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ロッチ中岡が死ぬほど大嫌いだった話

※この記事では、かつて嫌いな芸人を語っているため、あえて敬称略にしてます。
ロッチ中岡のファンだという人にとっては苦手な内容になり得るかもしれませんので、その点を踏まえた上で記事をお読みください。

ロッチ中岡が、大嫌いだった。

その名前を聞く度に虫酸が走り、、とにかく嫌いで嫌いで仕方なかった。

ロッチ中岡とは、お笑いコンビ・ロッチの、肩下くらいまで伸ばした天然パーマが特徴の、小太りの眼鏡の方だ。

苦手な芸能人は何人か居るが、彼に関しては、存在を憎みすぎるあまり、いっそのこと記憶から失くしてしまいたいと思うほどに。

でもそれは、彼そのものが嫌いだったからではない。

そこは予め、強く否定しておきたい。

早速本題に入るとする。


きっかけは些細なものだった。

私は思春期の頃、クラスの複数の女子グループに、酷いいじめを受けていた。
今思えば完全な不登校にならないほうがおかしいレベルのね。

そのうちの1人に、「お前、ロッチ中岡に似ているよね」と言われてど突かれ、幾度となく揶揄われた。

周りも同調して「確かに〜!」と言ってたし、その中には過去に友人として接してくれた(とこちらが思ってた)女子もいじめに加わってた。
まぁ、今はそんなことはどうでもいい。

その当時、たしかに私の容姿は彼のようにイケてなかった。

まず髪の毛はセンター分けの眼鏡。
天パまではいかないけどまぁまぁの癖毛でパサつきやすく、学校に行く時は全然まとまらず悩んでいた。

校則で髪の毛を結んではいたが、ヘアゴムを解くといつも爆発していた。

まとまりやすいトリートメント等は全然知らなかったし、そうした美容やおしゃれに目覚めるのも遅かったので、メイクや身だしなみも無頓着だったのだ。

体型も、やや太っていてもっさりしてる感が、余計に本人に見えたのだろう。

大人になってから改めてアルバムで自分自身を見たら別にそれほどにはロッチ中岡には似てなかったけど、思春期のいじめって一度タゲられたら、案外理由なんてどうでもよかったりするものだ。
だからこそ残酷なんだけどね。

言葉の暴力は色々受けてきたが、特に多感な思春期において、容姿のイケない芸能人に例えられて揶揄われるのは、100%悪意からくるものである。まぁ大人もそれは同じね。

当然、ロッチ中岡は全く悪くない。
彼はテレビで活躍しているお笑い芸人の1人というだけなのだから。

悪いのは、悪意を持って例えてくるクラスの女子達の方なのだ。

そして一方的に気にしているのは、そう言われて勝手に悩む私だけなのだ。

頭では分かっているものの、テレビで彼を見かけるたびに、つい最近までチャンネルを変える毎日だった。

それこそ、たま〜にネットニュースなどで見かけたら自然と目を逸らしたり、各SNSのミュートワードに「ロッチ」や「中岡」を入れるレベルには自衛をしていたのだ。

しかし、そんな狂おしきほどのロッチ中岡嫌いの自分にも、大きな転機が訪れることになる。

それは、今年の9月30日のこと。

日テレにて、エンタの神様が特番で放送されたのだ。

エンタの神様自体は子供の頃笑い転げるほど観てたので、年一くらいの特番が楽しみだった。

今年もお目当ての芸人(かまいたち、東京03など)を見るために流してたのだが、そんな中で、

ロッチの2人が登場したのだ。

ゲッ……

と過去のトラウマが蘇りそうになり、いつものようにチャンネルを変えようかなと思った。

しかしこの日は、やたらNHKのニュースを好む父親からチャンネル権を久しぶりに強奪した手前「やっぱ変えたい」とはいえなかった。

丁度闇バイトのような物騒なニュースを再三にわたって見たくなかったし。

ロッチ登場。

我慢して目を逸らしてその場を乗り切ろうとした。

しかし、今思い返しても不思議なんだけど、気づけば何故か最後までネタを観てた自分がいた。

理由は単純明快で、ネタが惹かれて面白かったからだ。

ただ、序盤は中岡よりは相方のコカドの方ばかり見つめてた。そこからこう、徐々に中岡もチラッとだけど見れるようになった。

コカドさん、中岡ガードのために目眩しに使わせてもらったよ。すまん。

なお、その時のネタの名前は検索しても出てこないが、一言で言うならば「お店でトイレを借りたら店でガム1つでも買う」というのを律儀に守ろうとするあまり、滑稽に見える役だったと思う。

そういう部分も含めて面白かった。

(あの番組見てた人で、ネタの正式名称とか動画あったらこっそりコメントで教えてください)

ここで、話を戻す。

私はこれまでの人生、自分の容姿をロッチ中岡というお笑い芸人に例えられて以来、ずっと彼のことを目に入れないようにして生きてきた。

だからロッチ中岡のことは芸人ということ以外何ひとつ知らなかったし、何より彼の姿を見たくないレベルで避けていた。

でも、それは単なる食わず嫌いでしかなかったのだ。

彼のエンタのネタだけを観てても、恐らく彼はイジられ役?リアクション役が似合ってたように感じられた。

見かけに関しては、相変わらず油ぎった肌にボサボサロングヘアー眼鏡でイケてないが、歳を重ねても髪型をコロコロ変えずにあの髪型なのは、一周回ってやっぱりイケてないので覚えてもらいやすいよな〜って思う。

Perfumeだってメンバー3人とも、何年もあの髪保ってるもんね。(一緒にするな)

また、あとから知ったことだが、彼は何年も海外製の高級シャンプーを使っているのにあの髪のままらしい。
ほんならもう、いち髪みたいなプチプラシャンプーに変えても一緒ちゃうか?

私生活含めて面白すぎる。

それからはロッチ中岡のことを色々と調べる毎日だった。

YouTubeに上がってるものだけだけど、ネタや番組の切り抜きなども一通り視聴した。

今年の5月に一般女性と結婚したことも。末長くお幸せに。

余談であるが、一度はお笑い芸人の道を諦めて工場勤務をしたらしい。
一旦は芸能界を諦めて社会を知っているという意味でも、苦労はされてきていると思う。

彼のようなイジられキャラの存在感というのは、本人の人間性はもちろんのこと、反応が面白いから、重い空気も笑いに変えれるほど本人の素質があるから、そして相方、スタッフ、共演者、その全ての人たちに愛があるから成り立つのだと思う。

私自身、ロッチ中岡に例えられたことがきっかけで、十数年もの間、ずっと、ずっと彼の存在自体を避け続けていた。

そのことを心よりお詫びしたい。

そして、避けていた分、一お笑いファンとして興味を持って追いかけてみたいし、今後も陰ながら応援してみたい。

この記事を読んでロッチ中岡のことが少しでも気になった方は、私が個人的にお勧めする動画をいくつか貼っておいたので、ぜひ見てみてください。

まじでおもしろい

即興で気を利かせるセンス

最近コカドさんの方は見ないけど、コンビネタも面白いので見てみてほしい

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