想像していなかった10日間の話。|【私を変えたヒト・モノ・コト】
(4017文字)
⚫︎ 2024年10月20日(日)。
この日からの10日間、私の周りで予期せぬ幸せなハプニングが続いた。
心の中がごおごお音を立てて、何かが変わる体感。
遡ってみると、それまでの私はテレビをつければ「いいなぁ...」、SNSを開けば「羨ましい...」、と常にソトへの羨望とウチへの劣等感を膨らませていた。
そもそもずっと昔から、自分の気持ちを見つけることが苦手だった。なんなら、自分のことが分からなかった。胸の内のあたりがスライムみたいなわたあめみたいな... (で伝わるでしょうか...?)いつもぐにゃぐにゃフワフワで、好みやスタイルも激変するので、「カメレオン」というニックネームがついたこともある。
そんな私が最近、生まれて初めて、何かが固まってきたような感覚になっている。思い返せば、事の始まりは「衝撃の10日間」より少し前から始まっていた気がする。
【私を変えたヒト・モノ・コト】
・「読書の楽しみ」との出会い
8月下旬、中学時代の恩師から本とお守りが届いた。
「人生フルーツサンド -自分のきげんのつくろいかた- /大平一枝 著」
活字が苦手だと思っていたのに、読む手が止まらない。むむっ、面白い。日常を愛おしむヒントが詰まってる。仕事を辞め、療養中の私へのエールのような気がして、嬉しくて温かくて、気づけば本の世界に目覚め始めていた。
同じ頃、敬愛する伊集院光さんの「100分で名著(NHK)」にハマったのも、無関係ではないような気がする。
・V.フランクルとの出会い
これについては、以前の記事を↓
・大島梢絵さんとの出会い
私はSNSが苦手だ。正しくは、“だった” 。誰とでも簡単に繋がりやすいこの時代、不器用な私は、情報の波に呑まれてしまいそうな気がするから。でも「好きな本のことならSNSも楽しめるのでは?」と始めたのがインスタの読書垢。そこでの衝撃の出会いは、大島梢絵さんだった。写真のステキな世界観と、しなやかで芯のある文章に惹かれ、すぐに大ファンに。私の憧れ。「こんな生き方してみたい!」が詰まっていて、私の理想を具現化されているような方だ。私の「好き」は割とブレる。でも、彼女のスタイルやセンスやご夫婦の空気感は、自分の未来の明確なビジョンとして、心に深く刻まれている。
彼女のご主人との出会いがなんともロマンチックだ。
話は変わって、私は人見知りだけど、友達が欲しい。でもまずそもそも、自分で自分のことがわからない。そりゃ友達だって、これまでだって、みんな私のことがわからず戸惑っただろうと思う。だから自分史を書こう、どんな人間かを示した上で、お友達になってくれる人を募集しよう。それは実は、彼女のご主人との出会いからヒントを得ている。
noteを始めたのも、彼女の影響が大きい。私の人生の大きな軸の一つに「いつか文章を書くことを仕事にしたい。1冊でも本を出版したい。」というのが加わったのも、また然り。
そんなこんなで、無職、療養中、家にこもりっきり、の私の生活はごおごお音を立て始めていた。
⚫︎ 運命の10日間の話。|呟日記 10月20日(日)〜30日(水)
さて、その10日間の話。私が習慣にしている「呟日記」風に、書き出してみようと思う。
・10月20日(日) 散歩
夜散歩。目的地もなく、ただただ歩いてみる。ちょっとしたゲーム感を自分に課してみる。ルールはひとつ。「信号が青になった方に進む」。なんだこのワクワク感。楽しい。夕飯の匂いが漂ってくる住宅地。あぁ、Wちゃんに会いたいな、とふと思う。連絡するとすぐにお返事が。明日会えることになった。9ヶ月ぶり、音信不通の私を受け入れてくれて嬉しい。気づけば2時間半も歩いていた。
・10月21日(月) 再会
Wちゃんと再会。改札を出て、彼女の顔を見た瞬間、涙が溢れた。何も言わずにぎゅっとしてくれる優しさがあったかい。選んでくれたお店は、彼女が辛かった時に連れてきてもらった場所だそう。幸せの連鎖が嬉しい。驚きの事実が発覚。フランクル、藤井風、ドイツのおもちゃ。離れていたのに、たくさんの点と点がまっすぐに繋がった。明日、ある場所に一緒に行こうと約束。
・10月22日(火) 運命
彼女にいざなわれ向かったのは、ドイツのおもちゃに溢れたコーヒースタンド。感激。実は今夏、NHK「世界はほしいモノにあふれてる」で目にして以来、私が虜になっていたまさにその会社のものだった。運命だ、と思った。番組を観てすぐ、この会社の販売店にアポなしで突撃していた。「感動しました!ここで働きたいです!」。レスポンスはいただいたものの、未だ保留状態。「動くなら今だ!」、改めてそう思いながら、カフェのオーナーさんとの不思議な巡り合わせにも感動し、心震わせ2時間歩いて帰宅。
