農業を通じて地元を元気にしたい!(有)フレッシュ吹上黒川農園さん
日置市吹上町にある(有)フレッシュ吹上黒川農園を取材しました。
今回は3代目にあたる黒川 裕司さんにお話をお伺いしました。
黒川 裕司さんのプロフィール
1. 働きだした頃(大阪の1年間そして鹿児島の4年間)
高校卒業後社会人としてまだ右も左も解らない中、調理師見習いとして大阪の地で働いていました。その時、お店の食材は市場や中卸業者からの仕入れではなく農家からの直接仕入れをしており、産地の農家さんと繋がっていました。
そこでいつも考えていた事は「食材の良さをお客様に直接言葉で伝えられる、そんなレストランならいいのに!」それなら生産者と消費者がもっと近くなり、より安心・安全、そして食材の素晴らしさをお互い確認できるようになるのじゃないかな?
そして大阪から鹿児島に帰ってきて、調理師として働くうちにいつか自分で作った食材を食べて頂ける安心安全なレストランを作りたいと思う気持ちが強くなっていきました。
就農したきっかけはこれだったのでしょう!
2. 当初苦労したこと
黒川農園は柑橘の生産がメインで就農してからは、どの木が元気が有ってどれが元気が無いのか全く解りませんでした。
元気が有る無しは果物の出来に大きく影響して、手入れの仕方も全く違うのだということを祖父や父から教わりましたが、就農後に農業大学で勉強したのは机上論で実際の農業とは違うところが多かったように思います。
このことを祖父や父は長年の経験から感覚で解っており、木の姿を見ただけで良い果実をつける木とそうじゃない木の区別がつけられるのだと理解しました。
剪定の技術も実を付けてもいい枝と付けさせない枝を解った上で剪定を行わなければならず、10年経った今、ようやく解ってきた気がします。その木を活かすのも選定作業で50%は決まるといっても言い過ぎでは無いと思います。
施肥も同様でこの木には何が足りないのか、葉や枝を見れば大概の事が解るようになってきました。
3. 現在の活動状況
鹿児島農業青年クラブ(会員300名)の県会長に30歳の時に就任して3期3年にわたって活動をしてきました。
この時に理解しあえる農業従事者と交流し勉強をしてきたことが、今の財産になっています。その時の仲間の方々とは柑橘の更なる質の向上を目指して情報交換を行いそれぞれが切磋琢磨しながら、将来の為に努力しています。
自家製の堆肥や酵素を使った農業、継続して循環させるいわゆる「SDGs」を目指しています。
堆肥や酵素は異業種の水産業の方々から魚の屑などをもらってきて作ったり試行錯誤を繰り返しています。
果樹農家のつながりで「自分たちが目指す柑橘をつくろう!」を掛け声に、佐賀・長崎・出水・長島の同世代の農家と情報交換をしながら目指す柑橘を生産するべく従事しています。
自分たちが目指す柑橘は「糖度+酸度+うま味」のある物で、今よりも更に高付加価値の柑橘です。
4. 今後の夢
大阪で働いていた頃に感じた事をいつか実現したい。
調理師としての感性を最大限に活かしながら素材の持つ強みを引き出せる食を提供したい。そして食材全てを生産から料理に至るまで自分の目で見て感じたことをお客様に伝えたい。
そうすれば生産者と消費者により密接な関係性が形成され、より良い農業の未来につながると考えています。
丹精込めて作ったみかんを認めてもらいたい、その為にブランド化を進めることは必須の条件だと思っています。加工品のストレートジュースなど自社で製造し、青果のみかんがない時期もイベントなどで積極的に販売して認知度を高める工夫もしています。
現在「シラヌイヌーボ」や「三柑王」など製造しています。
将来は日置のみかんといえば「黒川農園」の名前がすぐ出てくるように最高の柑橘を作っていきたい、そして地元が元気になるように農業従事者全員で志を高く持って農業に勤しんでいきたい。 そう考えています。
注釈【農業青年クラブ】
5.会社概要
(有)フレッシュ吹上黒川農園は、南国鹿児島の薩摩半島ほぼ中心に位置し日本三大砂丘のひとつ「吹上浜」と東シナ海を望む風光明媚な丘の上にあります。
この地で半世紀近く、親子、孫の三世代で1玉1玉まごころ込めて丁寧に育てています。
安全で安心な最良の果実をお届けするため、自家製たい肥や酵素などを使用し、人と自然に優しい農業を行っております。
南国の太陽と東シナ海の潮風を浴びてすくすくと育った木から収穫する、みずみずしい果実をぜひご賞味ください。
■日置市の農家さんのみなさん
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