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note3 3月になると

 『RE:プロジェクト』の作品は、東日本震災後に連載の仕事で書いてきたものです。避難所や仮設住宅にお邪魔しながら、かつての暮らし、地域のつながりなどについてお話を聞き、作品にしていきました。こうして、いま、載せていくことで、心のどこかに引っかかっていた「なにか」を改めて考えています。
 はっきり思い出せることもあれば、ぼんやりとしたものもあります。連載の最初の頃はなぜか、漢字を使うことができず、ひらがなだけの詩になりました。漢字が入っている作品は少しずつ、時間が経って、みなさんともいろいろなお話ができるようになってきた頃のものです。
 3月になると、振り返る機会も増えますね。変わらないもの。変わってしまったもの。変わらなくてはいけなかったもの。ずっと考えていること。ときどき考えていること。立ち止まること。少しずつ、前を向くこと。

【詩】#9

戸惑いを
丁寧に辿り
答えみたいなものを
探しては俯き
時々自分が
一番後ろを
歩いているような気になる

やさしさは
あとどれくらい残っている?

親に会うのが気まずい
子どもに会うのが気まずい

今日もまたわたしを続ける
わたしを始めてしまう


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