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今年見た映画から選ぶ、個人的な今年の映画


こんにちは。「独断と偏見で選ぶムービーオブザイヤー2023」
選考委員会委員長のponponこと遠海 春(とうみ はる)です!

以前のブックオブザイヤーの記事も見てくれたという人は再会しましたね!お久しぶりです。

さて、私は本にドハマりしたと同時に、映画にもドハマりしました。
そして、私が見に行った映画は今年で16本、回数にして28回、映画館へ足を運びました。

今年は映画業界はかなり盛り上がっていたと思います。長年立ち込めていたコロナウイルスの空気も抜けて、知恵の輪が解けたような、そんな解放感に包まれた一年でした。そして実写、アニメともに名作ぞろいで、飽きずに映画を見ることができました。

ブックオブザイヤーの時のように様々な観点から評価するほど見る目は持ち合わせていませんので、今年ハマった映画、おすすめの映画を紹介させていただきます。

おことわり

・この記事では、2023年に上映を行った映画を紹介しています。公開日自体は2022年であることもありますので、ご容赦ください。
・例によって独断と偏見で決められています。
・あくまでもここにあるのは私の考えです。読者さんが実際に見て感じることとは差異があります。
・盛大なネタバレありです。
・2023年12月時点での情報です。

ムービーオブザイヤー2023

#1「すずめの戸締まり」

監督・脚本・原作:新海誠
配給:東宝
制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
   STORY inc.
公開日:2022年11月11日(上映終了・オンデマンド配信中)
視聴回数:4回(おかえり上映含め)

言わずと知れた名作のアニメーション映画です。
新海誠監督が贈るこの映画は、ロードムービー形式で日本の各地を巡ります。

どのインタビューだったか忘れましたが、新海誠監督が、「映画館で見る映画を作りたい」と仰っていたのを今でもはっきりと覚えています。この映画はまさしくそれに値する価値を持つ映画で、それを表すかのような興行収入の輝かしい記録が並んでいます。

主人公の岩戸 鈴芽(いわと すずめ)が夢から覚めるシーンから映画、そして旅が始まります。そして最初のミミズを退治したところでのタイトルコール。(だったと思います。間違えてたらすみません)
そしてミミズを気にかけ、ときには困難に立ち向かいながら椅子の宗像草太(むなかた そうた)と一緒に日本各地を巡ります。思い出のある場所も出てきてくれたので、自分の過去を回想しながら見れました。

(語り始めると終わらないので飛ばしますが)
たくさんの場所を戸締まりして、いろいろな人と出会って、多くの経験を積んだ鈴芽は、映画が終わるころには、どこか変わっていました。そして、成長を感じました。
狭いようで広い日本を切り取って、たくさんの思いを抱かせてくれてたこの映画は、狭苦しい思いをしていた私の心に光を与えてくれ、一生心に残る映画になりました。

そして、音響についても細部までこだわりが見られ、映画館の設備を最大限まで引き出そうとする制作陣の思いも伝わりました。
そして終映までの一定期間は、リテイクされたものが上映され、そちらも見に行きましたが、より一層美麗な映像に心を震わされたのを覚えています。

さらにさらに、期間限定の再上映である「おかえり上映」では、本来使われていなかった音声データが使われていました。あの一言だけでも、映画の雰囲気はガラッと変わるものですね。

この映画が私の映画ブームの火付け役となり、読書ブームにはいい意味で火に油を注いでくれました。
今年一番最初に見に行ったのがこの映画です。残念なことに初めて見てから一か月もたたずに終映になりましたが、それでも舞台挨拶やその中継に3回行けたり、この目で新海誠監督を見れたりと、素晴らしい体験でした。


#2「夜が明けたら、いちばんに君に会いに行く」

監督:酒井麻衣
脚本:イ・ナウォン/酒井麻衣
原作:汐見夏衛「夜が明けたら、いちばんに君に会いに行く」
配給:アスミック・エース
公開日:2023年9月1日(一部で上映中・オンデマンド配信予定)
視聴回数:2回

