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短歌に出合った日

10月2日、夜。特にすることはなくて、あとは寝るだけだけど、まだ寝るには早いような22時過ぎ。本当に何も考えずにテレビの番組表を眺めていた。

「歌人」その言葉に妙に惹かれた。情熱大陸だった。短歌という今までと無縁のものを、本当に何故だか分からないが録画した。暇だったので当然リアルタイムでも視聴した。

番組が密着していたのは木下龍也さんだった。番組の中で紹介される歌のひとつひとつが自分の心の奥底に入り込んでくる感覚があった。凄い、ただそれだけの感想だった。

一晩経っても感動は醒めなくて職場の先輩にかなりの熱量で情熱大陸の話をした。「昨日の情熱大陸見ました?短歌を詠む木下龍也さんって人で…」と言ったら「短歌?」と明らかに興味なさそうな反応をされた。「短歌でどうやってお金稼いでるの?」と言われたので「歌集出したり、あと『あなたのための短歌』っていうのを一万円ぐらいでやってるらしいですよ」と言うと「一万円!?えー」と心底理解できないというリアクションをされてこの話は終わった。

別に先輩を責めているわけじゃない。自分の職場はごりごりの理系だし、自分も情熱大陸を見ていなければ同じリアクションをしていたかもしれない。ただ、なんというか悔しかった。この感動を誰かと分かち合いたかった。

その日、家に帰って繰り返し情熱大陸を見返した。何回見ても感動が薄れることはなかった。そして、そのうち自分でも詠みたいと思うようになった。自分にもやれるんじゃないかと思ってしまった。

パソコンのWordにとりあえず57577の音を並べ続けたがしっくり来なくて、何かテーマを決めて詠もうと思った。それが今も続けている #記念日を詠む だった。第一回目は10月4日。奇しくも誕生日だった。

天使と母は褒めるけど良い子ならこの世には産まれ堕ちなかった

今見たら変なところで区またがりしてリズムががたがただけど、これが自分が一番最初に詠んだ歌だった。

この歌を誰かに見せたくて人生でほとんど使ってこなかったTwitterを始めた。少ないけどいいねをくれる人がいて、フォローしてくれる人がいて、自分の歌は誰かには刺さっているのかもしれないと思えた。勘違いかもしれないけど、でもその勘違いのお陰で今でも短歌を続けることができている。

木下龍也さん、フォロワーのみなさん、ありがとうございます。今の自分がいるのはみなさんのお陰です。これからも勘違いしながら詠んでいきます。

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ぽこまる(外村ぽこ)
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