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僕が発信している理由はこの本にある。 ―政治的に無価値なキミたちへ―

こんにちは、政治解説するぞー(@polikaisetsu_suruzo)です。
Instagramを中心に政治を解説をしています!

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さて、僕はKindleで本を読むことが趣味になっていますが、最近Kindleに面白い本があったので紹介していきたいと思います。

それは「政治的に無価値なキミたちへ」

この本は、早稲田大学で講義で使われているテキストを書籍化したもので、政治とは何か、日本政治の現状、政治の重要性を説いたものです。

今回は、「政治とはなにか」「政治の重要性」という観点からこの本を引用し、感じたことを書いていきたいと思います。


イデオロギーに殉じろ

「イデオロギーとは『世界はこうあるべき』という抽象的な思いだ。」(p22)
「みんなのイデオロギーが絶えずえめぎあったり、共感したり、妥協したり、殺しあったりしながら、やがて国家の形が作られていく。それが政治だ。」(p26)
政治を学ぼうと思ったら、まずは自己のイデオロギーを自覚することから始めるべきなんだ。

政治はみんなのイデオロギーの結集であるということ。では、どんなイデオロギーがあるか。選挙のときに各政党が打ち出す政策に置き換えて考えてみました。

例えば、憲法改正や原発再稼働に賛成である、反対である、とか。もっと若者の政策を増やすべきだとか。もっと消費税を減らすべきだとか。安楽死を認めるべきだとか。

自分たちがどんな社会にしたいか、どんな世界にしたいか、というのを抽象的に考えること、「自己のイデオロギーを自覚する」ことが政治を学ぶ上で大切であるということです。


イデオロギーのせめぎあい

「この世に政治的に中立な人間など存在しない。」
「知らず知らずのうちに、特定の視点から日本という国家を見つめ、特定の視点から日本という社会を見つめてきたんだ。」
「その特定のイデオロギーは、親や教師から与えられたものかもしれない。日々の部活動やアルバイトを通して身につけたのかもしれない。一部のメディアから影響を受けたのかもしれない。ネット上の特定コミュニティに参加する中ではぐくまれたのかもしれない。」(p52)

イデオロギーは誰にでも潜在的に持っているもので、そのイデオロギーは様々な人や媒体と関わっていくことで形成されていくということ。

イデオロギーはみな同じではないのです。生まれた家庭環境や友人関係など、様々な影響を受けて私たちは生活をしており、様々な考え方を持っているのです。

だから、裕福な家庭では減税を求めるし、困窮している家庭では生活支援の拡充を求める。人によって、考え方はまるっきり違います。

そして、僕自身も(最終的には)政治的に中立な考えを持つ人間ではありません。持っているイデオロギーがあります。しかし、さまざまな考え方を取り入れて様々な視点から解説するのが、僕のモットーです。


実体性なき国民主権

国民主権は「国民の政治能力」がいなければ実態として不可能だ。では、その「政治的能力」はどうやって生まれるのか。それは学問(learning)と余暇(free time)だ。この2つがなければ、ボクら国民は政治的能力なんて持つことができない。(p306-307)
では、日本ではどうなのか。休暇がほとんどない惨めな日本人のライフスタイルでは、政治にかかわるなんて悠長なことは生涯ムリだ。ほんのわずかしかない余暇は、日頃の過酷な労働による身体的・精神的な疲労を癒すことで精一杯となる。
実質的に、政治的能力を持つことは生涯ありえない。それが日本人の一生だ。(p308-309)


政治的能力を高めるためには、まず知ることから始まります。新聞を読んだり、ニュースを見たり聞いたりする。気になったことがあればネットで調べたり、本を読んだり、話を聞いたりする。さまざまなことを調べたうえで、SNSで発信したり。

でも、上記のようなことをするのにはとてつもない労力と時間がかかります。政治について学ぶためには、余暇を使って学ぶことが必要になりますが、現在の日本はそのような余暇がないのが現状です。

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これは正社員一日当たりの平均残業時間です。日本の特に男性の残業時間は群を抜いているのが現実です。

引用元 プレジデント
https://president.jp/articles/-/19677

長時間労働で休暇がほとんどない日本人は、政治について学ぶ余暇がなく、多くの日本人が政治に興味を持たなくなってしまっている原因になっているというのです。

その結果、日本人は現状に不満であっても「しかたがない」と言って終わらせてしまっているのです。


しかたがないの国

ボクらはよく「現実的になりなさい」って言われてきた。
しかし、現実的になるとはどういうことか。
つまり、単に理想を思い描くだけではなく、その理想に向かって「現実を具体的に造り出す」ことが「現実的になる」という意味のはずだ。

しかし、日本人の場合は違う。日本人にとっての現実主義とは「上から与えられた現実に屈する」というだけのことだ。その現実に屈する際に日本人が呪文のようにつぶやく言葉が「しかたがない」だ。

