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宮田みや
2021年5月20日 14:13
バスタブに浸かる。バスボムを入れたぬるま湯は足に絡んでとろりと落ちてゆく。鼻だけが水面から上にいる。うるさいけれど、とてもしずか。私が身体を委ねるこの箱が、湯船か棺かなんてこの際どうでもいい。どうでもいいのだ。だから1つ、話をしよう。 滑稽で憐れで、惨めな女の話をしよう。 「自殺未遂」死にたかったのだ。死にたかったのだと、今ではそう思う。そう思っている、ことにしたい。