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協働作業はフェラーリチームから学べ

最近、というか、この4,5年、

さ、みんなでやってみましょう

という「話し合う・教えあう」って形式の協働学習(作業)が流行っております。

学校でも会社でも「主体的な取り組み」として協働作業というのを大事にしているようです。授業でも研修でも生徒・参加者同士が何かをし合うという形式のことです。

協働学習ブームがやってくる

教えあい研究(←という言葉はありません)というのは80年代頃から異様に盛り上がり、その中心となったのはロゴフ先生とかエリス先生などなどアメリカの認知心理学会の巨匠達です。

それはそれで本当に多くの研究をしました。

子供同士で教え合う
大人(親)が子供に教える

などなど。

でもね、生徒・参加者が話し合い、協働で学ぶことによって何を得ることが出来るのでしょうか?

「教えあう」ことで得られる結果は実験によってバラバラなんですね。この学習効果を認知系の専門用語では認知発達と呼んだりします。しかも一貫して「効果がある」という結果にはならないのでした。あるときは効果がある、ある条件では効果がない・・・

学びあうとか協働学習というプロセスは非常に複雑怪奇なものでござる。

当事者意識というのが実は重要だったりする

とは言っても「教えあう」というのは微妙という流れで終わってしまうのは寂しいので、協働学習が効果を発揮するなる条件についてご紹介しますね。

まず、以前の記事でも紹介したように、協働学習が効果を持つのは

共通の目標を持つこと

だと言われています。もうちょっと専門的には、

課題の定義と共通意識を持つ

となっております。

そして、さらに重要なのは!

当事者意識

だったりします。

つまり、「さ、みんなで話し合ってください」の言葉だけでは協働学習が機能しないんですね。

グループの中で話し合っていても、カタチだけ参加では学習効果ないんですね。

「教えあう」という学習形態が機能するためには、自分もグループの一員として共通の目標のために活動しているという意識、つまり、責任感だったり当事者意識が必要だったりするんです。

病院がフェラーリチームからチームワークを学ぶ

じゃ、最強の協働学習の例って何なの?

という質問を良く受けるのですが、私の答えはこれ。

フェラーリチームはなぜスゴいのか。どんなにスゴいってこれを見て下さいよ。

(25秒あたりから)

何秒かかっていると思いますか? 6秒!

何人いますか? 画面に映っているだけでも15名以上!

たった数秒の間にこれだけの人が協働作業出来るのが驚き。しかし、最初にご紹介した話では

共通の目的意識と責任感

が重要ということでしたね。このフェラーリチームはそれぞれが責任感を持ち、勝利という共通目標のために働いているのです。

さらに、ロンドンにあるGreat Ormond Street Hospital for Childrenという病院は、ICUと普通病棟の連絡が上手く行かず、病院がチームとして機能しないという悩みを抱えていました。

ところが、ある日この病院の医師がたまたまテレビを観ていたところ、F1が放送されていて、このフェラーリチームの超絶チームワークに感動したそうです。

F1という全く畑違いの人々からチームワークについて学び、病院のチームワークが劇的に改善した例です。これは事実です。

病院であろうと、学校であろうと、フェラーリチームから学ぶ事は多いですね。

まとめ

今回は「教えあう」という協働学習が機能するためには、共通の学習目標と学びに対する責任感を持つことが重要という話をしました。

そしてロンドンの病院がフェラーリチームから最強のチームワークについて学び、取り入れたという事例を紹介しました。

「教え合い」(協働学習とかアクティブ・ラーニング<死語>)というのがちょっとしたトレンドになって

さ、やってください

という生徒・学習者に丸投げ事件が多発しておるようです。(当社調べ)

今回の記事で紹介しましたように、協働学習が効果を生み出すには

自分も学びの一員ですよ

という当事者意識がめちゃくちゃ重要なんですね。

ーーーーNBーーーー
このことについて書いている論文によると、責任感と計画性は相関的なものであり、因果ではございません。ただ、観察から得られた結果、そうだというものでございます。

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