5 6 詩集 思想詩集 返答詩集おまけトーク(体験自体がご褒美だとしたら)



詩集 百花繚乱
「福寿草」

白い絨毯に日溜まりのような
ひっそりと芽を出す金色の瞳

眠りの中で何を見たの
思い出には何が残ったの

想い返せば全て夢
想い巡れば季節廻り

陽の光を招く
温かな目覚め

幸を願うように
何度でも春は訪れる

思想詩集 夢を探して
「その道の途中で」

茨の道を 立ち止まらないように 駆け抜けてきた
傷だらけの手足を 大地に転がした

過ぎてしまえば星みたいな速さでここまで来た気がする
ずっと足元にあったのに どうして大事にできなかったのだろう

声を上げて泣いて 流れ星が呼応するように零れて
涙が零れた先に 足元に転がる 宝石

望んだ選択ではない今でも 願い続けたから
触れることができたのかもしれない

映った過去は 数々の想い出

大事にできなかったもの 零してしまったもの
すくい取れなかったもの 全て未来にあるから

ここから始めよう 取り戻していこう
もう一度 何度でも 今日を始めよう

返答詩集 生きるための歌声
「生き方を探して」

ⅰ「変わらないもの」

自分は自分だと思えれば
生きることはもっと楽になるのに

周りと見比べて 俯いて
他の誰への優越感で ようやく顔を上げていられる

自分は自分と一緒に生きている
誰よりも分かってあげられるはずなのに

触れられないし 見えもしない 分からないことだらけ
誰かと比べて何とか手探りで知ろうとしている

たった一つの 自分の形

比べてばかりで不安になって
時間だけが過ぎて何にもならなくて

走って 転んで 焦って 彷徨って
目に見える分かりやすい出口を探して

ありふれているから
全部同じに見えて見失ってしまう

何にも手にできなくて虚しくなって
自分なんて空っぽなんだと悲しくなって

生きることも自分も
辞めることはできなくて

何を捨てても残るのは いつだって自分だった

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