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「心配」で人を引っ張っちゃった
ってことがあったんです、昔。
当時わたしが勤めていた病院は、「心の状態が病に関係している」という院長の考えに則り、専門のカウンセラーさんが月に2回心理カウンセリングを行なっていました。
タイトルの出来事は、そんな心理カウンセリングがあった日のこと。
患者さんの予約時間がもうすぐ迫っているのに、カウンセラーさんがちっとも来ない。
いつもは予約の15分くらい前には到着しているのに。
患者さんもすでに待っている。
その頃のわたしは「患者さんを待たせてはならぬ!」という思いが強くて、カウンセラーさんが来ないことを他のスタッフの誰よりもそわそわ心配していました。
予約時間を若干過ぎた頃、カウンセラーさんがやっと到着。
わたしは「よかった、来た〜」と安堵し、同僚のスタッフは「ポノちゃん、すごく心配してたんですよー」とカウンセラーさんに伝えていた。
するとカウンセラーさん、こんなことを言ったのです。
「病院が近づくにつれて引っ張られる感覚が強くなって、苦しかったのよー。ポノさんの心配のエネルギーだったのね!」って。
どうやらわたし、カウンセラーさんを「心配」の思いで引っ張り、知らず知らずのうちに苦しめていたようです。
目に見えないものを見たり感じたりできる先生だからこそ、余計に感じ取っていたのかもしれないけど。
もちろん、わたしにそんなつもりはなかった。
っていうかそもそも、予約時間に間に合うように来てくれい。
だけど、カウンセラーさんの言っていることも感覚的にわかるような気がします。
そう言えば幼少期、わたしは祖父にかなり可愛がられていたんだけど、祖父の過剰な心配が煩わしかったり息苦しかったりしたことがあったな。
その時は、祖父の心配エネルギーをもらっていたのかもしれないな。
だから今は、心配の気持ちはなるべく相手に向けないように心がけています。純粋に相手を思うがゆえの心配だとしても、それが相手を苦しめてしまうなら本末転倒。
心配は心の中でそっと溶かして、相手には「きっと大丈夫」の意識を向けていこうと思っています。