【連載小説】もし、未来が変えられるなら『4話』
入院する前、時系列はまた前後するかと思うけど、僕にはすごく怖い体験をした記憶がある。世界が壊れていることにまだ気づかなかった頃、僕は自宅のリビングルーム隣にある畳の部屋にいた。両親とどこかに出かける話になった。両親は支度を終え、もう家から出ようとしていた。僕も慌てて着替えて、両親を追った。「待って」と、部屋の奥から玄関に続く廊下へ両親が向かって歩いていくのを制した。両親はその声を聞いて戻ってくる。でもここでおかしなことが起こった。戻ってくる両親は、振り返ってこっちを向いて歩