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夜型人間が朝方に擬態する3つの方法

現代社会でひっそりと迫害されているマイノリティをご存じだろうか?そう私たち"夜型人間"だ。

夜型人間とは、まだ人間が野生動物と狩ったり狩られたりの戦いを繰り広げ、他の部族との抗争に明け暮れていた時代に、漆黒の闇の中で村を守っていた夜間当番の遺伝子を受け継いできた人間たちだ。

太古の昔は重宝されていたであろう夜になっても眠くならない夜型遺伝子を持つ人間たちであるが、早寝早起き朝活モーニングルーティーンが叫ばれる現代社会では、すっかり日陰者の地位に追いやられてしまっている。

日本睡眠学会の権威である柳沢教授によれば、夜型と朝型は遺伝子で決まっており、それを後天的に変えることはできないとのことである。そして夜型遺伝子を持った人間は白人ではとても少なく、最も多い東アジア人ですら20%程度しかいないとのことであった。

世界を支配する朝型人間の白人たちは自分たちの体質に合わせて朝早く起きて夜早く寝る社会のタイムスケジュールを作り、それに我々日本も従うことになっている。

アメリカではパワーブレックファストと呼ばれる、朝早くから集まって朝食をがっつり食べながら仕事の打ち合わせをする文化まであるそうだ。朝ギリギリの時間にフラフラと起きてきてろくに飯も食えずに出社する夜型人間とは大きな違いである。夜型人間がパワーブレックファストに呼ばれても、コーヒーをすすりながらうなずくことしかできないだろう。

日本でも8割近い人々は朝型人間であるからして、白人の朝8時~9時から仕事を始めるスケジュールは受け入れられている。そう、我々2割の夜型人間の苦しみは無きものとしてスルーされているのである。

先進国は肌の色による差別には敏感であるが、夜型人間に対しての差別にはとても寛容だ。我々夜型人間は「朝起きれないだらしない人間」「いい年をして夜中まで起きて何をしているんだ」「早く寝ない自業自得だ」と常に激しい誹謗中傷にさらされてきた。

青年期から朝型社会から逸脱することで激しい叱責を受けることをいやというほど叩き込まれてきた夜型人間たちは、様々な手段を用いて何とか朝型人間として擬態する術を身に着けて、社会人として働いている。

しかし、当然遺伝子に刻まれた夜に村を守っていた生活習慣を早々に手放すことはできない。その結果、夜型人間は自分たちの体内時計に合っていない社会の中で、慢性的な寝不足になりながら、辛い生活するはめになっているのである。

柳沢教授によれば、夜型人間は朝方社会で睡眠負債を積み重ねた結果、うつなどの精神的な問題や、特定のがんに罹患しやすいなどの恐ろしい統計データがあるとのことだ。

夜型人間は、朝型社会に真綿で首を締めるようにじわじわとその首を絞められて寿命を削られていたのである。

夜型人間が健やかに生きていくために重要なことは、何が何でも睡眠時間を確保することだ。そしてそのためにできることは2つだけだ。

まず一つ目が"早く寝る"ことだ。

朝早く起きなければ社会人としてやっていけない以上、何が何でも早く寝るしか道はない。しかし、夜型人間にとって実はこれが最も難しいハードルなのである。

読者の8割を占める朝型人間からすれば、「朝から働いてたら、23時頃にボチボチ眠くなるだろ、何言ってんだこいつ?」と思うかもしれない。しかしその感覚は残念ながら夜型人間には共有できない。

23時は夜型人間にとって眠くなる時間ではなく、最も活動のスイッチが入っている時間なのだ。夜型人間のエンジンは18時ごろから徐々に温まってきて22時ごろが思考の最高速度が出るのである。23時に寝るというのは、朝型人間に20時に寝ろというぐらい難しいことなのだ。

夜型人間にも個人差があるが、たいていの場合21時~2時ごろに自己最高の思考速度が出ている人が多い。筆者も21時から1時までが一番頭を使う仕事がはかどる時間となる。筆者のような完全夜型人間にとってベストな生活リズムは2時に寝て9時に起きることなのだ。

しかしながら、9時に起きていては朝型社会ではやっていけない。そのため、筆者も何とかして24時までに寝て7時前に起きる生活を行っているのである。非常につらいが仕方がない。

ちなみに柳沢教授が提案する解決策は"依存性の少ない睡眠薬を飲むこと"であった。夜型人間は薬の力に頼って生きるしかないのか。10時から始業時間の社会であれば、夜型人間もこんなに苦しむことはなかったはずだ。

しかし、そんな苦しみから解放される2つ目の夜型遺伝子問題のソリューションがある。それが”朝早く起きなくてもいい仕事環境を作る”ことだ。

製造業の遅番シフト以外にも、通勤時間のかからないリモート可能なIT職、時間の自由が利くライター業など、働き方の多様化によって、これまでは早く寝るしかなかった解決策以外に、仕事内容を選ぶことで7時前に起きなくても済む仕事が多く出現しているのである。

筆者の周りでも、IT業界などでリモートワークをしている友人や、自営業で時間に自由がある友人たちは、夜型人間でありながらあまり朝に苦しめられている様子はない。

しかしここで注意が必要なことがある。それはいくら夜型人間とはいえ、完全夜勤生活を長期間続けることは健康にマイナスであるということだ。

夜型人間は体内時計が後ろにずれ込んではいるものの、ある程度の夜更けになると眠くなる体質である。その時間を超えて起きていることは、身体に大きな負担となるのである。

筆者の友人で24時間稼働の工場で夜勤シフトに多く入っている人がいるが、あまり健康そうには見えず、一度倒れて入院したこともある。夜型人間とはいえ、夜勤シフトに入り続ける仕事はさすがに避けた方がよいだろう。

柳沢教授も決まった時間に寝て決まった時間に起きる生活のほうが睡眠の質を高めると話していた。

夜型人間は上記のように夜早くに寝る努力をしたり、朝早くに起きなくてよい仕事に就いたりして、朝型人間たちが支配する社会で何とか健康を保っているのである。

しかし、言うは易く行うは難し。残念ながら朝ゆっくり寝られる仕事に就くことができず、早く寝なければならないのに全然寝られなくて苦しんでいる夜型人間は世の中にあふれている

このまま無理を重ねていけば、精神や肉体を病魔に蝕まれてしまうのも時間の問題である。

そんな苦しむ筆者と同じ20%の完全夜型人間の読者に向けて、朝型生活に擬態して生活するために筆者が意識していることを伝えたいと思う。また不眠に悩む朝方人間の方にも是非参考にしてもらいたい。

具体的な方法は3つある。

まず一つ目が......

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