見出し画像

あたしンちの人物描写は妙にリアルで、そして面白い。

私が子供の頃、唯一楽しみにしていた漫画とアニメは『あたしンち』だった。

当時、他の同級生がボーボボやらアニポケやらを観てたので、少し浮いていたかもしれない。

お恥ずかしながら、私は脳みその理解が追いつかず、基本フィクション色強めなアニメについていけなかった。(現在もそんなところがある)

『あたしンち』は、そんな自分が唯一楽しめたアニメだったのだ。

通院であたしンちのアニメが観れない日は、病院の待合室でシクシクと泣いていて周りの大人たちに心配されたものだ。

子供だった当時は、あの「どこにでもありふれた感じの生活感」や、「良い意味でも悪い意味でも大雑把で独自の世界観を持つ」母が、えらく人間離れした見た目でありながらすごく面白いと思って、アニメも漫画も眺めていたのだ。

前置きが長くなって申し訳ない。
早速本題に入る。

私が人物描写が特にリアルだなと思ったのは、あたしンちのみかん周辺の交友関係である。

みかんはタチバナ家の長女で高校生。

「高校が私服」という設定は、ほとんどの学校が中高制服なのが当たり前だと思っていた幼少期の自分にとって、かなり新鮮かつ大人っぽく映ったものだ。

校舎こそ学校って感じだが、私服ってだけで登場人物皆が大学生のように大人びて見える。面白い。

みかんの交友関係。
こう見るとリア充が過ぎる。羨ましい。

理央〜新田の4人はベア研(テディベア研究会、みかんが所属している部活的なもの)のメンバー。新田は1学年下の後輩。

以下、先生を除き全員クラスメート。

岩木はみかんにとって意中の男子。
吉岡は同じ中学出身の男子。吉岡はみかんに気があるようだが、みかん的には友達扱い。

ゆかりん〜春山の4人は付かず離れずの友達って感じ。
漫画を見てる限りだと、この中でも春山だけは、みかんの方が少し距離を置いている?感じがする。個人的に。

恐らく他キャラより顔面レベルやスペックがやや高い設定?だからだろう。

そしてしみちゃんは、みかんの親友。

みかんがサシで喫茶店に行ったりどこか出かけるのは大体この子。
たらこ唇と、センター分けの前髪に一本結びの髪が特徴だ。

エアタバコが得意

純粋でおっちょこちょいなみかんと、大人っぽくどこか人生達観している感じのしみちゃんとのエピソードは、笑ったり泣けたり心にジーンとくるものがすごく多い。

一方で、人物描写に妙にリアリティーを感じて、もやもやしたエピソードも存在する。

特に辛いなぁと感じたエピソードが、この人が出演する回。

アニメだと「みかん、ちょっとスネるっ」の回かな。
原作にも確かあったんだけど手元になくて何話か分からない。もし分かれば記事更新します。

山田さん

この人はみかんの同級生で、ちょっとクールな感じなのだが、しみちゃんに強い興味を持って近づいてくる。

しみちゃんとみかんの仲に嫉妬して、いつもしみちゃんと一緒のみかんに露骨に冷たくあたるのだ。

そしてどういう訳か3人でスーパー銭湯に行く展開になるんだけど、案の定しみちゃんにばかり話しかけ、みかんを置いてけぼりにする。
最後は「2人の仲って引き裂けないのね」と、山田さんが諦めモードになって、締め括られる。

3人になると仲間はずれになったり気まずくなるの、あまりにもコミュ障あるある過ぎて、うわーーーってなった。

2人の乳のデカさにびっくりするみかん

似たような感じだと、母の人間関係にも、水島さん、戸山さんといういつもの仲の良いメンバーが居る。

左から母、水島さん、戸山さん

彼女らに加えて、たまにお茶仲間として出てくる三角さんや、ホホエミさんのような、ちょっととっつきにくいタイプのキャラもいるのだ。

三角さん
ホホエミさん

三角さんは旦那が医者で裕福な奥様。
ほほえみさんは言いたいことが言えず、いまいち打ち解けられないキャラって意味で、母達イツメン3人組とは少し距離がある。

とにかく何が言いたいかって『あたしンち』って、決してみんながみんなとても仲良し〜って感じの人間関係じゃなくて、一癖二癖あって対人関係に壁作りそうなキャラを出したり、そのキャラと主要メンバーが絡んで妙な空気を作り出す?リアルな感じを出すのがとても上手い作品なのだ。

そして「わかる、現実世界にもこういう人いるよね……」と、妙に共感してしまうのだ。

私は子供の頃から大人になるまで、フィクション作品なのにこうも「どこにでもありそうな人間関係の微妙な感じ」をリアルに描いている『あたしンち』が、とても面白いと感じている。

もちろん、子供の頃から『あたしンち』が何故面白いと感じるのか言語化できた訳じゃなかったので、今このように言語化できることをとても嬉しく感じる。
この記事だけで100%伝えられた訳じゃないが、6割くらいは伝えられた実感がある。

フィクション作品は基本敬遠しがちだけど、こういう日常を描きながらも人間関係のリアルさが描写されている隠れた魅力がある故に、『あたしンち』は、大人になった今も親しんでいる作品である。

大人になってからSNSに触れて、あたしンち好きな同年代〜私の親世代にあたる方々までこんなにファンがいたことに驚いている。

作者さんもまた描いて下さっていることがとても嬉しい。

これからも是非、更新を楽しみにしたい。

↓作者さんのnote。月1で更新してるので是非ご覧ください。

おまけ(ファンアート)

スプラ3に出てくるマザーと、
あたしンちの母が巡り逢う。母キャラ好き。
タチバナ家の食卓。
量もカロリーもヤバそうだが、母のご飯よりは美味しいと思う。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集