじょ子たちは、こんどは悪魔のためにバースデーパーティー開くのでした!

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「バースデーパーティーを台無しにしようとする悪魔」というユニークな設定で、どの場面も心ときめくような可愛らしさと、まじょ子たちの力強さにあふれています。

本作の中でイケガミさんの心を掴んだのは、悪魔のための開かれたバースデーパーティーの場面でした。イケガミさんのコメントとともにご紹介します。(絵をクリックすると大きく表示されます。スマホの方は画面を横にするのがオススメです)

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ーイケガミヨリユキさんの作品とコメントー

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おもちゃのパッケージを開けるときの様な、楽しい気持ちにさせてくれる「いたずらまじょ子」シリーズ。オーロラのシャーベット、雲に刺さる小さないなずまのロウソク、雨上がりのお日さまの光をひとすじいれたにじいろケーキ…あくまのお誕生日を祝うために用意された、たくさんのお菓子がテーブルに並ぶシーンが印象的でした。

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どのお話でも、まじょ子ちゃんは私を常識を超えた世界へ連れて行ってくれる。私の凝り固まった常識を溶かしてくれるようなお話の自由さに驚かされて、読んでいてとても気持ちがいい。

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本を開くと、ほうきに乗ったまじょ子ちゃんが飛び出してくるような活発さ。読んでいる間は夢心地でいられて、魔法のようなお話でした。

あくまはバースデーのようせいに何をお願いしたんでしょう…


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悪魔がビンに閉じ込めていた、なんでも好きなものをひとつだけプレゼントしてくれるバースデーの妖精。まじょ子たちにお誕生会をしてもらって、こんなに嬉しそうな悪魔なら、きっと意地悪なものはもう欲しがらないでしょうね。


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シリーズ1巻目 『まじょ子どんな子ふしぎな子』

「いたずらまじょ子」シリーズ (藤真知子/作 ゆーちみえこ/絵)
1985年刊行のロングセラーシリーズ。ロマンティックな設定でありながら、予想を超える展開の連続でハラハラドキドキしながら楽しめるお話と、今にも動き出しそうな、生き生きとして愛らしいキャラクターが多くのこども達から支持されている。

シリーズ最新刊はこちら↓


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