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詩の作成日記

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2024年8月の記事一覧

5 10 詩集 思想詩集 返答詩集おまけトーク(言葉の引き算)

詩集 百花繚乱
「木筆」【こぶし】

一番乗りの春の到達者
運命の占い師

風吹けば花翻り
光注げば花咲き乱れ

作物の実りを未来に尋ね
縋るものには運命さえも変えてしまう

花は幾つもの筆のよう
風に塗り 何を空に描くのだろう

見る者が信じたものは 果たして現実になるのだろうか

人々は語る言葉のないものに
想像から意味を授け 言葉を与え
ものにさえも命を吹き込む

思想詩集 夢を探して
「夢

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5 8 詩集 思想詩集 返答詩集おまけトーク(とまりぎのようでありたい)

詩集 百花繚乱
「木蓮」

木に成る花は
やがて訪れる朝陽のために蒔かれたのか

雨に流され湖に沈み
意志は受け継がれ 水面から光へと手を伸ばす蓮となり
水を移ろう旅人となり 睡蓮となる

花は散れば大地に還り
種は蒔かれれば時を越え

湖のような空から雨が降る
鏡のような川への眼差しは
この世界への愛で溢れている

空は果てしなく気高く 水はどこまでも清らかに
次の命を紡ぐように 花が目覚める

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5 7 詩集 思想詩集 返答詩集おまけトーク(意味について)

詩集 百花繚乱
「柳」

空に舞い上がれば 光の雨を落とし
時が止まれば 滝の写し身となり

泣いているのか

胸の悲しみに項垂れるのか
大地に降り注ぐ重力の奔流に倣うのか

万人のための哀卓 自由のための祈り

思想詩集 夢を探して
「たとえ届かないとしても」



必死に手を伸ばしても
光には届かない

まだ頑張らないといけないのか
伸ばした手を下ろして

雲の隙間から差し込む月の光さえ

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5 6 詩集 思想詩集 返答詩集おまけトーク(体験自体がご褒美だとしたら)

詩集 百花繚乱
「福寿草」

白い絨毯に日溜まりのような
ひっそりと芽を出す金色の瞳

眠りの中で何を見たの
思い出には何が残ったの

想い返せば全て夢
想い巡れば季節廻り

陽の光を招く
温かな目覚め

幸を願うように
何度でも春は訪れる

思想詩集 夢を探して
「その道の途中で」



茨の道を 立ち止まらないように 駆け抜けてきた
傷だらけの手足を 大地に転がした

過ぎてしまえば星みた

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5 5 詩集 思想詩集 返答詩集 おまけトーク(既にリア充説)

詩集 百花繚乱
「沈丁花」

香りは鳥を呼ぶ唄
風と響き合い彼方へ
鳥は誘われ詠い応える

安らぎと優しさを
奏でるように

束の間の協奏は
瞬く光のようで
永遠を願わずにはいられない

思想詩集 夢を探して
「その道の途中で」



考えないように 必死で生きていた気がする
止まらないように 動き続けていた

立ち止まれば闇に飲み込まれてしまいそうで
頭では分かっていても心が追いつかないまま

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5 4 詩集 思想詩集 返答詩集 おまけトーク(自分の正体)

詩集 百花繚乱
「連翹(れんぎょう)」

伸びた枝は伸べた手のよう
広げる花は羽根のよう

金色の蝶々が幾千も留まっているのか
風が呼べば一斉に飛び立ってしまうのだろうか

花々を手向けに
飛び立つ空に希望を

彼方に散る羽は
誰かの手に届くだろうか
いつか願いは実るだろうか

思想詩集 夢を探して
「進むために 失ったもの」

夢を描いて歩んでいた
明日を探して歌を口ずさむ

出逢ったものが歌詞

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5 3 詩集 思想詩集 返答詩集 おまけトーク(CDは多ければいいってもんじゃない)