こうやって、日本人は現実から逃げて、そして、政治から逃げ続けて人生を終了させるんだ。(p312)

現実的になるということは「理想を具体的に現実化させる」ことであり、「しかたないとあきらめる」ことではない、ということです。

保育士の給料が少ないのはしかたがない。
生活が苦しいけれどしかたがない。
国の若者への支援策がないのはしかたがない。

これではいけないんです。

保育士の給料が少ないから、労働組合を作って賃金交渉し、給料を上げてもらう。
生活が苦しいから、更なる支援を国や自治体に求めたりSNSで発信したりして、生活支援を厚くしてもらう。
若者の支援策が少ないから、若者の支援を厚くしてくれる政党を応援・投票して、若者支援を国会で議論してもらう。

などなど。苦しい現状を打破するためには、とにかく変えようと思う力が必要なのです。「しかたない」は思考停止なのです。


政治的に無価値なボクらが政治に参加するためには

僕が言いたいのは「自分と同じ投票をするよう大勢の他者に訴えかけなければならない」ということだ。

キミの一票は確かにゴミみたいな価値しかない。しかし、自分と同じ価値観を持つ人間がキミと同じ投票行動をとれば、それはもはやゴミではなくなる。自分自身の意思はゴミでも、その意思が多くの人々と共有化されて、集団で似たような政治行動を取れば、確実に政府に影響を与えることができる。(p316)
参政権の中心にあるのは何か。
それは、自分の政治的意思をなるべく多くの人々に伝えて、なるべく多くの人々と共有することだ。そして、意思を共有する人々と一緒に政治的行動を取り、政府に要求を突きつけることだ。その突きつける手段の1つとして投票があるだけ。(p317)
自分の意思をなるべく多くの人々と共有して、なるべく多くの人々と一緒に行動したかったら、まずはその意思をみんな同意できるような、みんなが共感できるような理念(idea)に仕上げていく必要がある。

どんな人間にも、何らかの政治的意思がある。その意思をもっと抽象的で、もっと多くの人々が共有できる象徴的な言葉にしなければならない。それが理念だ。(p318)
ボクらは何の下にまとまって生きていくべきなんだろうか。答えは簡単。それは理念(idea)だ。ボクらは、みんなが同意できる理念の下に統合されるべきではないのか。ボクらは、理念の下にまとまって世界を作り、国家を作っていくべきではないのか。

ボクらがまとまるべき理念は、同じ国に住んでいるみんなが対等な立場で意見を出し合って育んでいくものでなくてはならない。

要するに、「国民が政府を恐れる」世界を「政府が国民を恐れる」世界に変えていけばいい。

そのためにはどうすればいいか?ボクらが何らかの理念の下にまとまり、行動していく。デモでもいいし、ストライキでもいいし、ボイコットでもいいし、暴動でもいい。常に自分たちの声をパブリックに伝えていく。ボクらをコントロールしようとする上の連中を常に威圧していく。そんな世界にしていけばいいんだ。世界のどこでもやっていることだ。それと同じことを日本列島でもやればいいだけの話なんだ。(p342-344)

さて、引用が長くなってしまいましたが、僕が常々言っていることがここには書いてあります。

☑自分の理念(意見)を発信して共有しよう。
☑同じ理念を持つ人々とまとまって一緒に声を挙げよう。
☑同じ理念を持つ人々と一緒にさまざまな政治的行動を取って、為政者を威圧していこう。

しかたないで終わらせるのではなく、現状に対して意見を発信する。同じ意見を持った人々と行動して、理想を実現化するのです。

だから、僕はいつも政治を知って終わるのではなく、SNSでもいいから発信をしていくべきだと言っているのです。

各々が発信することによって、同じ意見を持つ人が集まり、その大きな声が世論となりうるのです。

その世論をもとに、われわれは声を挙げたり、ともに行動をしていくことで、現状を打開し、よりよい社会を目指していこう。

私は、そう考えながら毎日政治を発信しています。

みんなが同意できる理念、対等な地位にある人々が話し合って築き上げた理念さえあれば、その理念の下に、みんなでより良い国家や社会を作ることができる。そんなところまで、ボクら人間は進化しつつある。ボクらホモサピエンスにとって、理念こそ世界を変えていく最大の武器なんだ。(p350)


さいごに

今回は「政治とはなにか」「政治の重要性」という観点から書きましたが、本書では現代日本における諸問題についても述べられています。例えば、労働問題や、人権問題など。現代の日本が抱えている課題を見つめることができます。

政治とは何か、いま日本が抱えている問題とは何か、そしてなぜ政治が重要なのか。いまから政治を学ぼうとしている人にはとても面白いと思います。

そして、政治を学んでいる人にとってもハッとさせられるような本であると思います。

「政治的に無価値なキミたちへ」。ぜひとも一回すべて読んでみることを強くおススメします。

Kindleストアで購入することができますから、ぜひとも読んでみてください!

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