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アート × アパレル・ビジネス

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アートとファッション・アパレル・ビジネスの関係性について探る。
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2020年6月の記事一覧

中野香織『「イノベーター」で読むアパレル全史』 読書メモ

中野香織『「イノベーター」で読むアパレル全史』 読書メモ

イノベーター。ファッション・アパレル界隈では、そうした突出した革新者の出現によって、それまでとは違った世界が出現する。

ファッション。人の姿を象る。実用なのか、夢なのか、華やかなようでいて、泥臭い業界でもある。

コンサルタントとして、2013年からファッション業界の裏方、サプライチェーンや e コマース周りの支援をしてきた。製造、製薬、消費財、小売り、金融、総合商社、様々な業界、業種の仕事をし

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CG × ファッション CGWORLD 4月号の第二特集

CG × ファッション CGWORLD 4月号の第二特集

CGWORLD の第二特集のCG × ファッション特集。昔は、CGの世界とファッションの世界は、完全に分断されていたけれど、昨今のグラフィック性能の向上とCGの活用範囲の拡大によって、リアリティが求められる。その結果なのか、現実の服作りにおいて、3Dデザインが浸透(侵食の方がイメージが近い)してきた。

3D を使ったデザイン。1990年代に自動車産業が、3D CADの導入を始めた。僕の本業で、そ

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中野香織『モードとエロスと資本』 読書メモ

中野香織『モードとエロスと資本』 読書メモ

ファッションというのは、現代アートと同じように時代を写す鏡である。本業のコンサルティング現場において、企業を動かす人たちがファッションに興味が無いと言ってのけるのは、ビジネスに関する今後の展望に興味がありませんと言っているのと等しいようにも感じる。まぁ業界、業種に因るのだけども。

『モードとエロスと資本』。この3つを関連付けて書籍として読むということに興味があった。ファッション・アパレルのサプラ

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渋谷 典子
原宿1980 ─日曜日のヒ-ロ-たち─ @ Place M 鑑賞メモ

渋谷 典子 原宿1980 ─日曜日のヒ-ロ-たち─ @ Place M 鑑賞メモ

ベトナム戦争と学生運動の70年代。

バブル経済崩壊、東西冷戦終結と湾岸戦争の90年代。

その時代の狭間、1980年代を写す渋谷典子の写真展。緊急事態宣言解除を受けて、Place Mで一週間だけオープンしていた。こんな時期だからアーティストは不在だったけれど、雄弁な写真にこの年代のパワーを感じた。

1980年代は、ベトナム戦争は終わったけれどイラン・イラク戦争が始まった。ワイドショーではスカッ

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032c の トランプ-バレンシアガ コンプレックスを読んで考えたこと

032c の トランプ-バレンシアガ コンプレックスを読んで考えたこと

ベルリンの032cのマガジンに掲載されていた記事を読んで考えたことを書いてみる。この記事は、ヒト・シュタイエルの作品とケンブリッジ・アナリティカを引き合いにし、トランプとブレグジットキャンペーンがファッションから学んだことを示している。話題の中心はソーシャルメディアに。

ソーシャルメディアは新たな民主化のプラットフォームとしての仕組みを提示する。民主的に見えるソーシャルネットワークの仕組みは、そ

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