詩集 百花繚乱
「桃」

梅のような気品を備え
桜のように美しく咲き誇る

桃源郷と謳われた楽園には
桃のような赤い花が幾百と咲き乱れるのか

花の宴が謳歌する時
世界を楽園に変えるのか

思想詩集 夢を探して
「進む理由」

進む理由は一つあればいい

心の奥底に秘めて
何度でも思い出せばいい

今歩いている道も
自分であることも
好きでいたい

ただ生きているこの瞬間が
目に映るものたちが

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5 2 詩集 思想詩集 返答詩集 おまけトーク(もやもやしてるーん)

詩集 百花繚乱
「梅」

雪のように零れ
衣のように舞う
雨を呼ぶ唄

風に揺れる紅と白が描く小波

雨を呼び寄せ
凛として空を仰ぐ
雫に打たれていても

波のように揺れながら

厳かにも美を求め
肌のような赤みと絹のような白さは
艶めかしい女性のようで
華という言葉は彼女のために産まれたのか

思想詩集 夢を探して
「夢を探して」

夢を探して旅に出よう

出逢うものたちに輝きと彩りを見つけて

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5 1 詩集 日記詩集 返答詩集  おまけトーク(新しい季節へ)

詩集 百花繚乱
「桜」

佇まいは女性のようで

散りゆく姿は涙のように 光のように
雨のように 溢れる心のように

春に散れば 地面に花片を敷き詰め
夏ならば若葉が踊り 秋ならば紅葉が彩り
冬ならば雪を纏い 白銀に灯るように

思想詩集 夢を探して
一章

―夢を探して―

夢という宝石を
探す旅をしている

何に出会えるだろう

期待と不安を行き来して
喜びと痛みの狭間を揺れながら

出会

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4 42 おまけトーク(励ましよりも共感)

11

詩人は詠う
言葉を紡ぎ 一瞬を描き
一条の光を 握りしめて

伸べた指先のような光の先に
受け取った人が持っていく未来に
託すために

名もなき詩人は詩を描き続けるのだろう
詩を描くということ 祈るということ
生きるための祈りを 希望と呼んで

4 41 おまけトーク(奇跡みたいな出会い)

10

雲の隙間から月明りが射し込む

生きる勇気のように
出逢ってくれる虹のように
触れた奇跡のような

どうしようもない哀しみが 言葉には表せない喜びが
混ざり合って 無音の滴となって
彼女の瞳から零れていく

詩人は歌声に背中を押されるように
人混みの中へと消えていく

夜は月明かりに抱かれていた

4 40 おまけトーク(辿り着いた普通)



歌い人は次々と歌を紡いで生きることを謡う

歌声が紡ぐ風景に
ようやく彼女は辿り着く

希望や出会えた温もりと哀しみや寂しさが
言の葉となって

音の符は調べを載せて桜のように散り
心の大地に降り注ぐ

朝陽のような勇気となり
星のような安らぎとなり

指先に触れた煌めきはどれも美しく
愛しくもかけがえのないものであり

夜の闇すらも光で彩っていく

4 39 おまけトーク(誕生日)



月が眩く光る
闇に捧げた祈りのように

雑踏と喧噪は濁流のようで
願いは届かない

彼女は自嘲気味に思う
自分は彷徨い人だと

海原で漂流し
行き先も分からない

徘徊するような足が止まったのは
歌声が聞こえたから

空を見上げて 影を見下ろし
果てを見通して 心の中の風景を詠うように

彼女は歌声に眼を閉じて
心が感じる風景に耳を澄ませてみる

安らかな風のように 心をささやかに通り
煌め

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4 38 おまけトーク(エモい花火大会)



詩が生まれ出たきっかけを彼女は覚えていない
心が何かで溢れたのは突然のことで 圧倒的な現象だった

鳥が羽ばたくように 魚が泳ぐように
呼吸や鼓動が自然なように
心に産み落とされた

夜が明けて太陽が昇るように
陽が沈んで星が満ちるように

一列なりで描かれた境目無き空と海のように
境界無き水彩絵画のように
心が世界を描き出した

出逢いの高揚や喜びだけではなく
痛みや悲しみさえも 闇をもっ

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