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【連載小説】もし、未来が変えられるなら【完結】

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1話ずつ投稿していたものをまとめました。 精神疾患の苦しみや、なった人にしかわからない世界を普通の人にも知ってもらいたい。そして、今、つらい人にどんなに壊れても治るってことを伝…
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#創作大賞2024

【連載小説】もし、未来が変えられるなら『1話』

『もう、戻らないと思っていた』    僕は、もう壊れてしまって、元には戻らないと思っていた…

【連載小説】もし、未来が変えられるなら『10話』

 あの時、どんな行動が最適で、どんな言動が正解だったのか、今でもわからない。結果、僕はな…

【連載小説】もし、未来が変えられるなら『9話』

 入院する前、また時系列はわからない。僕は薬をもらいに近くの精神科に行った。カウンセリン…

【連載小説】もし、未来が変えられるなら『8話』

 時系列はまた前後する。入院生活で、食事が怖かったように、入院する前も家族との食事が怖か…

【連載小説】もし、未来が変えられるなら『6話』

 なぎと今度デートする。近くの比較的大きい駅で待ち合わせをした。僕は早めに支度をして家を…

【連載小説】もし、未来が変えられるなら『5話』

 渚と付き合うようになって、LINEを頻繁にやりとりするようになった。渚の文章は短文だし、そ…

【連載小説】もし、未来が変えられるなら『4話』

 入院する前、時系列はまた前後するかと思うけど、僕にはすごく怖い体験をした記憶がある。世界が壊れていることにまだ気づかなかった頃、僕は自宅のリビングルーム隣にある畳の部屋にいた。両親とどこかに出かける話になった。両親は支度を終え、もう家から出ようとしていた。僕も慌てて着替えて、両親を追った。「待って」と、部屋の奥から玄関に続く廊下へ両親が向かって歩いていくのを制した。両親はその声を聞いて戻ってくる。でもここでおかしなことが起こった。戻ってくる両親は、振り返ってこっちを向いて歩

【連載小説】もし、未来が変えられるなら『3話』

 布団もびしょ濡れだったのだろう。帰ると部屋のど真ん中に布団が干されていた。ビショビショ…

【連載小説】もし、未来が変えられるなら『2話』

「何描いているの?」渚が初めて僕にそう聞いてきた。 「渚の顔」 「!? え? 私?」 「…