おかえりモネ #当事者と非当事者
このYahoo!ニュースの記事がとっても美しく優しい文章で好き。
みなさん、見てますか?おかえりモネ。
わたしは全く朝ドラを見ない人だったのに、
ニート生活も相まって、いまはすっかり魅了されてます。
初めて見た時から、このおかえりモネの雰囲気が心地よくて。
なんでだろうな~~とずっと思ってた。
この言葉で府落ちしたなぁ。
どんなに幸せそうでも、無傷の人生なんてひとりもいない。みんな何かしら--痛みはある。だけど、だからと言って、そこで人生を降りるわけにはいかない。傷を抱えながら、痛みと向き合いながら、一歩でもいい、半歩でもいい、ゆっくり、自分のペースで歩いていく。『おかえりモネ』は、そんな人々の物語です。
その上で、『おかえりモネ』がこだわり続けてきたことが、「当事者性」というテーマです。東日本大震災以降、「当事者/非当事者」というテーマについて社会全体で取り上げられる機会が増えました。被害を受けた当事者の苦しみを目にしたからこそ、非当事者である自分たちに何ができるのか。非当事者に震災を語る資格はあるのか。迷い、悩む人は少なくありません。
「わかる」というのは「分かる」と書きます。「分かる」とはつまり「分かつ」こと。あなたを、ひとりにはしたくない。その痛みを、その苦しみを、少しでも分かち合いたい。ひとりで抱えるには重すぎる荷物を一緒に背負わせてほしい。それこそが共生であり、分断と対立が広がる今の社会に必要なものではないかと、『おかえりモネ』は問うているのです。
わたしはずっと、生まれながらに非当事者の立場で生きてきた。
障害者の母、骨肉腫の兄。
小さい時から兄弟のように一緒に遊んできた従弟も知的障害者だった。
こんな小さいコミュニティの中で、これだけハンデを抱えた人といたもんだから、なぜ私は健康に生まれてこれたんだろうと不思議でしかたなかった。
なぜ、彼らで、私ではなかったのか。
特にひとつ上の兄に対しての気持ちは、大人になった今でも消化しきれていない。
今も生きていてくれているのが奇跡くらいなのだが、
色々なところに癌が転移してしまい、人生で病院と、外の世界と
どっちの方が長かったんだろうと思うくらいで。
生きていてくれて今は嬉しいと思えるが、
小さいときは「兄さえいなければ」と思ったこともある。
実は母の持っている障害も、兄を出産したときに発症したと知って
なおさらその気持ちは強くなった。
兄さえ生まれてこなければ、私たちは普通の家族だったのかな。
小さい時は、隣の芝生が青すぎると思っていた。
けれど病室で会う兄はいつも優しく、それがまた、苦しかった。
そして、明らかに私よりずっと苦しい思いをしている両親や
兄のことを思うと、自分がつらいなんて、言えるはずがなかった。
私は物心ついたころから身内の葬式以外で、親の前で泣いたことがない。
泣いてはいけない。泣かないと決めていた。
そんな私が、オットの前ではじめて号泣した日がある。
まだ付き合って日が浅く、まだオットが彼氏だった。
たまたまオットの家に遊びに行ってるとき
母から、「兄の癌が再発した。足を切断することになった。」
と連絡をもらった。
兄の一番最初の癌(小学生の頃)の発症も、足だった。
それでも何度も何度も手術をして、杖なしでは歩けなかったけど
なんとかここまで来たじゃないか。
あんまりだ。
あまりのショックで言葉がでない。
涙がボロボロでる。
それでも悟られたくなくて、わかったような対応をしてすぐに電話を切った。
こんな時ですら親の前で素直に泣けない。
私はどうしてこんな風になってしまったんだろう。
すっかり病気が落ち着いたと思っていた分、
すごくショックで、電話を切った後大泣きした。
いつまで兄は病気と闘わないといけないんだろう、と思うと
なかなか涙が止まらない。
なぜ兄なのか。
なんで私は健康なのか。
私がずっと憎かったのは兄ではなく、兄の病気だった。
オットは何も聞かず、ただただ泣き止むまで抱きしめてくれた。
それはまさしくYahoo記事の、「分かつ」そのものだった。
非当事者であるオットが
私1人では抱えられない重荷を一緒に背負ってくれようとしている。
その日、私は生まれて初めて、身近なひとに自分の家族と兄の病気のことを人に話した。
今は、オットが病気と障害者の当事者になってしまった。
今でも私は非当事者のまま。
けれど、幼く、泣くことを我慢するだけだったあの時とは違う。
オットが何に苦しみ、何がつらいのか。
どんなことがしたくて、どう生きていきたいのか、
横に並んで、教えて欲しいと思っている。
できないことは山ほどあるかもしれないけれど
一緒に泣いたり、笑ったりしたい。
小さい時から喉から手が出るほど欲しかった「普通」は
多分手に入らないけれど
そんなものなくたって、私たちは十分幸せなんだよね。
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