5 7 詩集 思想詩集 返答詩集おまけトーク(意味について)


詩集 百花繚乱
「柳」

空に舞い上がれば 光の雨を落とし
時が止まれば 滝の写し身となり

泣いているのか

胸の悲しみに項垂れるのか
大地に降り注ぐ重力の奔流に倣うのか

万人のための哀卓 自由のための祈り

思想詩集 夢を探して
「たとえ届かないとしても」


必死に手を伸ばしても
光には届かない

まだ頑張らないといけないのか
伸ばした手を下ろして

雲の隙間から差し込む月の光さえ
疎ましかった

子どもの自分は大人を信じることはできなくて
自分さえ信じることができないでいるというのに

生きていてもいいと思える日が
いつか必ずくると信じていた

もう無理かもしれない
最初から無謀だった

倒れた身体を休める頭上に
月が微笑んでいた


見上げた空には 煌めく星たちの歌声が聞こえるようで
光達は眩く ここまで来なかったら見ることは叶わなかった

落ちてしまえば全てが楽になると思いながら
光を探していたから 見上げた空に星が瞬いた

投げ出したくなることもあった
崖を前にして 戻ろうなんて 思えなくて

自分に言い聞かせるように
選んだ道を行くしかなかった

星に見守られて泣きながら
風の揺り籠に包まれて眠る


できることを尽くして 生きているだけで
日々を超えてきていた

一つ一つの歩みが
過ぎていく日々が残した時の道標

急いでも明日へは行けない
戻りたくても昨日へは行けない

今を踏みしめて歩んでいくことしかできない
自分の力に限界を感じながら 現実に挫折しながら

歩み続けるということが
一つの希望だった

返答詩集 生きるための歌声
「生き方を探して」

ⅱ「手に残っているもの」

手を伸ばして触れたものは
失われていくものばかりだったから
本当は大事にしたかった

跡に拾ったものは
手を伸べる理由と
込めた願いだった

思い出した
眩しくも温かなものたちを
新しい出会いに託して

失った思い出が
心に蘇るように
色褪せた過去を彩る

――――――
おまけの詩
―――――

意味を探し求めたら
そんなものは最初からないから迷子になる

何処に行こうというの
何を手にしようというの

言葉を尽くしても足りない
何をしても満たせない

夜の中を彷徨うようなもの
光は何時訪れるのだろう

誰かがいなければ永遠にそう
誰がいても変わらないのかも

この世界を映し出した瞳から繋がっている
この手とこの心が触れたものは
点が波紋となって波打って 広がっていくような
今いる地点から 果てと繋がっているような

この世界を照らす朝が眩しい
朝が来ても意味なんてない

待ちわびた眩しさが
うれしいと思った

世界が色づいていくように 全てを映しす魔法みたいな
意味を授けたのは 他でもないこの心だった

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