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今月の短歌

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前川佐美雄『秀歌十二月』を起点として、各月の短歌を紹介します。『秀歌十二月』読書会の企画です。
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#前川佐美雄

〈舞台〉に立つ、〈舞台〉を降りる――前川佐美雄『白鳳』私論/一月の短歌

〈舞台〉に立つ、〈舞台〉を降りる――前川佐美雄『白鳳』私論/一月の短歌

前回のnote

はじめに前川佐美雄の第三歌集『白鳳』は1941年7月に出版された。刊行順でみれば『植物祭』『大和』につづく第三歌集だが、『大和』より前の1930-35年の歌を収めており、実質的な第二歌集に位置づけられる。

このnoteは三枝昂之『前川佐美雄』、三枝昂之編『前川佐美雄歌集』の二冊を頼りに彼の表現世界を辿ることが目的である。しかし、『白鳳』は『前川佐美雄歌集』には80首しか収められ

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〈世界〉になじめない〈私〉――前川佐美雄『植物祭』私論/10月の短歌

〈世界〉になじめない〈私〉――前川佐美雄『植物祭』私論/10月の短歌

はじめに2023年、前川佐美雄『秀歌十二月』、三枝昂之編『前川佐美雄歌集』が発売された。前年には『ねむらない樹』vol.9、特集「詩歌のモダニズム」に前川佐美雄の評論が多く寄せられ、2020年7月には『短歌』に特集「没後30年 前川佐美雄」が編まれている。彼はいまさかんに読み直されている歌人だ。

彼はなにをしたのだろうか。前川佐美雄主宰の歌誌「日本歌人」(1934-41)は戦後に復刊されるが、そ

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伊藤左千夫の水害連作(八月の短歌)

伊藤左千夫の水害連作(八月の短歌)


伊藤左千夫について伊藤左千夫(一八六四~一九一三)は現在の千葉県生まれ。おおよそ明治時代を生きた歌人である。親は農家であり、左千夫自身も二六歳で独立して牛乳搾取販売業をはじめた。一九〇〇年、左千夫三六歳の折に正岡子規門下となって作歌に専念する。左千夫らとともに子規庵で行われた歌会に端を発したのが根岸短歌会であり、子規没後は左千夫が中心となった。一九〇三年には根岸短歌会の機関誌「馬酔木」を創刊し、

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