知っている人はあまりいないかもしれませんが、この映画には原作小説があります。まったく同じ名前の小説が。

私はそちらを読んでから行きました。これを読んだときに頭の中で思い描いた情景と映像と一緒に。
そしてふたを開けてみれば、あらびっくり鮮明にそのままではありませんか。
配役や映像が素晴らしく、私の想像した登場人物がそのまま出てきたような感覚を覚えました。ちょっと適当な登場人物も、自分を隠す主人公もそのまま。映像についてはとにかく色鮮やかでした。なぜ色鮮やかなのかは小説を読むか、映画を見ればわかります。

原作小説が傑作と呼ばれるだけあって、映画としての完成度は非常に高かったです。ラストシーンでうるっときたのは今でもよく覚えています。
登場人物は最初と最後ではまるで別人のように変わるので、ぜひ小説だけでも読んでもらいたい傑作です。

青春と成長という言葉に表しづらいことを言葉にして表現した小説と、それを視覚的に訴えかけるように映像で表現した映画。この映画化によって、この小説のメッセージ性に磨きがかかったと思います。
どんな年代の人でも、共感できたり懐かしんだりと、幅の広い映画です。

今、大人の人は、昔の息苦しい時期を思い返すと思います。謎の閉塞感が立ち込めていたあの時期を。
今、学生の人は、今まさに体験していることかもしれません。共感にあふれる映画だと思います。自分は変われる。
そう勇気づけてくれた映画でした。


#3「アリスとテレスのまぼろし工場」

監督・脚本・原作:岡田麿里
配給:ワーナー・ブラザース映画/MAPPA
制作:MAPPA
公開日:2023年9月15日(上映終了・オンデマンド配信予定)
視聴回数:7回

私が今年最も見に行った映画であり、人生で初めて、入場者プレゼントをすべてコンプリートした映画です。

メインテーマである「心音」と、作画クオリティでは名高いMAPPAの一コマ一コマに宿る精細さと背景の美麗さに心を奪われてからというもの、何度も繰り返し見た記憶があります。
こちらも原作小説がありますが、どちらかと言えば映像のほうが楽しめると思いますので、ぜひ映画のほうだけでも。

時代や世界観はファンタジー寄りですが、この映画を通して心に宿される気持ちはきっと誰もが経験したことのある気持ちだと思います。
でもそんな中でも変わりたいと願う登場人物たち。
青年期特有のとがった考えも交えながら、ストーリーが進みます。

そうして願って、積もった変わりたいと思うその気持ちは、ついに世界を変えることになります。ある意味「行き詰った」世界を、変えます。

その結末と、アフターストーリーのようなものがしっかり最後まで描かれており、敢えて憶測を呼ばないエンディングになっているのも特徴です。
そうすることによって、映画を見た人の気持ちを落ち着かせ、確定したエンディングで視聴者の心を落ち着かせる。

映画の最後には「ああ、こうなったんだ、こうなれたんだ。そっか……うん。そうだよね」となり、スタッフロールを流し見しつつ「心音」を聞きながらたっぷり映画の内容を振り返ることができます。

「変わりたい」そう願う小さくも強い心が、友情を動かし、世界を動かす。
そんな世界を、見てみませんか?

ちなみに、メインテーマの「心音」は中島みゆきさんが歌われており、映画の内容と非常によくマッチしています。検索! 検索!


#4「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」

監督:成田洋一
脚本:山浦雅大/成田洋一
原作:汐見夏衛「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
配給:松竹
公開日:2023年12月8日(上映中)
視聴回数:1回

第二次世界大戦の凄惨さは、誰もが知っていると思います。教科書では数ページでしか語られていませんが、それだけのページ数で語ってはいけないのです。国を守るために散った英雄たちは、何千万人といるのですから。
軍人だけでも犠牲者数は2200万-2500万人
民間人に至っては3800万-5500万人。

78年前。日本は第二次世界大戦で敗戦国となりました。
世界が嫌になった女子高生がいました。(原作小説では中学生)