・10月23日(水) 咀嚼
朝一番で、例の会社に電話。ちょうどこちらからもご連絡するところでした、とのお話。嬉しい。来週の月曜に総務の方との面会が決まった。この数日間の感動をアレコレ母に話す。頭の中が整理される。心のモヤに輪郭が見える。爽快。号泣。夜は、大学の先輩とのご飯。2度目ましてなのに、心地よくて楽しい。人見知りの私にとっては、おもいがけない体感。ここ数日、いろんなことが咀嚼され、ポジティブに変換されている実感がある。
・10月24日(木) 抽出
バケットリストを始めることにした。「死ぬまでにやりたい100のこと」かぁ、100個もあるかな?と思いきや、一気に96個も出てきた。案外やりたいことってたくさんありそうだ。そして全部やるには、案外人生は長くはなさそうだ。好きなnoterさんを見つけた。思慮深くチャレンジングで、会って話せたら楽しそうだなぁと思う。髪をバッサリ切ってパーマをかけた。またもや爽快。「アメリ」みたいなのが今の気分みたいだ。
・10月25日(金) 特別
ものすごく久しぶりに新宿に行く。人混みや満員電車が苦手で、しばらく足が遠のいていた。GAPで試着、試着、試着。最高。久しぶりに服を買った。いろんなファッションに迷走してみたけど、今の、そして変わろうとする私のスタイルはコレだ!、と思えたことが何より嬉しかった。今夜は家で手巻き寿司。パーティーでもないのに、というのがまた特別。
・10月26日(土) 堪能
1日中「書くこと」を堪能した。手書きで、デジタルで。過去のこと、今のこと、未来のこと。思う存分自分を大事にしている感覚があって、幸せだなぁと思う。自分史を書いてみることにした。大切な友人に読んでもらう。想像していなかった言葉に包まれて、涙。ここ数日いろんなことに心が動いて、なんとなく恋をしてる気分に似ているような。恋っていいな。ホントの恋もしてみたいような。
・10月27日(日) 嘲笑
初めてのコミュニティに飛び入り参加。いろんな世界があることを肌で感じた。コンサバがどうだとか、正統派は嘲笑されるとか、そういう単純なことじゃないんだな世の中は。あなたは優等生だよねと揶揄されるような過去を重ねて、異空間や違和感の中でこの気持ちをどう表そうかと考える。
・10月28日(月) 情熱
会社訪問のお約束の日。緊張よりワクワクが先に立つ感覚。心臓の高鳴りで自分の気持ちを知る。楽しみ。嬉しいハプニングで、急遽社長との面会と相なった。なんというサプライズ。予想の何十倍ものパッションで心が通じる温度を感じる。濃くて熱くて嬉しくて、夜はカツカレーになりました。
・10月29日(火) 音楽
音楽って不思議だ。歌詞にフォーカスすると、誰かを疑似体験したり、自分の未来を旅したりする。メロディにフォーカスすると、過去にひょいっとタイムスリップしたりする。NHK MUSIC SPECIAL「竹内まりやMusic&Life」に朝からグッときて、出発。2日連続の会社訪問。言葉以上に伝わってくる空気感が心地よかった。
・10月30日(水) 感動
今朝方5時。昨日一昨日のことが夢の中までも嬉しくて、ベッドから飛び起きる。ちゅんちゅん鳥の声と、薄ら明るく差す朝日と一緒に、久しぶりに万年筆にインクを入れる。この書きごこち懐かしい。想い、届くといいな。電車の中で友人のメッセージを読んで、号泣。生まれて初めて車内であんなに泣いた。感動で泣いた。あっ、私はいま心のままに生きられてる、と思えて嬉しかった。
⚫︎10日間を経て。
上記が私の10日間の出来事。夢見心地で走りぬけて、気がついたら空から誰かのストーリーを眺めているような爽快な気分になっている。
この体験から思うのは、「受け身で待つ」のではなく、「無で感じ動く」ことの大切さ。頭ではなく、心で感じること。
人間万事塞翁が馬はあれど、少なくとも今はぐにゃぐにゃだった心も、地から浮いていた足も安定してきた自信がある。
あまりに当たり前に私の一部になりすぎて特筆しなかったけれど、私の人生の宝物は、家族、数少ない理解者、そして音楽。
家族に、生んでくれて、育ててくれて、信じてくれてありがとうと心から伝えたい。
こんなぐにゃぐにゃな私を理解しようとしてくれる人たちに、出会ってくれて、見守ってくれてありがとう、と伝えたい。
そして、私を支えてくれた音楽たちに、生かしてくれて、救ってくれてありがとうと伝えたい。(最も大きな愛と力をくれた竹内まりやさんと藤井風さんが、先週今週と2週続けてNHK Music Specialに登場したのは、きっと神様からのプレゼントだと思っている。勝手ながら。笑)
#想像していなかった未来 。まだまだ私は大変革の真っ只中だし、これからもきっとイロイロある。でも、年を重ねて振り返った時、真っ先に思い出すのはおそらくこの10日間のことだと思う。