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はじめての精神薬の話~精神薬という選択肢~

!注意!
この記事は、薬や発達障害について記述しています。
症状には個人差があり、処方される薬の効果も個人差があります。
そのため、一個人の記録としてご覧ください。
この記事が原因で発生した損害について、当方は如何なる責任も負いません。

薬は用法用量を守って正しく服用してください。


こんばんは。遠海春です。

今日は、先日の記事で仄めかした、処方されたお薬について21日以上飲んだ実体験と共に少しだけお話ししようかなと思います。
以下、お品書き。



何を出されたの? どうしてその薬を?

私が処方されたのは「エスシタロプラム」と呼ばれるお薬です。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の一つで、社会不安障害やうつ病に対して処方されることがあるお薬です。

私はこの記事でお話しした通り、ADHDとASDによって不安障害を引き起こしているという現状があります。

詳しくは↑でお話ししていますので是非ご覧ください。

この薬はその不安障害によって生じる日常生活への支障を少しでも軽減しようという目的で投与されたものです。

選択的……なんだって?

「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」(以下SSRIと記述)
です。

どうやら、私の症状にはセロトニンが関係しているらしく
お医者さんも「効果があるかどうかはわからないけれど、飲んでみようか」
と話していて、私はその案に乗ることにしました。

SSRIは、脳内のセロトニンの再取り込みを阻害することで、気分を改善します。つまり、セロトニンが神経細胞間に長くとどまるようにするということです。
セロトニンは神経伝達物質の1つであり、セロトニンが適切な量である場合、気分が安定し、抑うつや不安感が軽減されます。

で、効果の方はいかが?

で、効果について。

主観的な話になりますが、多少なりとも効果は実感しています。
以前は人とコミュニケーションを取る際に手に汗かくほど緊張したり、自分の言っていることがわからなくなり混乱することが多かったのですが
この薬を飲んで以降は、そのようなことが起きる回数が減りました。

私は人と関わる際に一定レベルの恐怖と不安、そして緊張を持っています。
これは誰に対しても同じです。
そして、SSRIはこのレベルを下げてくれました。
なくなったわけではないので、今でも先述したようなことが起こることはあります。完全に取り去ることはきっと不可能でしょう。

他にも、日常生活でよくある失敗
・食器を落とした
・食べ物を落とした
・水をこぼした
・洗濯物を干し忘れた
・食べ物の粉を乗せたティッシュを落とした
etc……
に対して私は過剰なまでに苛立ち、自分を責め立てていたのですが、最近はそんなことがめっきり減りました。

このくらいの失敗であれば看過できるほどの余裕が心にできたのでしょうね。
つまり、このようなことがあっても、極度に不安になったり落ち込むんだり、イラつくことがなくなり、良好な精神状態を保てていると私は考えています。

なので、効果はしっかりありました。

副作用どうですか?

とにもかくにも眠い。眠気。

最初の頃は胃腸の調子が悪くなることが多かったのですが、それは2週間ほどで改善が認められました。

その一方で、眠気については改善はしているものの改善速度が遅く、昼寝をしないとやっていけない体になっています。
元々寝不足人間なので、ちょうどよい機会だとは思っていますが。

とはいえ、絶対に昼寝をしないといけないわけではないので、日常生活に目立った支障はありません。

いまのところ。

そして、眠気という副作用は同じような成分を含む薬ではかなり頻繁にみられることです。なのでこればかりは仕方がないのかなと思って半分あきらめて寝ることにしました。


精神薬を飲むという選択肢

精神薬、というと依存や乱用、副作用の大きさといったネガティブな側面がまず思い浮かぶ、という人が多いでしょう。
私自身も、私の親も、最初は抵抗感を示していました。

しかし、何よりも大事なのは患者本人の抱える心の辛さです。

医者も適当に処方しているわけではありません。
患者が伝えた症状や、様々な検査、その症状に対する患者の想いなど、様々な情報をもとに決定しています。

また、流通する医療用医薬品はほとんどが様々な臨床試験や審査を経て流通しています。その時点で、一定程度の安全性と効果が確認されているのです。
万が一副作用があったとしても、副作用に対する体制もしっかり整備されています。
この数年だけでも、医学薬学は発展を見せました。


今、精神薬を飲むかどうか迷っている人へ。周りに精神薬を飲もうとしている人がいる人へ。

自分、あるいはその人が最も苦痛から解放されることのできる選択をしてください。あるいは助けてあげてください。
苦痛から解放される方法は、薬だけではありません。カウンセリングというのも選択肢の一つですし、話を聞くことも選択肢の一つです。

難しい話ですが、あらゆる選択肢を排除せずに、最善の選択をする。
あるいは、新たな選択肢を一緒に作り、探す。

今、つらい思いをしている人と共に歩んであげてください。
あくまでも中心に据えるのは精神薬ではなく、その人自身です。

そしてその先に、精神薬という選択肢があったのなら、選択をしたのなら。それでよいでしょう。

私は精神薬を飲むことに賛成も反対もしません。
精神薬が精神的苦痛の全てを除去することができるとは限りません。
悩む人の数だけ、解決策があります。
すぐに解決するものもあれば、一生涯解決しないものだってあるでしょう。

薬や解決策を中心にした考えではなく。
人を中心にして一緒に考えてあげてください。


最後になりましたが

私が精神薬を飲むにあたって多大な支援をいただいた担当医の先生。
このことをすぐに理解して飲み込んでくれた大学の先生。
考え直すことを提案してくれた私の両親。
理解して、受け止めて、変わらず友達でいてくれた友人。

心の底から、ありがとうと言いたいです。

ありがとう。
そしてこれからも、よろしくお願いします。

これ以外にも、私は数多くの支えがあって今を生きることができています。
精神薬は大きな役割を果たしているかもしれませんが、私を支えるものは、薬だけではありません。

多くの支えがあって、今を生きることができています。

誰かの支えを得ながら、多くの力を借りながら生きていくことは、恥ずかしいことではありません。

人間は社会的な生き物です。
完全に一人で生きていくことは困難を極めるでしょう。


精神薬を飲んでみるもよし。
誰かに話を聞いてもらうもよし。
心療内科に行ってみるもよし。
今は我慢するもよし。

私は
あなたが向き合うことを
あなたが考えて導き出した結論を
あなたが最善だと思って取った行動を
応援しています。

間違っても、大丈夫。


あなたが過ごすその1日が、少しでも多く心からの笑顔で過ごすことができ、幸せだと自信を持って言える1日でありますように。


2024年12月7日
遠海 春

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