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発達障害に真剣に取り組んで離れた話 #1

市町村保健センターの保健師として13年務めた私ですが、職場を変えても13年間1年も離れず担当したのが、発達支援でした。
年の離れたいとこが発達障害でもあり、「専門職として」「身内として」発達障害に関わってきた私が、発達支援から離れることにしたお話です。

保健師学校で習ったこと

まず、保健師がどの程度発達障害について習うのかというと…ほとんど名前だけです。
(…15年近く前なので、今は違うかもですが)
そして、保健センターでどんなことが行われているかというのも、実習日に教室開催日が当たれば見ることができますが、ほとんど知らないまま就職することになります。

現場では

今、保健センターの業務の大部分を占めているのは「母子保健」ですが、母子保健の中でもやることは分けられていますが、乳幼児健診で「疑いがある子を発見する」という業務に関わる保健師は多いと思います。
さらに、「発達に関する相談」と「親子教室の運営」は担当を任された人は携わることになりますが、たまたまこの業務の担当に当たらなければ、「発見はできる」「簡単なお話はできる」という方が多いのではないでしょうか。
(人口規模や体制によっては違いますので、そのあたりはご容赦ください)

私の場合

私は1年目から辞めるまで、基本的には母子保健ベースのお仕事+メンタル関連・災害対策・特定保健指導…といった形で、仕事をしてきました。
1年目、親子教室のサブ担当になりましたが、始めは会場を走り回る子どもを止めるものなのか、走らせておいていいのか、というかここで何したいの⁉という状態で始まりました。
小児精神の先生や心理士・言語聴覚士と仕事をしながら、少しずつ発達障害の知識を積み上げていくことになりました。

保健師がしていること

私は健診や教室で「推理と答え合わせ」をしていました。
「なんでこの行動をするのか?」という仮説を立てて、それを立証するような作業です。私はこの流れがとても楽しかった。
仮説を立てるにあたっては、その子のことを知らないとわからないので、普段の様子や、困りごと、成長したことなどをたくさん聞いて、なぜそのような行動をしているかを考えます。
そして、仮説を立てた上で答え合わせを行います。
教室内で検証してみたり、家庭でこんなことをしてみてくださいとお願いしたり、わざと場面設定をしてみることもあります。
それが当たった時、この子のことを理解できたような気持でとてもうれしく思いました。

もっと勉強したい!

だんだんと、子どもの発達に関してのめり込んでいった私は、自分で発達検査が取りたいと、2年待ちの講座に申し込み、夏休みと有給を使って京都まで勉強に行ったりもしました。
おかげで知識も経験も順調に増え、市内の保育園から「見てほしい子がいる、相談に乗ってほしい」と呼ばれるまでになりました。

そんな私が、発達障害の支援に限界を感じ始めたお話は、次回…
お読みいただきありがとうございます。


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