双極性障害とつきあう⑤
2024年3月
二度目の、抑うつ状態の診断を受けた。
当たり前だが、
病院へ行っただけでは、気分は改善しなかった。
ぼーっとした頭で、
これまでのことを思い出していた。
”あんなに元気で楽しかったのに。
やっとの思いで復活できたのに。
なんでこうなっちゃうの……。”
繰り返すのには、なにか理由があるはず。
辛い。苦しい。誰か助けてほしい。
いてもたってもいられず、
カウンセリングが受けられるクリニックを検索、予約した。
いわゆる、セカンドオピニオンだ。
これまでの経過をノートに書き綴っていく。
できるだけ正確に。
<現状、何に困っているのか>
●希死念慮が強く辛い
●日常が過ごせなくなって悲しい
●仕事に行きたいのに行けない…等
<経過、いつから症状があったのか>
●昨年の抑うつ状態は3ヶ月で脱した
●そのあとは元気だった(たくさん出掛けた。お金を使った。等)
●年末~年始にかけて抑うつ状態が始まったこと…等
<どうしたいか、どんな治療を望むか>
●カウンセリングを受けて自身の思考を整理、修正したい
医療従事者というプライドか、
元々の真面目で几帳面な性格が作用したのか。
とにかくノートいっぱいに書いた。
そして、気づいた。
「もしかして私、双極性障害じゃない?」
元気だったのは 治ったのではなく、
躁状態の症状だったのでは…と疑問が浮かんだ。
すぐさま双極性障害について調べた。
自身の症状と照らし合わせてみる。
あまり自覚のない項目もあったが、
あてはまるものも確かにあった。
それもそのはずで、
ネットで上位に出てくるものは、Ⅰ型の情報が大半だった。
前医を受診してから5日後。
新たに予約した病院へ向かう。
安定剤を1錠飲んだ。
ぱっちりとした目にさらにまつエクをして。
爪はネイルでキラキラ。
髪もところどころにメッシュが入っている。
とても綺麗で、個性的な女性医師だった。
ノートを見ながら説明する私の声を聴きながら、
カタカタとPCに打ち込んでいく。
話し終えると、まっすぐにこちらを見て。
「よく自分を理解していますね」
柔らかな声色で、そう言ってくれた。
そして、
「ぽこさんは、双極性障害だと思います」
そう、告げられた。
嬉しかった。
病気なのか。
なんだ。
じゃあ、治るじゃん。
それが、第一印象だった。
先生の説明はこうだった。
双極性障害は、エネルギーのある30~40代に好発しやすい病気で、年齢とともに病状は落ち着いてくる。
だから今が1番辛いけど、今だけだから。
必ずよくなるから大丈夫。
絶対にまた仕事ができるよ。
また、
希死念慮を心配され、入院をすすめられた。
病名が発覚した今、不思議としにたい気持ちは消えていて、
前向きに治療したいと思った。
だから、入院はしなくても大丈夫だと、思った。
環境を変えるのも不安だった。
とにかく今は、働きたくて仕方なかった。
処方されたのは、
【炭酸リチウム】
双極性障害の第一選択薬だ。
気分を安定させる薬。
400㎎/日から始まった。
【レンボレキサント錠】
睡眠薬だ。1回5㎎。
できるだけ夜は寝て、日中起きる生活をするように勧められた。
手持ちの精神安定剤は、
用量を守って、必要なときだけ飲んでねといわれた。
次回から、カウンセリングを開始することになった。
セカンドオピニオンを受けて、
もやもやが腹に落ちた。
ずっと曇っていた心が、
信じられないくらいに晴れていた。
自宅に戻り、母と姉に電話で伝える。
「私、双極性障害だったよ!」
今日は、ここまで。
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