vitroid
方眼紙と定規とコンパスと黄金比分割器で正多面体を描く方法を解説します。
同じ立方体の中に、正12面体と正20面体を同時に描くと? 一つの立方体に正12面体と正20面体を同時に描く。 この図形をよく見ると、図の赤線のように、正20面体の辺と、正12面体の辺はそこかしこで直角に交わっているのがわかります。つまり、2本の赤線は、同じ平面にあるわけです。そこで、この4つの頂点を結んで菱形を描きます。 ほかの辺についても、同じようにに菱形を描いていくと、菱形30面体が描けます。ちなみに、2本の赤線の長さの比は1:φです! 菱形30面体! 最後に、
方眼紙の上で図形を描いている時に、ある斜めの線分をn等分したいときはどうしたらいいでしょうか。 目盛をかぞえて、ちょうど中央をさがす、というのももちろんありです。でも、末端が方眼にちょうどのっかっていないと、かなり面倒ですよね。方眼紙の上では垂直や水平な線を描くのが簡単なので、それをつかって手早く等分する方法を紹介します。(老眼には1 mm方眼を数えるのがつらい、というのもあるのですが…) 方眼紙のうえにてきとうに引かれた、紫の直線を2等分する場合には、 (1) まず、
よく考えると、立方体をすべての始点とみなすのは必然的ではなくて、正八面体でも構わない気がしてきました。 歪みのない立方体を描く時に、表の数字を元に方眼紙に三本の線を描きました。あの線を反対側にも伸ばすと、八面体を描く補助線に使えます。 表の数字を元に、三つの軸を描き、歪みのない正八面体を描く。 辺を黄金比に分割。(分割する方法は黄金比と正五角形を参照) 近い印同士をつなぐと正二十面体の出来上がり。 補助線を描く手間を考えると、立方体から正二十面体を描くよりも手数が少
Q 黒板に大きなコンパスや定規を使って描きたいのですが、大きな黄金比分割器が手にはいりません。どうしたらいいですか? A 黄金比1.618は、だいたい1.6で近似できます。つまり8:5の比率です。1%の誤差がありますが、チョークで描く場合には十分小さいと言えます。ただ、それでも辺の長さを測ったり、かけ算したりといった手間を考えると、あまり楽ではありません。いっそ、段ボールなどで、大きな黄金比分割器を作ってしまったほうが、あとの手間はぐっと少なくなると思います。 Q Ado
最後は正12面体です。立方体を出発点として、補助線を入れる方法をいろいろ考えてみたのですが、どれも結構手数が多く、最低でも黄金比分割器を20回使う必要がありそうです。もし、もうちょっと簡単に描く方法があればぜひ教えてください。 正多面体の節では、すべての正多面体が立方体の中に描けることを示しましたね。正十二面体の場合、逆に内部に立方体を描くことができます。 正12面体の頂点をつないで立方体を描く 正十二面体が入る立方体と、正12面体に入る立方体の比率は? これもφなんです
いよいよ正20面体を描きます。立方体なら(方眼紙があれば)自由な向きに、歪みなく描けるので、それに内接する正20面体を描けば、それも歪みません。 正20面体の辺は、立方体の補助線と重なっています。そして、立方体の辺の長さと、正20面体の辺の長さはちょうどφ:1になっています。(なぜそうなるかは、正20面体に含まれる正五角形をじっとにらんで考えてみて下さい) ですから、この場合も黄金比分割器が使えます。 1. 補助線を引きます。 2. 補助線の、黄金比の位置に印をつけま
正12面体、正20面体の正面図は、どちらも正10角形の中に描けます。そこで、まずは正10角形の描き方を説明します。 実は、一辺の長さが1の正10角形の、中心と頂点のあいだの距離(外接円の半径)は、黄金比φなのです。ですので、例えば、半径が10φ=約16.18 cmの円を描いたあと、コンパスを10 cmに開き、円周を10 cmごとに刻んでいくと、正10角形が描けます。黄金比分割器を使う場合には、円の半径に分割器の全幅cをあわせたあと、広いほうの区画aの幅にコンパスを開いて、
自由な角度から見た正多面体を描くのはいかにも大変そうなので、まず正面から見た図を描いてみます。どの方向を正面とするかは意見が分かれるところですが、次の条件を満たす方向を正面とすることにします。 1. できるだけたくさん面が見えること。 2. 1を満たし、かつ最も対称性が高い方向。 正四面体の場合、一番たくさん面が見える方向では、3面を同時に見ることができます。その上で対称性が高い方向を選ぶと、次の図のようになります。 頂点方向から見た正四面体。 残る4つの正多面体で
正二十面体と正十二面体には黄金比が深く関わっています。黄金比φは約1.618...、小数点以下無限に続く数で、いろんな定義があります。 一番わかりやすいのは、正五角形による定義でしょう。辺の長さが1の正五角形の、二つ離れた頂点の間の距離がφになります。 正12面体は正五角形で囲まれているので、φが関係ありそうだという気がしますが、正二十面体にどうしてφが関わってくるかは、もう一度正20面体をじっくり見るとわかります。 正三角形5枚が正五角錐を作っているのが見えるでしょう
正多面体には、立方体のほかに、正四面体、正八面体、正12面体、正20面体があり、全部で5種類です。これらは、立方体と深い関係がありますが、その関係は図で描いてみると一目瞭然です。 正四面体だけは、補助線なしですぐ描ける。 正八面体。辺の中点をつないだ補助線を引けばすぐ描ける。 正20面体。補助線と辺が重なる。 正12面体。同じく補助線と辺が重なる。一番描くのが難しい。 正四面体は立方体の頂点をひとつおきにつなぐとすぐに描けます。 正八面体を描くには、まずすべての辺
どんな立体を描くにしても、最初に歪みのない立方体を描ければ、あとはそれに平行線を描いて細分することで、(原理的には)どんな複雑な立体でも描けるはずです。(立体的な方眼紙のようなものですね) 立方体は、より複雑な図形を描くための「方眼紙」 この記事では、すべての図形は正射図法で描きます。正射図法は、平行投影、orthographic projectionなどとも呼ばれます。超望遠レンズで撮影した写真は平行投影っぽい絵になります。この図法では、立方体は、どんな角度から見ても、
いまどき、歪みのない立体なんてCADソフトでも使えば誰でも描けます。でも、あえて手描きで立体を描いてみたい。それも、それっぽく描くのではなく、ちゃんと歪みなく描きたいと思うのです。 例えば、立方体を描くのに、まず正方形を描いて、それをずらしてこんな風に描けば、立方体っぽく見えますが、実際にはこんな立方体はありえません。 ぱっと見、変にみえないかもしれません。しかし、立方体正面の正方形は、真正面から見た時に限り正方形に見えるはずで、斜めから見た立方体の面はすべて平行四辺形で