ほんじつの日本酒_旦(笹一酒造)
山梨県大月市にある酒蔵,笹一酒造が醸す「旦」
特約店のみ取り扱いのため、なかなか巡り合えなかったものの、思いがけず実家近くの酒屋さんで出会うことができました。
酒母は山廃、酒米は播州愛山、純米大吟醸、無濾過生原酒
私にとってはフルスペックな日本酒です。
愛山の芳醇濃厚、ふくよかな旨味、愛山がひきたつような優しい山廃づくりによる適度な酸味。ライチのような香り、これは吟醸香のひとつで、4MMPといわれソーヴィニヨン・ブラン、ゲヴュルツトラミネールなどの白ワインがもつ香りと同じだそう。米とぶどうから同じ香り、、、発酵の浪漫を感じてしまう。。食中酒としての日本酒の魅力と懐の深さを体現したような期待どおりの日本酒。
笹一酒造さんには昨年とある酒蔵ツアーでお伺いしたのですが、蔵の真下から湧く水のお話がとても興味深いものでした。
蔵のある富士御坂というエリアは小笠原諸島がプレートで移動してきたときにユーラシア大陸と衝突してできた場所であり、小笠原!の地下と同じく火山地質とのこと。古代海洋生物の化石が出ることもあるそう。火山地質なので隙間の多い溶岩ゆえに、雨水は濾過されながらすぐにと落ちていくので不純物を含まない純粋な軟水がたまるそう。きれいなうえに複雑味と旨味のある水という印象でした。仕込水によって、発酵のスピードも変わるだろうし、酒質設計の重要な要素だと体感。さらに、溶岩ゆえの水はけのよさを活用してブドウを栽培し、ワインも醸造されていて、興味深いばかり。また、笹一酒造さんのマークのモチーフは八咫鏡とのこと、毎年詣でる伊勢神宮とのつながりも嬉しく。
そのときから飲みたいと思い続けていた「旦」
今日は、鰹に自家製ジェノベーゼソースにちょっとだけ醤油と酢を足してペアリングしてみました。
ハーブが日本酒と鰹をつないでくれて、懐深い「旦」が受け止めてくれる、満足のペアリング。ご馳走様でした。