双極性障害とつきあう②
2023年3月
「抑うつ状態」の診断で、休職することになった。
毎日、ただ時間が過ぎるのを待つだけ。
これまで、いかに自分が走ってきたかを自覚した。
うつの主な症状は、不眠や食欲不振、気分の落ち込み、疲れやすさなどがある。
私が経験した症状も併せて紹介すると。
こんなかんじだった。
とにかく、希死念慮が辛かった。
毎朝目覚めるたびに、「今日も起きてしまった」と思う。
大好きなドラマもYouTubeも、頭に入らない。
心が、感情が動かない。
あるのは、
「あぁ、自分には生きている価値がないな。」
「早くしにたいな。」
その気持ちだけ。
気付けばしっとりと涙が出ていて、
そういえば歯を磨いてないな。顔はいつ洗ったっけ。
今は何ご飯を食べているんだろう。
そういう生活になった。
驚いたのは、食欲が止まらなかったこと。
うつときいてまず浮かぶのは、不眠と体重減少だった。
私の場合は、毎日とにかく眠くて怠かった。
食べている時間だけは、嫌なことを考えなくて済んだ。
だから太った。2ヶ月で8㎏太った。
出前館がお友達だった。
眠くて、過食だった。
新しい文献を見ると、「不眠または過眠/体重減少または増加」と記載されているものもあるので、
私みたいな人もいるんだと思う。
当事者にも、家族にも、知ってほしいのは、
必ずしも典型的な症状ばかりではない。
眠れている/食事が摂れているからといって健康とは限らない。
あなた自身をみてほしい。
ってこと。
休職し始めて2週間が経つ頃、
1年遅れのWBCが始まった。
ミーハーにも、全試合見てしまった。
(元々高校野球は好き。プロ野球は見ないけど…)
こんなに頑張っている人がいるのに、自分は何をしているんだろう。
そう思う反面。
こんなに頑張っている人がいるなら、自分も頑張れるはず!
そう鼓舞する自分もいた。
大谷翔平くんに関する本を
アマゾンで物色したりもした。
でも、私に必要なのは誰かの言葉ではなく、
自分自身の力で這い上がることのような気がして。
今は、身体がいっている「休みたい」を受け入れることにした。
生活は変わらなかったけれど、
はやく仕事に戻らなきゃ!自分の価値がなくなる…!と
焦る気持ちが減った分、楽になった。
4月も後半になると、自然と動きたい気持ちが湧いてきた。
太った分を取り返したい。
でも一人じゃできる自信がない。
近所のパーソナルトレーニングを検索し、申し込んだ。
GW明けから週2回のトレーニングが始まった。
「どうなりたいですか?」
おそらく、いや、絶対。間違っているけれど。
『元気になりたいです!』
初めは戸惑い顔だったトレーナーさんも、
理由を話すととても親身になってくれた。
トレーニングは、行くまではしんどい。行ってもしんどい。
でも、終わると心身ともにすっきり気持ちいい。
休まずに通うことができた。
徐々に気持ちも前向きになり、
あんなに辛かった希死念慮は一切なくなった。
むしろ、どんどんトレーニングにのめりこみ、
朝は5時起き。食事はきっちり栄養素を計算して摂るようになった。
規則正しい生活ができるようになり、
うつの症状も改善したため、
6月には復職することができた。
うつに勝った!!!
そのときは、本気でそう思っていた。
主治医に復帰したことを伝え、通院も卒業となった。
これが、ただの躁転だったと気付くのは、
数ヶ月も先のこと。
今日は、ここまで。
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~参考文献~
これだけは知っておきたい双極性障害 躁・うつに早めに気づき再発を防ぐ!ココロの健康シリーズ 発行人:佐々木 幹夫 監修:加藤 忠史 発行所:株式会社 翔泳社