不可逆それは真実と虚構とばか
覆水盆に返らずとはよくいったもので起きたことは2度とそれが起きる前の状態には戻らない
いなくなったひとが戻ってこないのとそれはおなじこと
それは嘘だったと言われたとて発された言葉は相手の脳裏に残りつづける
冗談だよ、って笑ったって傷つくときは傷つくし相手が冗談として受け取らなければそれは冗談ではないのだよ
同様にあなたがしたことをわたしは忘れないしいまなお忘れてもなくて許せないまま
なかったことにして何度も何度も都合良く気持ちいいとこだけ触らないでくれないかな、大切なんだよね
在るべき場所へ還すことができないのならばもう2度と触れないことがせめてもの礼儀だと思うんだけど
それについてはどう考えていらっしゃって?
救われたをゴールにして思考を放棄するのは簡単でそれはもう脳死とおなじこと
LINEの送信取り消しボタンを押したって相手が既に見ている確率をかんがえたことはあるか、わたしはあるよいつだってね
いちど発した言葉は消えてなくなるなんてことはないんだよ、そういまわたしは言葉を変えて同じことを何度も言っている
不可逆的事象の残酷さに気づいていないひとがこの世界にはあまりにも多すぎるね
例にもれずわたしにもある側面としての自戒をこめて
そしてあなたもお前もきみもすべてだよというだけのこと
無論話す余地などないので世界は真っ二つだねばかみたいに
真っ二つをのぞまない大切なひとがいるけれどごめんねっていつだって思う
その世界の分断に加担している加害性をわたしはいつだって自認しているしそんなことはわたしのちからではできない、祈ってもどうしたってとめることはできなくて情けない
理想郷は願ってもつくることがわたしにはできない
それもまた自分のしてきたことが不可逆的であることの報いでもあるから
或いは
きみが言葉を失うと同時にわたしはきっと言葉を取り戻すしきみが脳みそをぶち抜くと同時にわたしもきっと屋上から飛び降りるのだろう
その綱渡りだけが唯一で絶対で在り続けることがそんなに悪いことだろうか、否
その一刹那に懸けたいがための賭け捨ての命だけがぼくのきぼう
いちどだけぜんぶがばかみたいにはじけ飛ぶのをみたことがあった
それはこの世の真理に少しだけ近づいたときに少しだけ失ったぼくの身体やこころの一部なんだと思う
触れてはいけないものに出会うたびにいつだってひとはそう、これはまごうことなきパンドラの匣だ!ってわかっていてもなおわかった瞬間開けるでしょう
そういうことだよそして開けたら最後そこから溢れ出した善も悪もすべては不可逆的事象であり誰も元に戻すことなど不可能なのだ
そう、きみもだよ?
傷は癒えてもなおらない
おまえもな
続・死ぬまで一生愛されてるなんて思ってんじゃねえよクソがよ
わたしはクリープハイプの『ナイトオンザプラネット』がリリースされたときに、大森靖子のファンが言っていた大森靖子のパクリだ!に対して、否、そもそも着想点がちがうからパクリではない論を展開していた
(大森靖子はkeisukekandaの夜の方へ駆けていくまさにナイトオンザプラネットというワンピースの名前から産まれている、一方クリープハイプはお察しの通りジム・ジャームッシュの映画から着想を得ている)
が誰にも理解されなかったことを憶えている
尾崎世界観の人生にジム・ジャームッシュがないはずがなくて、ウィノナライダーの美しさが脳裏にないはずもないそんなこと知ってた
だから曲のタイトルこそ被ったかもしれないけれどそこにパクリだの嫉妬だの羨望などないことくらいわかるよ、そんなことくらいわかってるつもり
この曲をアルバムの7曲目、真ん中に据えるな
そうだよ新しい恋人できたよばかやろうがよ
コウキ(後期)とか洒落言ってんじゃあないよ
ぜんぶわかられたくなんかないし
一生にいちどだって愛してなんかなかったし出会ったあの日の103だってどこにもないの
ポップに恨みを歌って寂しくならないでよね
ほら、また愛憎の繰り返し
この曲聴いて泣かないやつなんていないの知ってるくせにばかやろうだいつだっていつまでもぼくたちは平行線だからおもしろくてやめられない
𝓴𝓲𝓵𝓵 𝓸𝓻 𝓭𝓲𝓮?
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