この第二次世界大戦と、世界が嫌になった学生。
この二つがタッグを組んだ、聞くだけならちょっと変わった小説・映画です。

「初めて愛した人は、特攻隊員でした―」
下記のリンクを開けばおそらくこの文字が真っ先に飛び込んでくることでしょう。
軍服と現代の制服が横に並んで立っているのは違和感でしかないこの写真ですが、逆にインパクトがあっていい感じ。

世界が嫌になった女子高生・百合が、1945年の日本にタイムスリップし、その先の人に惹かれていくお話です。

この映画は、一言では語れません。そして、言葉にできないような感情を抱かせてくれます。
相手を好きになったのに、戦争中で。
相手を好きになったのに、その人は特攻隊員で。

せっかく結ばれようとしていた一つの想いは、上層部が決定した戦争によって、いとも簡単に引き裂かれてしまう。
国際情勢が不安定な今だからこそ、絶対に見るべき作品です。
そして、相手を思う気持ちがどれほど強いか。それも、映像の中に閉じ込められています。
戦争では、このようなことが何度も何度もあったことでしょう。

そう思うと、胸が痛くなります。


めっちゃ泣いた映画

やはり、映画を見ていると泣くこともあるものです。
小説でさえものによってはボロボロ涙をこぼしてティッシュ十枚はゆうに消費する私ですから、たくさん泣いた映画もあるわけです。
映画館はさすがにほかの人もいるので頑張って抑えましたが。

抑えなくていいならもう大変なことになると思います。

というわけで、泣きに泣いた映画を2つ、ご紹介します。

#1「アナログ」

監督:タカハタ秀太
脚本:港岳彦
原作:ビートたけし「アナログ」
配給:アスミック・エース/東宝
公開日:2023年10月6日(上映終了)
視聴回数:1回

すべての意味でアナログな恋。

私たちは今、携帯やパソコンを使って他人と連絡を取り合っています。
恋人も、同じです。携帯を通して甘いメッセージを送りあうのも、恋人になったら絶対にやることの一つだと勝手に妄想してます。

ですが、彼女は携帯を持っていませんでした。

となると、直接会って話すしか手段がありません。電話やお手紙もありますが、電話番号や住所なんてそんな簡単に聞けたものではありません。

何とか耐えた場面もあったものの、最後の一撃とメインテーマで涙の堤防が決壊しました。

#2「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」

(監督、脚本、原作などの情報は先述)

本日二度目の登場となりますこの映画。泣けます。

先ほど感想は語ったばかりですので省きますが、とにかく泣けます。
戦争の悲痛さをこれでもかと心に響かせてくれました。
ラストシーンは泣かずにはいられない……!

映画として楽しむこともできれば、戦争の悲痛さを知ることもできる教養的側面も持ち合わせたこの映画、ぜひ見ていただきたいです。


今年見た映画一覧

そこまで多くないのでご紹介します
(映画の基本情報、リンク、感想は省きます。映画館で観た映画です)

・すずめの戸締まり
・交換ウソ日記
・五等分の花嫁∽
・君たちはどう生きるか
・ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART1
・1秒先の彼
・夜が明けたら、いちばんに君に会いに行く
・さよならの朝に約束の花をかざろう
・特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~
・グランツーリスモ
・アリスとテレスのまぼろし工場
・沈黙の艦隊
・アナログ
・駒田蒸留所へようこそ
・青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない
・あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。


さいごに

今年は多くの映画と出会えました。
今まで映画は興味もなく、「映画を見に行ってきた」と友達に言われても「そうなんだ……」と返すことしかできなかったので、これで話がある程度わかるようになりました。

私の考えを変えたり、心を震わせたり、新しい興味を持てたりと、たくさん得るものがありました。
来年公開予定の映画もすでに目星をつけているものがいくつかありますので、それを見に行こうと今から意気込んでいます。

映画館はちょっぴり遠かったり、高かったりするかもしれませんが、心に残るものはそれ以上の価値があると信じています。

皆さん、ぜひ映画館へ!

ponponこと遠海春でした。

メリークリスマス!

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