発達障害だと本当に困るのか?#2
自他共に認める「おそらく発達障害があると思う」私の元カレ①のお話の後編です。
なぜ困っていなかったか
ありがちな話ですが、自分の興味が満たされたら満足だったので、本人自体に「調和」の概念はなかったそうです。
周りになんと思われるかという視点が全くなかったので、周囲に多少嫌われても特別なんとも思わなかったそうです。
相手の感情がわからないとは違うようで、「嫌なら仕方ない」という気持ちだったようです。
ですが、本人は相手のことを好きも嫌いも、特に何も思っていないので、また少し経つと周囲とは馴染んでいったようです。
そんなことを繰り返していると「こいつはそういうヤツだからな」という変なヤツポジションを獲得することに成功し、なんとなく笑って許される状況になっていったそうです。
勉強について
彼は多くの人が名前を知る大学を出ていたし、私よりずっと頭は良かったです。
勉強はもともと好きではなかったようですが、ある時学習しないとまずい!と感じるタイミングがあったようで、中学に入ってからは塾にも通って勉強したそうです。
これもきっかけがあったわけではなく、「勉強しないといけない」の、意味が分からなかったようですが、そういうこと!!???と感じた時があったそうです。
さらに、趣味の延長から好きなものを学ぶためには勉強しないと大学に行けないのだということを知ると、さらに集中力を高めていったようでした。
自尊心が低くなかった理由
なんでこんなに子ども特有な無敵感!を持ったまま過ごせたのか?
おそらく彼のご両親の影響だと思います。
何度かお会いして、実家にも泊まったことがありましたが、とにかくおおらかで、息子に対しての信頼感にあふれたご両親でした。
成人した息子でも、彼がやりたいと言ったらそれが応援したいことであればできる範囲で応援してくれましたし、「お前がそういうんだったら仕方ないね。苦笑」みたいな話をよくしていました。
彼の性格をよく理解しているんだと感じました。
子どもの頃も、自然が大好きだったので、彼が行きたい山や海に連れて行ってくれたそうです。
親がやらせたい、行きたい…ではなく、彼発信でやりたいことをやらせてもらったというエピソードをよく聞きました。
職場では
彼は、遅刻もするし、間違ったことがあれば先輩でも上司でも忖度せず言ってしまうし、大丈夫なの⁉と、見ていて不安になることはありました。
彼自身、3年くらいはうまくいかないし、仕事が面白くなくて身も入らず悶々とした日々だったように見えました。
コミュニケーションが苦手なタイプではなかったので、3年もすると周囲とも馴染んできて「しょうがないヤツ」のポジションをまた獲得できたようです。
そうこうするうちに、仕事に関する法律の勉強などを始め、だんだんとその分野に詳しくなり、持ち前の突き詰める性格が作用してどんどん楽しくなっていっているようでした。
いろいろとあり、彼とは終わってしまいましたが、今はとても人間的な魅力のある人だったと感じています。
たまに連絡を取りますが、今も趣味を広げながら突き進む彼は面白い人です。
(それゆえに、金銭管理などはびっくりするほどできてませんでした 笑)
多動などはある程度の年齢で落ち着くというのも、当の本人から聞くと本当にその通りのようでした。
あるところまで周囲から見たら困った子と見えていても、本人は困っていないですし、どこかの通過点を超えるとそれが才能のように開花することもあるのではないかと思います。
発達を指摘され、何が正解かわからず、手探りで進む子育ては本当に大変だと多くの保護者の方を見て思っていましたが、考えることは大切ですが、正解は?最良なのは?にこだわりすぎなくても大丈夫なのではないかと思いました。
みんながみんなそうではない、それは十分わかっていますが…私自身が、あまりにも個性が強すぎる人と付き合ってきたことで、人生なんとなくうまくいくんだろうな、と思えました。
型にはめすぎると、個性が薄まってしまうのかもしれませんね。
お読みいただきありがとうございました。
すべての方に当てはまる内容ではないと思いますが、書いてみました。