晴れ渡るラスト ありがと石川 ④
やだ、もう長い(笑)
ありがと。これでラストで〜す。
来た!金沢のピーカンで気持ちのよい朝だ☀️
★ 戸水屋
地元客でいつもいっぱいだという、老夫婦が営む和菓子屋。ウチの夫は大のあんこ好きなので、最終日は朝1番にこちらに駆けつけました。うっかりしてましたが、その日はお彼岸で、ガラスケースは空っぽ。
老夫婦が裏の厨房でフル回転。誰も他に雇ってないらしく、奥から白衣の老夫婦が痴話喧嘩しながら飛び出て来た。
「何がありますか?」
「ないよ、何にもない。おはぎだけ。きな粉とあんこ」
「あ、そちら買いたいんですが」
「まだないよ。あとね〜25分は、かかるよ」
「大丈夫です。」
気長に車中待ちして、熱々のおはぎの包みをゲット。あんこ好き夫の興奮。
「わっすげ〜!出来たてだ。今すぐ食いて〜」
江戸時代の旅人の気分。峠の茶屋で貰ったまだ湯気の出る包みを楽しみに歩く。そんな事をふと思い浮かべて、ほくそ笑んだ。
★ 金沢城址公園
とにかく広い。日本史に疎く、今ひとつ城への見聞が足りない私は右往左往、もうどうしていいかわからない広さ。
でも日曜の朝は、気持ちがいい。家族連れや観光客でいっぱい、ここは健康的だ。
〇 休憩施設
日陰を求めて、ホッとひと休み。ウッディで新しい。売店や食事処も。
★ 中谷宇吉郎 雪の科学館
金沢から加賀方面へ高速道路で40分片山津。私の一度来てみたかった場所。
〇 中谷宇吉郎
ここ片山津生まれ。
北海道大学で教授を務める中で、雪の結晶の美しさに魅了され、生涯にわたり雪や氷の研究に携わった。
「雪は 天から送られた 手紙である」
そんな研究って良い。生活も人生も、ロマンティック色になる。
◯ 贈られた記念品の数々
彼が還暦や、何かの記念に、あちこちから貰った品々。花瓶や文筆箱や便箋まで、みんな雪の結晶模様。年を取って貰ったものなのに、どれもこれも、なんだか全部が愛らしい。
◯ 絵も歌も達者
小唄も上手だった。
☆ 氷の結晶ペンダントつくり体験
しばらくしたら溶けてしまう氷の出来たてのペンダントを持って、ダッシュで外に出て、スマホ撮影。陽光を集める氷の輝きって、長く生きて面倒臭くなってる私たちの心だって簡単に弾ませる。ああ、自然は、無敵。
☆ 併設のカフェ
★ 金沢海みらい図書館
また1時間半かけて金沢に戻って来ました。金沢の幾つかある図書館、どれも雰囲気があるらしい。
こちら「世界の美しい図書館25選」に選ばれた、シーラカンスH&M 設計のもの(2012年)
◯ 移動中に見えた家
夫が隣で、ニコニコ撮影。
★ 室生犀星記念館
室生犀星は、詩人で作家。不倫の親のもと金沢で生まれすぐ養子に。養母が育児放棄し遊びまくり、彼は小学校も中退させられ、家を追い出され、実の親も探せず、養護施設で育つ。地方裁判所に給仕の仕事をしている時に、文学を独学で学んで、東京に出た。出生や学歴のせいで、仕事も恋愛も何もかもここでは上手く行かない。思い出したいものもない。金沢は故郷ではあるが、犀星に帰る場所などどこにもない。いつも早く東京に帰りたがっていた。
のちに書く
「故郷は遠くにありて思ふもの…」
あまりに切ない。
室生犀星は、とんでもない苦労をしたのに、恨んだり妬んだりしない人生って偉過ぎる。私だったら、暴れてクダ巻いて当たり散らす鼻つまみ者になるくらい、絶対やったはず。優しくて家族思いなんて、当時の売れっ子作家には珍しい。
見かけによらない犀星、丸文字➕甘党➕生物が大好き、女の子みたいなのだ。
犀星の甘いもの好きは有名で、特に「森八」の羊羹がお気に入り。亡くなってから見つかった
メモ書き4枚が
「羊羹を買いに行ってくれませんか。」
で、2枚が
「羊羹を買って来てくれて、ありがとう」
もうどんだけ羊羹が好きなんだか(笑)
犀星は作家として大成しても、派手な住まいを持たなかった。
愛弟子たちは本当に顔をしかめた。それは自分達のどの実家よりも、師の家が小さいからだ。
のちに信州にも家を作るのですが、そこも小さな箱のようでした(庭は広い)。で、犀星自身は、いつも虫籠を首から下げて虫とりをここで楽しんでいた。特にキリギリスが大好きで、みな総出で探した。
「それが、キリギリスは、なかなかいなくて」
毎回、それに付き合わされた親族の女性が言う。
で、東京に帰らなければいけなくなると、その大切な虫をその人達に
「はい、これ」とニコニコ渡し、
「もし(虫が)死んでしまったら、ちゃんとお墓を作ってね」
と言う犀星先生、
め、迷惑です。
★ 犀川の夜景
徳田秋声記念館近くの川べりを散策。人通りもまばらで、デートにもってこい!
★ 金沢駅
夜の鼓門も堂々としていて、立派だ。
★ 金沢駅で回転寿司
意外に早く店が閉まる。みんな考える事は同じなので、数少ない飲食店は、大行列だ。40分待ちで夫のイライラはマックス、でも我慢。富山湾の(金沢じゃない?)回転寿司へ。
2種類しかない蟹と大好きな貝を頬張る。
炙りのタレなし穴子、最高!
「うんまいなぁ、これ」
「おーいしー」
人間ってやっぱり、お腹が満たされると、ご機嫌に。本能って正直、平和だわ。
最後の最後に、ようやく、とりあえず小さいけど、蟹を食べたし。やった〜
★ 石川割
そうそう、あの「お得大好き男」の夫がまさかのコロナ接種証明を不携帯、悔しがってた。
夫 「なんで俺に、そんな大事なこと教えないんだよう」
私 「え?そんなの常識。ねぇ何テレビ観てんの?」
私は、写真がスマホに残っていた。
で、私だけ。はい、¥3000(能登で)➕¥1500(金沢で)お買物券いただきました。
上りの新幹線が(日曜の)20時台が1本もない?えーっ?21時06分発の、最終の東京行きに。でも行列の寿司で、結局時間ギリギリ。余裕ゼロで、乗り込みました。
記念に1枚欲しかったが買えなかった九谷焼の皿と、やっぱりもう少しゆっくり蟹は堪能したかったなぁ、なんて考えていたら、新幹線はゆるりと東京駅に到着。
はぁ、楽しかった〜